12日、ホンダから衝撃的な発表があった。マクラーレン・ホンダのエースとしてF1を戦っているフェルナンド・アロンソが、5月28日決勝のモナコGPには出場せず、同じ週末に決勝が行なわれるインディ500に出場することを決めた。佐藤琢磨同様にアンド…
12日、ホンダから衝撃的な発表があった。マクラーレン・ホンダのエースとしてF1を戦っているフェルナンド・アロンソが、5月28日決勝のモナコGPには出場せず、同じ週末に決勝が行なわれるインディ500に出場することを決めた。佐藤琢磨同様にアンドレッティ陣営から参戦する。
F1のレギュラードライバーが、どこかのレース(GP)を欠場してまで他のカテゴリー(シリーズ)のレースに出場するのは極めて異例。アロンソは、ホンダエンジンでインディカー・シリーズを戦っているアンドレッティ・オートスポーツに合流し、「マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ」のエントリー名で今年のインディ500を戦う。
今季アンドレッティには佐藤琢磨らが所属して戦っており、それにインディ500ではアロンソが加わるかたちになる。アロンソのマシンは「かつてマクラーレンがインディ500で勝利を収めたカラーリングをまとう」とのこと。
インディ500は世界3大レースと称されるイベントのうちのひとつ。アロンソ(05&06年F1王者)は同じく世界3大レースに数えられるF1モナコGPでは既に2度の優勝経験(06&07年)があり、今回の動きは将来的にルマン24時間レースを含めた世界3大レース完全制覇を目指すためのものと考えるのが自然で、実際、以下に掲載する彼のコメントでもその旨が語られている。
フェルナンド・アロンソのコメント
「マクラーレン、ホンダ、それにアンドレッティ・オートスポーツとともにインディ500に出場できることをとてもうれしく思います。インディ500はルマン24時間とF1モナコGPに並び、世界中のモータースポーツのなかで、もっとも有名なレースです。今年モナコでドライブできないことはもちろん残念ですが、今シーズンF1で欠場するのはモナコだけですし、インディ500が終わったらすぐにチームに合流し、6月のカナダGPに備えます」
「これまでインディカーをドライブしたことはなく、スーパースピードウェイ(ビッグオーバルコース)でもレースをしたことはありませんが、すぐに順応できる自信があります。インディカーのレースはテレビやインターネットでよく見ていますが、時速350キロを超えるハイスピードでの接近戦になるので、ドライビングに高い正確性が求められることは間違いありません」
「かなり短い期間でマシンに慣れる必要がありますが、スペインGP終了後すぐに渡米し、マクラーレン・ホンダ・アンドレッティのマシンでできるだけ多くの周回を重ねて、マシンを自分のものにしていきたいです。とても優秀なアンドレッティ・オートスポーツのクルーと一緒に仕事ができることをとてもうれしく思っていますし、彼らが持つ知識と経験から多くのことを吸収しようと思います」
「モナコでは2勝をあげていますし、世界3大レースのすべてを制することは私の夢のひとつです。その偉業を成し遂げたのはグラハム・ヒルただ一人で、とても大変なことはわかっていますが、挑戦しがいのあるチャレンジです。ルマンにはいつチャレンジできるかわかりませんが、まだ35歳ですし、時間はたっぷりありますから、いつか挑戦したいと思っています」
現在のF1マクラーレン・ホンダがシリーズタイトルを争えるポジションにはないことも、今回の決断を可能にしたと見るべきで、その意味では残念な状況ともいえるが、アロンソの新たなチャレンジには大いなる意義がある。今年の第101回インディ500が例年以上の注目ビッグイベントとなることは確実だ。
なお、モナコGPでのアロンソの代走については現段階で発表がなく、こちらも今後の焦点となる。
F1マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ。《写真提供 Honda》
F1マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ。《写真提供 Honda》
F1マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ。《写真提供 Honda》
今季もインディカー・シリーズを戦っている#26 佐藤琢磨。《写真提供 Honda》