1990年にシリーズとして始まったATPマスターズ1000は、ATPツアーの年間予定における9つの最高峰の大会であり、最…

1990年にシリーズとして始まったATPマスターズ1000は、ATPツアーの年間予定における9つの最高峰の大会であり、最高の男子テニス選手たちが出場する。マスターズ1000大会の優勝者は、ランキングポイント1000ポイントを獲得する。マスターズ1000に関する様々な記録を、ATP(男子プロテニス協会)公式オンラインメディアが伝えている。【関連記事】ジョコビッチがパリ優勝で成し遂げた5つのこと

マスターズ1000の覇者たち

2021年には、フベルト・フルカチュ(ポーランド)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ダニール・メドベージェフ(ロシア)、キャメロン・ノリー(イギリス)、そしてノバク・ジョコビッチ(セルビア)の7人の選手たちがマスターズ1000のタイトルを手にした。今季、複数のマスターズ1000大会で優勝したのは、「ATP1000 マドリード」と「ATP1000 シンシナティ」を制したズベレフだけだ。

新型コロナウイルス感染症の影響で、「ATP1000 インディアンウェルズ」は10月に日程変更がなされ、「ATP1000 上海」は中止された。昨年2020年は、3つのマスターズ1000大会しか開催されなかった。ジョコビッチが最初の2大会、すなわち8月の「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン(本来シンシナティだが、ニューヨークで開催)」と9月の「ATP1000 ローマ」で優勝を果たし、メドベージェフが「ATP1000 パリ」の優勝でシリーズを締めくくった。

大会名 2021年開催日 優勝者

「ATP1000 インディアンウェルズ」 10/7~10/17 キャメロン・ノリー

「ATP1000 マイアミ」 3/24~4/4 フベルト・フルカチュ

「ATP1000 モンテカルロ」 4/11~4/18 ステファノス・チチパス

「ATP1000 マドリード」 5/2~5/9 アレクサンダー・ズベレフ

「ATP1000 ローマ」 5/9~5/16 ラファエル・ナダル

「ATP1000 トロント」 8/9~8/15 ダニール・メドベージェフ

「ATP1000 シンシナティ」 8/15~8/22 アレクサンダー・ズベレフ

「ATP1000 上海」 中止 (前回2019年:ダニール・メドベージェフ)

「ATP1000 パリ」 11/1~11/7 ノバク・ジョコビッチ

マスターズ1000優勝回数ランキング

1990年にマスターズ1000シリーズが始まって以降、71人の選手がタイトルを手にしてきた。このうち10個を超えるマスターズ1000のタイトルを獲得したのは6選手しかいない。2021年の「ATP1000 パリ」制覇によって、ジョコビッチはナダルと並んで保持していた最多記録を更新し、マスターズ1000大会優勝回数の最多記録の単独トップに立った。

選手名(国名) タイトル数

ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 37

ラファエル・ナダル(スペイン) 36

ロジャー・フェデラー(スイス) 28

アンドレ・アガシ(アメリカ) 17

アンディ・マレー(イギリス) 14

ピート・サンプラス(アメリカ) 11

マスターズ1000での試合勝利数

マスターズ1000における試合勝利数では、2019年の「ATP1000 パリ」でリードを広げたナダルがフェデラーとの戦いで優位に立っている。ナダルは、2019年8月の「ATP1000 トロント」期間中にマスターズ1000での379勝目を挙げ、フェデラーが長らく保持していた記録を初めて破った。スタン・ワウリンカ(スイス)は2019年の「ATP1000 インディアンウェルズ」で3回戦に進出し、144勝107敗のトミー・ハース(ドイツ)を抜いて試合勝利数トップ10に入った。

選手名 勝敗数/タイトル数

ラファエル・ナダル 398勝83敗/36

ロジャー・フェデラー 381勝108敗/28

ノバク・ジョコビッチ 374勝81敗/37

アンディ・マレー 218勝87敗/14

アンドレ・アガシ 209勝73敗/17

トマーシュ・ベルディヒ(チェコ) 191勝117敗/1

ピート・サンプラス 190勝70敗/11

ダビド・フェレール(スペイン) 189勝122敗/1

アンディ・ロディック(アメリカ) 157勝70敗/5

スタン・ワウリンカ 155勝108敗/1

マスターズ1000大会の最強チャンピオンたち

ジョコビッチ、ナダル、フェデラー、そしてボブ・ブライアン(アメリカ)とマイク・ブライアン(アメリカ)が、個々のマスターズ1000大会のタイトル数ランキングを支配している。

大会(開催都市) シングルス ダブルス

インディアンウェルズ ジョコビッチ、フェデラー(5回) マーク・ノールズ(バハマ)、ダニエル・ネスター(カナダ)(4回)

マイアミ アガシ、ジョコビッチ(6回) ボブ&マイク・ブライアン(6回)

モンテカルロ ナダル(11回) ボブ&マイク・ブライアン(6回)

マドリード ナダル(5回) ボブ&マイク・ブライアン、ネスター(5回)

ローマ ナダル(10回) ボブ&マイク・ブライアン(4回)

カナダ ナダル(5回) マヘシュ・ブパシ(インド)、ボブ&マイク・ブライアン(5回)

シンシナティ フェデラー(7回)  ボブ&マイク・ブライアン、ネスター(5回)

上海 ジョコビッチ(4回) マルセロ・メロ(ブラジル)(3回)

パリ ジョコビッチ(6回) ボブ&マイク・ブライアン(4回)

マスターズ1000ダブル/トリプル優勝

同一シーズンに「ATP1000 インディアンウェルズ」と「ATP1000 マイアミ」を制する「サンシャイン・ダブル」は、1990年のシリーズ開始以降12回達成された。一番最近これを達成したのは2017年のフェデラーだ。秋のマスターズ1000連続優勝は5度なされ、うち2回はジョコビッチによるものだ。一方、「ATP1000 カナダ」と「ATP1000 シンシナティ」を連続で制した選手は4人おり、一番最近達成したのはナダルであるが、ナダルはクレーコートでの3つのマスターズ1000のタイトルを同一シーズンに獲得した唯一の選手でもある。

サンシャイン・ダブル(インディアンウェルズ、マイアミ)

ノバク・ジョコビッチ 2011年、2014-2016年

ロジャー・フェデラー 2005-2006年、2017年

アンドレ・アガシ 2001年

マルセロ・リオス(チリ) 1998年

ピート・サンプラス 1994年

マイケル・チャン(アメリカ) 1992年

ジム・クーリエ(アメリカ) 1991年

春の3大会連続制覇(クレー)

2010年:ラファエル・ナダル(モンテカルロ、ローマ、マドリード)

夏の大会連続制覇

2013年:ラファエル・ナダル(モントリオール、シンシナティ)

2003年:アンディ・ロディック(モントリオール、シンシナティ)

1998年:パトリック・ラフター(トロント、シンシナティ)

1995年:アンドレ・アガシ(モントリオール、シンシナティ)

秋の大会連続制覇

2016年:アンディ・マレー(上海、パリ)

2015年:ノバク・ジョコビッチ(上海、パリ)

2013年:ノバク・ジョコビッチ(上海、パリ)

2007年:ダビド・ナルバンディアン(マドリード、パリ)

2004年:マラト・サフィン(マドリード、パリ)

マスターズ1000におけるビッグ4の支配

2008年のマドリード大会から2017年のマドリード大会までの10年間で、ジョコビッチ(26回)、ナダル(18回)、マレー(13回)、そしてフェデラー(12回)の4人が、78回のマスターズ1000大会のうち88.5%にあたる合計69大会で優勝。この期間中に初めてマスターズ1000のタイトルを獲得した選手は他に6人しかいない。

ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス):2008年パリ

イバン・ルビチッチ(クロアチア):2010年インディアンウェルズ

ロビン・ソダーリング(スウェーデン):2010年パリ

ダビド・フェレール:2012年パリ

スタン・ワウリンカ:2014年モンテカルロ

マリン・チリッチ(クロアチア):2016年シンシナティ

これに比べ、2017年のローマ大会から2019年のシンシナティ大会まで3年間の21大会では、9人の選手が自身初のマスターズ1000タイトルを手にしている。

アレクサンダー・ズベレフ:2017年ローマ

グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア):2017年シンシナティ

ジャック・ソック(アメリカ):2017年パリ

フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン):2018年インディアンウェルズ

ジョン・イズナー(アメリカ):2018年マイアミ

カレン・ハチャノフ(ロシア):2018年パリ

ドミニク・ティーム(オーストリア):2019年インディアンウェルズ

ファビオ・フォニーニ(イタリア):2019年モンテカルロ

ダニール・メドベージェフ:2019年シンシナティ

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 シンシナティ」でのズベレフ

(Photo by Dylan Buell/Getty Images)