■残り4試合の理想的なシナリオとは? オーストラリアが足踏みをしたことで、2位に浮上したのは思いがけないボーナスだった…
■残り4試合の理想的なシナリオとは?
オーストラリアが足踏みをしたことで、2位に浮上したのは思いがけないボーナスだった。とにもかくにもW杯出場権に浮上したことで、残り4試合は自分たちの戦いに集中できる。目の前の敵から勝点3を奪っていけば、確実にストレートインできるのだ。追いかける立場だったこれまでよりも、思い切ってプレーできるだろう。得失点差でライバルに劣っていることも、勝点差をキープすれば気にしなくて済む。
12月は最終予選が開催されず、次のスケジュールは来年1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦となる。どちらもホームゲームで、最大勝点の「6」がノルマだ。
この2試合で勝点6を積み上げれば、7大会連続のW杯出場が見えてくる。3月22日のオーストラリア戦は引分けでもOKで、ベトナムとの最終戦に勝利すれば2位以内でフィニッシュできる。
ここまで6連敗のベトナムは、3月の日本戦を待たずにW杯出場の可能性を失っているに違いない。日本のホームで行なわれる最終戦は、意欲を掻き立てにくい戦いだ。だからといって油断はできないが、勝ってW杯出場を決めるという明確なモチベーションは、日本にとって大きな支えになる。
理想的なシナリオを描いていくためにも、1月の中国戦と2月1日のサウジアラビア戦で躓くわけにはいかない。
ポイントはコンディションである。国内組はプレシーズンの準備期間中だ。一方の海外組はシーズンの真っただ中だが、これまで同様に試合の数日前の帰国になる。国内組と海外組でコンディションにバラつきがある意味では、9月のオマーン戦に近い。
日本サッカー協会は、中国戦の前にテストマッチを組み入れようとしている。国内組がぶっつけ本番にならないための措置だが、ゲーム勘やゲーム体力を1試合で整えることはできないだろう。海外組を中心としたスタメン選考が現実的で、ここまで消化した6試合が価値を持ってくる。
左サイドバックで途中出場させてきた中山は、先発でピッチに立つ準備が整っているはずだ。所属クラブでハイパフォーマンスを維持している古橋亨梧、オマーン戦でジョーカー役を果たした三笘薫らも、先発起用にためらいはない。
オマーン戦では遠藤航が警告を受けた。4-2-3-1でも4-3-3でも、背番号6はチームに欠かせない存在として機能している。彼が出場停止となった場合の対処──過去3試合連続で採用してきた4-3-3のままで、違う選手をアンカーに当てはめるのか。それとも、システムを変えるのか。守田英正をアンカーに置けば問題はないのだろうが、遠藤を欠く際のシミュレーションはしておくべきだろう。
■2位浮上の最大の立役者は伊東
最終予選開幕時の「相手から読まれやすいチーム」から脱却し、日本は「試合前から相手を悩ませるチーム」となった。4-2-3-1と4-3-3に加え、オマーンの後半に採用した流動性の高いシステムもある。さらに言えば、交代選手の選択肢も増えてきた。10月、11月はケガで欠場した久保建英、ポルティモネンセで復活へのゴールを決めた中島翔哉らも、1月末の段階では招集可能なコンディションになっているだろう。選択肢は豊富だ。
そのなかでも、取り替えが効かないのは伊東だ。オマーン戦では得意のドリブル突破を厳重に警戒されたが、ベトナム戦に続いて決勝ゴールをマークした。
ディフェンス面での貢献も高い。素早いプレスバックや前線からのチェイスは、システムを問わずにチームに欠かせないものとなっている。彼こそは、2位浮上の最大の立役者だろう。
残り4試合の課題としてあげたいのはセットプレーだ。
11月の2試合でも、CKとFKからの得点はなかった。ベトナム戦で田中碧が、オマーン戦では柴崎と伊東純也がキッカーを任されたが、得点に結びついていない。トレーニングに限りがあるため、リスタートにばかり時間を割けないのが実状だが、それにしても得点パターンとして計算できないのは歯がゆい。拮抗した試合を動かす手段として有効なだけに、セットプレーのパターンを持ちたい。
18年のロシアW杯最終予選では、原口元気が前半戦に4試合連続ゴールをあげ、久保裕也、浅野拓磨、井手口陽介の16年リオ五輪代表が決定的な仕事をした。
今回の前半戦は、伊東が牽引した。主力と見なされる選手がきっちり仕事を果たしつつ、新たなタレントが台頭してくることで、最終予選突破の可能性は高まる。