メジャーでは昨年末からマーリンズの身売り問題に注目が集まっている。現地報道によれば、マーリンズのオーナーを務めるジェフ・ローリア氏は16億ドル(約1745億円)で球団を売却したがっているという。天文学的数字のように聞こえるが、この度発表され…

メジャーでは昨年末からマーリンズの身売り問題に注目が集まっている。現地報道によれば、マーリンズのオーナーを務めるジェフ・ローリア氏は16億ドル(約1745億円)で球団を売却したがっているという。天文学的数字のように聞こえるが、この度発表された米経済紙「フォーブス」による恒例のメジャー30球団資産価値ランキングによれば、今年も1位に輝いたヤンキースは、なんと37億ドル(約4034億円)の価値があるという。

■30球団平均資産は約1679億円、前年より19%アップ

 メジャーでは昨年末からマーリンズの身売り問題に注目が集まっている。現地報道によれば、マーリンズのオーナーを務めるジェフ・ローリア氏は16億ドル(約1745億円)で球団を売却したがっているという。天文学的数字のように聞こえるが、この度発表された米経済紙「フォーブス」による恒例のメジャー30球団資産価値ランキングによれば、今年も1位に輝いたヤンキースは、なんと37億ドル(約4034億円)の価値があるという。

 同誌は過去20年間にわたり、独自の試算方法でメジャー30球団の資産価値を査定。ランキング発表を始めた当初から、ヤンキースは不動の1位に鎮座している。2位のドジャースは27億5000万ドル(約2998億円)と試算されており、ヤンキースは2位以下に約10億ドル近い差をつけた独走態勢にある。

 このランクを取り上げた米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトによれば、ヤンキースとドジャースに、3位レッドソックス、4位カブス、5位ジャイアンツを合わせた上位5球団で、最近8年のワールドシリーズで6度優勝を果たしているという。ワールドシリーズ制覇やプレーオフ進出を果たすと、翌シーズンの入場者数が増えるため資産価値アップにつながる。チームの戦力や成績は、資産価値に大きな影響を及ぼすと言えるだろう。

 またフォーブス誌の記事によれば、30球団の平均資産価値は15億4000万ドル(約1679億円)で、前年より19%アップしているという。各球団の価値が上がった背景には、MLB.comやMLB Networkなどを運営するMLB Advanced Media(MLBAM)の価値が高まったことにあるという。このMLBAMはメジャー30球団が均等に出資して設立されたため、収益は均等割で各球団に還元される。

■カブスは7年で球団価値が180%増

 ESPN公式サイトよれば、昨季108年ぶりの世界一に輝いたカブスは26億7500万ドル(約2917億円)という資産価値がついているが、2009年に現オーナーのリケッツ一族が球団を買収した時は8億4500万ドル(約921億3400万円)だったという。インフレの影響を加味した場合、カブスの球団価値は180パーセント増となっているそうだ。

 近年本拠地リグレーフィールド周辺の土地を買収し、再開発に取り組んでいたカブスは、今季から「パーク・アット・リグレー」という施設をオープンし、より多くの観客動員と試合開催時の収益増を狙っている。リケッツ一族の代表でもあるトム・リケッツ氏は「ビジネス面とチームの成績が一致する時が来るための計画を練っていた。だが、すべてが同時に結果に現れるなんて、幸運だとしか言いようがない」と話したそうだ。

 また記事では、1973年に故ジョージ・スタインブレナー氏がヤンキースを買収した当時の値段も紹介。当時スタインブレナー氏は1000万ドル(約10億9000万円)を支払ったそうだが、これもインフレの影響等を加味すると、今年の資産価値は当時の6627パーセント増に当たるそうだ。

 こういった数字を見ても、メジャーが1つのビジネスとして成り立っていることが分かると言えそうだ。