雨が残った全国高校選抜ラグビー大会最終日(4月9日/埼玉・陸上競技場)。決勝戦進出4度目となる桐蔭学園(神奈川)が京都成章(京都)を42-12と破り、初優勝を飾った。チーム作りの個性こそ違うが、練習で全国のトップにまで上昇してきた両校。この試合でも、お互いの強みの部分を存分に出し合い、特にブレイクダウンの争奪戦はハイレベルに。結果、攻守の切り替えが激しく、見所が詰まった好試合になった。

 開始直後、敵陣22メートル付近でスクラムを得た桐蔭は副将のSO田村魁世がボールを後方にそらすが、それを素早く拾い上げ前に出るとインゴールへ。1分の先制トライが生まれる。「予想以上にすべったが、運よく取れました」とSO田村。一方、京都成章は8分に敵陣22メートル付近右中間のラックから外に展開すると見せかけて、FB二村莞司がチャンネルゼロに走り込み中央突破からトライ。成章らしい工夫した攻撃で7-7と追いつく。

 桐蔭は徐々にFW戦で手応えをつかみ始めるが、ラインアウトで再三ターンオーバーを許し、ペースを握れない。奪われても防御で目を見張ったのがFL原朋輝の低いプレー。大会期間中光ったブレイクダウンで素晴らしい働きを見せて、ジャッカルからピンチを未然に防ぐなど勝利の立役者に。そして、21分には敵陣ゴール前でFWが前進して、最後は決定力のあるPR細木康太郎が勝ち越しのトライを奪う。成章も前半終了間際に攻め込んだが、最後は桐蔭がターンオーバーに成功して14-7でハーフタイムに。

「雨で外に振れなかったので、FWがポゼッションを取っていこう。敵陣で戦えばやれる」とSO田村が確認したように、後半はFWが4トライを奪取。ラインアウトも3人で並ぶなどなんとかキープして、敵陣での連続攻撃に結びつけた。

「成章BKのディフェンスがよかったので、結果的にはFWしかゲインを切れなかった。チームとして足りない部分、できる所が明確になった」と桐蔭・藤原秀之監督。昨年のCTB齊藤大朗のような絶対的エースは不在だが、新チームのFWは大会随一の運動量がある。そして、サイズの不利を克服する技術を備え、これは今後も発展させていくだろう。

 成章は緩急を織り交ぜた走りに加え、防御に接近してパスを出すなど楽しみな面が多い。2年生のFB二村は大会でも攻撃力は際立ち、大きな経験に。湯浅泰正監督は「(桐蔭は)ここという時のディフェンスが強い。足りないものがはっきりと見えてきた」とこれからを見据えた。

 今大会は、U18日本代表がフランスでおこなわれているU18ヨーロピアンチャンピオンシップに急きょ参加することが決まり、主力が欠けているチームがある。最大は東福岡の8人で、成章も3人を送り出し、さらにケガ人が続出して、当初のスタメンから8人を欠いた。本来、全国選抜大会はこの場で各校が現状を知る絶好の機会で、その後のチーム作りの方針も決まる大切な大会。決勝を戦った両監督ともに「フルメンバー同士でできる大会であってほしい」と話すように、もし来季も日本がヨーロッパのU18大会に参加するならば、来季の日程もしくはメンバー選考を慎重に精査すべきだ。(取材:福田達)