ついに六大学にも球春がやってきた。初戦東大戦を来週に控えた開幕前特集のトップバッターは大久保秀昭監督だ。就任3年目を迎えた今季、彼岸の思いで未だ叶っていない優勝を目指す。昨季からは選手たちの顔触れがガラリと変わった。気になる新チームの仕上がりや、リーグ戦に向けての本音など、様々な思いを語っていただいた。

——昨年を振り返っていかがでしたか 

忘れたいですね。昨年は明治にいいところばかりを全て持っていかれました。その前年は早稲田のいいところばかり見ましたし正直、面白くはなかったです。

——昨年の主要メンバーが抜けて新チームの雰囲気はいかがですか 

エースと4番、勝ち頭と首位打者、中軸打者が抜けたという部分では、多少の戦力的な不安はあるように見えるかもしれません。でも、意外と不安を感じることなく、逆に選手もそれを受け入れているように感じます。加藤拓也(現・広島)が、横尾俊建(現・日本ハム)が、というような一人強い選手がいるわけではないので、みんなで補おうとしています。そのような意味では、ここ最近にない、チームとして戦っていこうという雰囲気はすごく感じています。

——昨年とはまた違って、チーム全体で、という感じなのでしょうか

まとまりというか、(チーム全体で戦うのは)当たり前の事です。そこがちゃんとできていれば、もしかしたらこれまでも一回二回は本当に優勝してたんじゃないかなって思います。

——石垣キャンプ、沖縄遠征の手応えはいかがでしたか

正直、キャンプの一週間くらいの練習で急激に上手くなったらみんなキャンプ行きますよね。ただ200人近い部員がいるから、練習を集中してやりたい中で、時間と場所と良い環境で朝から晩まで打ち込める時間を作れたということは何物にも変えられない事だと思います。

——具体的にはどのような練習をされましたか 

テスト休みもあったので、質も含めて量、数もこなして体力をしっかり戻すというところと、技術向上のために時間を費やしてました。キャンプではチームプレーを中心にして練習をしていきました。

——今季のオープン戦を振り返っていかがでしたか

社会人とやった時に加藤以外が投げた時はもう歯も立たないというような、何点取られるだろうというような不安が常にあった。でも今は、加藤のレベルには遠いが、ちゃんとある程度ストライクを投げてゲームを作ることができて、自滅をしてしまう状況が改善されたと思います。抑える、打たれる、というのは試合なのでどうなるかわからないですけど、少なくとも1試合でフォアボール10個、ヒット10本、毎回ランナーが出ていたという状態が改善されています。ストライクを投げて連打されてしまったら、明らかに力の差だと認めざるをおえないけれども、そこまで打ち込まれてはいないのでちゃんとストライクを思い切って投げていければ戦えるのかなと思います。

——今のチーム状態はいかがですか

徐々に緊張感も高まって、下級生に意外と素材が良い選手が集まっているので、そこに危機感を持つ上級生や今まで試合に出ていた、ベンチに入っていた選手たちがいます。4年生引退したから出られるぞ、と思っていたらいい1年生が来てしまった、というような。そういう意味ではチームの中でも競争があって、緊張感と競争心で良い方向に向かっていると思います。グラウンドにも掲げてるけど、天才はいないので、練習しかないのかなと思います。

——どのようなチームをこれから目指したいですか 

チームワーク、チームのつながりですね。それ以上もそれ以下もないです。それができなかったら本当に最下位もあります。それぐらいのメンバーだということを認識しないと素材だけでは絶対戦えないです。

——次のエース候補として期待する選手はいますか

 清水洋二郎(法4)に期待していますが、今は見守っています。昨年度は、今残ってるピッチャーの中で清水と菊地恭志郎(政3)での2勝しか勝ってないんですよ。菊地とか、新しいところでは志木高出身の石井雄也(商2)。彼らがどれだけ頑張るかですね。頑張れ志木高!

——守備面の仕上がりはいかがですか

上級生や昨年ベンチに入っていた選手から怪我や体調不良で出遅れているのがいるので、その分違う選手が頑張っているのが面白いですね。

——打線では岩見雅紀選手(総4)などが中心になってくると思います

打点を稼いで欲しいので、彼の前にしっかりランナーを置いて、彼には自分のホームランよりもチームを勝ちにつなげる一本を。どんな状況でもしっかりと打って欲しいです。

——攻撃面の仕上がりはいかがですか

課題だらけです。ですが、そんな中でも1、2番の出塁率をしっかり上げていくということが勝利に近づいていくのかなと思います。郡司裕也(環2)、岩見、柳町達(商2)、清水翔太(総4)、そこに天野康大副将(環4)が入ってくるか、そのあたりのメンバーでちゃんと数字を残して行くことができたら優勝にも絡むし、2割くらいでみんな沈没したら最下位もあると思います。

——今季は新人戦がリーグ戦の前に行われます。どのような影響があると思いますか 

下級生のモチベーションが上がると思います。神宮球場をプレーヤーとして経験しないで卒部する選手がほとんどです。六大学野球とはそういう組織でないといけないと思ってます。競争の中で選ばれた者だけが特別に慶應のユニフォームを着て、あれだけ多くの人に応援してもらって、試合で休校になるような特別な部であって場所なんだということを本当はわかっていなくてはいけない。連盟自体も大学野球へのアプローチの仕方として、観客動員とか、競技力の向上につなげるという意味もあると思います。下級生にとってはありがたい制度です。

——監督が今季最も活躍を期待する選手はいますか

みんなです。あと慶スポ(お心遣いありがとうございます!)さん(笑)。

——初戦は東大戦です。意気込みをお願いします

宮台康平選手(東大4)が万全で来れるか否か。宮台くんが万全で来るようだったら本当に警戒しなくてはいけないし、当然打線も経験者がいるので、気の抜けない、スタートダッシュして行く上でも大事な試合になってきます。練習から1球目だとか1プレーだとかその1歩目だとかを、徹底的に意識して欲しいなと思いながら取り組んでいます。

——最後に応援してくださる皆さんにメッセージをお願いします

ファンの方々には本当に感謝以外の何もでないです。引き続きあたたかいご声援とご支援をよろしくお願いします。

——お忙しい中ありがとうございました

取材:高山 実子、写真:千綿