いよいよ2021年の日本シリーズが始まる。ヤクルトとオリックスという史上初めて前年最下位チーム同士の戦いとなったが、は…

 いよいよ2021年の日本シリーズが始まる。ヤクルトとオリックスという史上初めて前年最下位チーム同士の戦いとなったが、はたして日本一に輝くのはどちらのチームなのか? 解説者5人に今年の日本シリーズの戦いについて、展望を聞いた。



ヤクルト・村上宗隆(写真左)とオリックス・山本由伸の侍ジャパン対決にも注目だ

秦真司氏

 今回の日本シリーズは、オリックス投手陣とヤクルト攻撃陣の戦いになると思います。オリックスは山本由伸投手を筆頭に、力のある先発陣が揃っている。ヤクルトが日本一になるには、球界ナンバーワン投手と評される山本投手を倒すこと。そこにかかっていると思います。

 その山本投手ですが、ストレート、変化球ともに一級品。そのうえ制球力もある。正直、これといった攻略法がないのが現状です。とにかく個人で対応するのではなく、チームとして狙い球を絞ったり、束になって向かっていかなければなりません。

 とにかく山本投手から簡単に得点できないことを考えると、ロースコアに持ち込むことが重要になります。そうすることで山本投手であってもプレッシャーはかかるでしょうし、失投があるかもしれない。

 そう考えると、山本投手と投げあう先発投手のできがカギになります。おそらくCSファイナルの初戦で好投した奥川恭伸投手になると思いますが、彼が巨人戦の時のようなピッチングができるかどうか。いずれにしても初戦が大きなポイントになるでしょうね。

 初戦でヤクルトが勝利すれば、一気に流れが傾くでしょうが、何度も言いますが山本投手を攻略するのは容易なことではありません。ですので、日本シリーズは4勝2敗でオリックスだと思います。

吉見一起氏

 ともにクライマックス・シリーズ(CS)を無敗で勝ち上がるなど、勢いのあるチーム同士の戦いなので、簡単には終わらないと思います。

 そのなかでポイントになるのは、いかに得点できるかだと思います。オリックスからすれば、常にリードした展開に持ちこんでヤクルトの強力リリーフ陣を出さない状況にしたい。逆にヤクルトは、第1戦の登板が予想される山本由伸投手をどう攻略するのか。そこが最大の焦点になるでしょうね。

 それぞれキーマンを挙げるとすれば、オリックスは杉本裕太郎選手、ヤクルトは山田哲人選手。今年、大ブレークした杉本選手ですが、じつは二軍にいた時に何度か見ています。パワーがあって、今はうまさも兼ね備えていますが、当時はそこに投げておけば大丈夫というゾーンがあった。個人的にはどこまで克服しているのが楽しみにしています。それにパ・リーグはパワー系の投手が多かったと思うのですが、セ・リーグはどちらかといえばかわしていくタイプが多い。攻め方の違いにどう対応するのかにも注目です。

 山田選手は、CSでは調子が上がらず苦労しましたが、それでもチームは勝ちきった。山田選手が復調すれば得点アップが見込めますし、チームの雰囲気も変わるはず。打線の中心は村上選手かもしれませんが、チームの中心は山田選手。チームに勢いをつけるためにも山田選手の活躍は必要不可欠です。

 投手力ならオリックスですが、打線の破壊力はヤクルトが一枚上。短期決戦は打てるチームが有利なような気がするので、今回の日本シリーズは4勝3敗でヤクルトが勝つと思います。

岩田稔氏

 短期決戦はどれだけ勢いをつけられるかが大事ですので、やはり第1戦の結果がシリーズの行方を左右しそうな気がします。

 オリックスは間違いなくエースの山本由伸投手が先発してくるでしょうから、そこで確実に1勝したいところ。ヤクルトは山本投手に勝って、一気に流れを持っていきたいでしょうね。

 個人的には、山本投手に対してヤクルトの1番打者・塩見泰隆選手がどんなバッティングをするのかに注目しています。巨人とのCSファイナルでも積極的なバッティングが光りましたが、それが日本シリーズでもできるのかどうかでしょうね。

 山本投手はボールに力があって、コントロールもいいので、どんどんストライクゾーンに投げ込んでくると思います。それを見るのではなく、積極的に振っていくことが大事になります。投手というのは、いくら調子がいいと思っても先頭バッターとの対戦は緊張しますし、どうしても慎重になってしまう。そこで出鼻をくじかれてしまうと、自分のピッチングを取り戻すのに時間がかかる。ヤクルトとしては、初回に得点できるかがカギになりそうです。

 冒頭でも言いましたが、今回のシリーズは初戦をとったチームが日本一になると思っています。山本投手を攻略するのは容易ではないのですが、ヤクルト打線の怖さも知っているので......ほんとに難しいですが、4勝3敗でヤクルトにします。

建山義紀氏

 両チームとも3番、4番がしっかりしているので、彼らの前にどれだけランナーが置けるか。オリックスなら福田周平選手と宗佑磨選手、ヤクルトなら塩見泰隆選手と青木宣親選手の出塁がカギになると思います。

 なかでも、宗選手と塩見選手は爆発力がある一方で脆さもあり、彼らのできというのは日本シリーズを占ううえでも要注目です。福田選手と青木選手というのは、どんな投手がきたとしてもしっかり対応して、ある程度の出塁は期待できると思いますので、宗選手と塩見選手がどんな働きを見せてくれるのか楽しみですね。

 今回の日本シリーズは両チームの実力が拮抗していて、全試合ロースコアになると思っています。どれだけ少ないチャンスをモノにできるか。言い換えれば、投手陣がどれだけ踏ん張れるか。ともにリリーフ陣はしっかりしているので、先発陣の層の厚さでややオリックスが有利なのかなと。ですので、今年の日本シリーズは4勝3敗でオリックスが勝利すると見ています。

鈴木尚広氏

 ともに昨年最下位から優勝したように、着実に力をつけている伸び盛りのチームです。ベテラン、中堅、若手のバランスもすごくよく似ていて、それぞれ粘りがある。昨年のように4試合で終わることはないと思います。

 オリックスとしたら、第1戦の山本由伸投手で確実に勝利できるかがポイントになります。言うまでもなく、山本投手は球界ナンバーワン投手です。しかもセ・リーグには彼のようなタイプのピッチャーはいませんので、ヤクルト打線は相当苦労するでしょう。

 ヤクルトは初戦を落としたとしても、ほかの試合でしっかり挽回できるかどうか。先発陣がしっかり試合をつくって、リードした状態でリリーフ陣につなぐことができれば、勝利の確率は上がるはずです。CSで好投した奥川恭伸投手、高橋奎二投手がオリックス相手にどこまで通用するのかも注目です。

 ひとつ気になるのは、ヤクルトの本拠地が神宮球場ではなく東京ドームになること。いくらふだんから使用している球場とはいえ、ホームになるとまた違ってきます。ちょっとしたことかもしれませんが、意外と影響が出るかもしれません。

 投手層の厚さ、本拠地問題......それらを加味して、今回は4勝2敗でオリックスが勝つと思います。