3年連続5位に終わった日本ハムは、10年間指揮をとった栗山英樹監督が退任し、新たに新庄剛志氏の監督就任を発表した。就任…

 3年連続5位に終わった日本ハムは、10年間指揮をとった栗山英樹監督が退任し、新たに新庄剛志氏の監督就任を発表した。就任以来、連日のように話題を振りまくなど早くも"新庄劇場"の幕は開けたが、はたしてチームをどのように変え、強化していくのか。日本ハムOBで新庄監督ともチームメイトとして戦った岩本勉氏に聞いた。



秋季キャンプ視察のため、球場入りする日本ハムの新庄剛志監督

── 新庄剛志氏が日本ハムの新監督に決定したというニュースを聞いて、最初に思ったことはどんなことでしたか。

「日本ハムは大博打を打ったなと(笑)。でも、これは打たなければいけない博打だったと思います。3年連続5位という低迷が続くなか、劇的にチームを変えられるのは新庄のような、いい意味でチームをぶっ壊してくれる人物が必要だと感じていました。だから、個人的には最高のカードをきったなと思っています」

── ここ数年の日本ハムの戦いをどのように見ていましたか。

「よく言えば安泰、厳しい言い方をすれば、とくにレギュラー陣はぬるま湯に浸かっているような状態でした。投手陣はルーキーの伊藤大海が2ケタ勝利を挙げるなど、大活躍してくれましたが、野手陣に大きな変化がなかった。そこは日本ハムにとって大きな課題ですし、新庄監督になんとかしてほしいところです。とにかく新庄監督は先入観なく選手と接すると思いますし、チームをフラットな状態で見るでしょう。それによって、これまで不動のレギュラーだった選手にも危機感が生まれるでしょうし、気も引き締まるはず。ベテラン、若手関係なく、全員がレギュラー争いをするというだけでも大きな一歩。それも"新庄効果"のひとつだと思います」

── 世代交代が期待できると。

「今年のパ・リーグを制したオリックスを見ても、ベテラン、中堅、若手のバランスがすごくよかった。強いチームというのは、ベテラン、中堅だけでもダメだし、若手だけでもシーズンを乗りきることができない。そこは新庄監督もわかっているでしょうし、そこを念頭に置きながらチームづくりをしていくのではないでしょうか」

── 新庄監督になり、あえて期待したい選手を挙げるとすれば誰になりますか。

「やっぱり清宮幸太郎、吉田輝星の"Wコーちゃん"です。ドラフト1位の彼らがチームの中心にどっかり座ってくれないと、日本ハムの躍進はありません。能力の高さは誰もが認めるところ。何かひとつのきっかけで一気に突き抜ける可能性があると思うのですが、それがなんなのか......そこを新庄監督に見つけてほしいですね。彼らを一人前の選手に育て上げることは、新庄監督の使命だと思っています。とにかく来年はしっかり一軍で経験を積んで、再来年の新球場開場の時には投打の軸として"日本ハムの顔"になっていてくれることを期待したいです」

── 現役時代の新庄監督の印象は?

「とにかく努力の人。グラウンドではいつも笑顔で楽しくプレーしていましたけど、陰では本当に努力していた。でないと、あれだけのビッグプレーはできないですし、メジャーでプレーなんてできるはずがない。身体能力の高さだけでプレーしているといった声もありましたが、そんなことはありません。これまでそういった選手を何人も見てきましたし、プロ野球は身体能力の高さだけで通用するような甘い世界ではありません。しっかり考えて野球をやってきたからこそ、あれだけのプレーができたのだと思っています」

── 不安があるとすれば、どのような部分でしょうか。

「海外生活が長かったので、どこまで日本の野球を見ていたのかなと......。でも、以前会う機会があって話をしたら、かなり詳しく知っていましたから心配していません。あとは新庄監督がやりたい野球、考えている野球をどこまでしっかり選手たちに伝えられるか。そして選手たちはしっかり理解しないといけない。そこはコーチ陣も含め、これからしっかり詰めていかなければならないでしょうね」

── 就任会見の席で「優勝は目指しません」という発言もありました。

「ただ9月になって優勝を狙える位置にいれば目指すとも言っていました。選手たちに変なプレッシャーをかけたくないという思いからの発言だったと思うのですが、会見で話していたことはまっとうなことばかり。とにかく選手個々の能力を伸ばすことを最優先に、そこからチームをまとめていくのではないでしょうか」

── 新庄監督にはどんな野球を期待しますか。

「既成概念にとらわれない、新しい野球をやってくれるんじゃないかと。『こんな野球があったんだ』『こんな点のとり方があるんだ』といったような、これまでに見たこともないような采配を期待したいですね。ただ、そこについてもただ思いつきでやるのではなく、しっかり根拠を持ってやるはずです。だからこそ、どんなことを考えていたのか、とても興味があります。そして会見でも言っていた世界一の球団、世界一のチームを目指してほしい。新庄監督ならやってくれると思います」