来年2月に開催される北京五輪まで3ヶ月を切った。今大会も様々な日本人選手の活躍が期待されるが、中でも注目度の高い競技の一つがフィギュアスケートだろう。既に国内外で代表争いへ向け激しい争いが繰り広げられている。そんな中、五輪開催…

 来年2月に開催される北京五輪まで3ヶ月を切った。今大会も様々な日本人選手の活躍が期待されるが、中でも注目度の高い競技の一つがフィギュアスケートだろう。

既に国内外で代表争いへ向け激しい争いが繰り広げられている。

そんな中、五輪開催を前に、元日本代表・中野友加里さん、バンクーバー五輪代表小塚崇彦さん、ソチ五輪ペア代表の高橋成美さんが、スポーツアンカー・田中大貴さんのYouTubeチャンネル「田中大貴のアスリートチャンネル」に出演。
自身の現役時代を振り返り、プレッシャーや当時の心境について語った。

【動画】中野友加里、小塚崇彦、高橋成美が五輪を語る!

自分は3人目という頭があったので、3枠は絶対に取らなきゃいけないと・・・


 
五輪まで3ヶ月を切り、グランプリシリーズを戦う真っ最中でありながら、およそ1ヶ月後には全日本選手権が控えているこの時期。

自身の現役時代を振り返り高橋さんは当時の心境をこう振り返る。

「私は元々外国の選手とペアを組んでいたので、(国籍の都合上)オリンピックに出れないと思っていたんです。
それから(木原)龍一とペアを組むことに決まったのがオリンピックの1年半前くらいでした。決まった後はオリンピックを逆算して練習をしていたんですが、龍一もシングルから転向したばかりでしたし、逆算してもギリギリの状態だったんです。なので、五輪3ヶ月前がどうこうよりかは、オリンピック直前まで、(オリンピックでの演技前の)6分間練習まで準備を続けていた感じでした」

一方で小塚さんは、

「オリンピックに関しては、(代表)3枠をとっていたので、その枠に入るのが髙橋大輔くんと織田信成くんと誰か、という時に、(自分が)いけるって1年前に枠をとったときは思っていました」

と、コメント。

例年、各国五輪の出場枠は、前シーズンに行われる世界選手権での各選手の成績に応じて決定するが、その「枠取り」について、自身の置かれていた立場を踏まえ、こんな思いを抱いて戦っていたという。

「五輪シーズンの前のシーズンに髙橋くんが怪我をして出場できず、織田くんと2人で世界選手権に出場し、枠を取りに行きました。その時、織田くんがもっと良い成績を取るかと思いきや、ふるわなくて。
やっぱり、自分は髙橋くん、織田くんに次ぐ3人目という頭があったので、3枠は絶対に取らなきゃいけないという思いが強かったんです。」

晴れて男子シングルの出場枠「3」を獲得。この直後は自身の代表入りに大きな可能性を感じていたというが、一方で周囲からの期待が大きいが故にかなりのプレッシャーも感じていたという。

「周りからは、僕が代表に入る、という風に言われていたんですが、やっぱりやっている側としては、めちゃめちゃ大変でしたね。プレッシャーがすごかったです。そこに入ると思われているからこそ、逆に大変というか、これで入れなかったらどうしようというのが頭の中でずーっと駆け巡るわけですよ。そんなところ考えちゃいけないのに、そこに頭がいっちゃうというか。だから練習をして、その邪念をとっていましたね」

あそこにポンと放り込まれたら、極度のプレッシャーで倒れてしまう

北京五輪の日本の出場枠は男女シングルがそれぞれ3、ペア、アイスダンスがそれぞれ1枠となっており、どの競技も激しい代表争いが繰り広げられている。

そんな代表争いをする上で、最もと言っていいほど重要な大会なのが、全日本選手権だろう。優勝者はその時点で五輪代表に内定するほか、選考の上でこの大会での成績はかなり加味される。

それだけに、全日本での緊張感は、他の大会とは比べ物にならないほどだという。

「今、あそこにポンと放り込まれたら、極度のプレッシャーで倒れてしまうと思います。それぐらい緊張しすぎて、何をしでかすかわからないくらいな感じの場所なんです」

と、小塚さんは独特の緊張感を表すと、

中野さんは

「名前がコールされてスタートするまでの間、拍手も次第に鳴り止んで静かになるんです。その時の緊張感をすごいよく覚えているんですが、自分の心臓の音が鳴っているのが見えるんですよ。それがすごく嫌でしたね。自分が緊張しているんだなって思うので」

と、同じくこの大会が選手にとっていかに重要な大会かを自身の経験をもとに語った。

さらに動画内では、田中さんが明かした小塚さんの運動神経の良さを象徴するマル秘エピソードについても明かされている。


【動画】中野友加里、小塚崇彦、高橋成美が五輪を語る!

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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