スポーツ・情報番組『Going!Sports&News』に出演中の日本テレビ・市來玲奈アナ日本テレビのスポーツ・情報番組…



スポーツ・情報番組『Going!Sports&News』に出演中の日本テレビ・市來玲奈アナ

日本テレビのスポーツ・情報番組『Going!Sports&News』に、10月から担当となった市來玲奈アナウンサー。人気アイドルグループ・乃木坂46の元メンバーでもあり、学生時代には競技ダンスで世界大会出場も果たすなど、ダンスの道で数々の実績も残している。そんなアスリートとしての経験を持つ市來アナに、印象深い2021年のスポーツ名場面について話してもらいながら、競技ダンサー時代のエピソードやスポーツニュースを発信する上での心構えを聞いた。

──今年はさまざまなスポーツシーンがありましたが、市來さんの心に残った名場面を教えてください。

 今年は名場面がたくさんあったので、選ぶのは心苦しかったのですが、特に感動したのは東京五輪・柔道の阿部一二三(男子66キロ級)&詩選手(女子52キロ級)、そして女子レスリングの川井梨紗子(57キロ級)&友香子選手(62キロ級)の兄妹・姉妹での金メダルです。彼らを見ていて、家族、人の絆のあたたかさを感じました。と言うのも人は、強がりながらも、ひとりじゃ生きていけない部分が必ずあって。誰かに助けてもらったり、逆に支えたりして前に進んでいると思うんです。それを阿部兄妹・川井姉妹の活躍を通じて感じ、「あ、スポーツってこんなに素敵なものなんだ」と改めて思いましたね。

 またレスリングで言うと、同じく金メダルを獲得した乙黒拓斗選手(男子フリースタイル65キロ級)もすごく応援しながら見ていたんです。実は乙黒選手とは、新型コロナウイルスの流行以前に、私が担当している『行列のできる相談所』の収録後にお会いしたことがありまして。番組の観覧に、お兄さんの圭祐選手と一緒に来てくれていたことがあったんですよ。

──兄弟でゲストとしてではなく、観覧ですか?

 そうなんです。その時、弟の拓斗選手が乃木坂46のファンだということを聞きまして。番組収録後にあいさつさせてもらったんです。その時に写真を一緒に撮りながら、「僕、東京五輪目指して頑張ります」と話していたのですが、その言葉を実現されただけでなく、金メダルまで獲得してしまうという。だから決勝戦はテレビに釘づけになっていましたね。心のなかでは「乙黒く〜ん!」って叫びながら応援していました(笑)。今では一緒に撮ってもらった写真は私の宝物で、すごくパワーをもらっています。いつかまた会う機会があれば、直接「おめでとうございます」と伝えたいですね。

──『行列のできる相談所』には、東京五輪後に多くのメダリストがゲスト出演されていましたね。

 はい。そのなかでも、新種目の女子スケートボードの四十住さくら選手は印象的でした。もちろん19歳という若さで、そしてあの大舞台での金メダル獲得というのはすごいことなのですが、番組内での"ある言葉"に衝撃を受けまして。ある時、家族から「何かほしいものない?」と聞かれたらしいんですけど、四十住選手は「私はスケートボードができていれば他に何もいらない」と答えたんです。私だったら「あれもほしい、これもほしい」と言ってしまうと思うんですけど(笑)、それをあの若さで言いきってしまう。それほど彼女にとってスケートボードは大切な存在で、競技への愛にあふれている。その純粋でまっすぐな気持ちは、とても美しいなと感じるほどでした。

 それと、銀メダルを獲得した女子バスケットボールの馬瓜エブリン選手と、柔道男子100キロ級で金メダルを獲得したウルフ・アロン選手もゲストで来てくれたのですが、ふたりとも私と同世代なので、共演した際には感慨深いものがありました。お話を聞くと、東京五輪には1995年度に生まれた選手がたくさん出場していたみたいで。私は1996年1月で早生まれなんですけど、同世代が、しかも五輪で活躍しているというだけでパワーをもらえました。

──95年世代は他にも競泳の大橋悠依選手や、陸上の桐生祥秀選手など多数いて、もう黄金世代と言えますね。

 確かに! そうなると、私が言うのもアレですが、3年後のパリ五輪は95年世代の活躍に注目ですね。それに同世代のグループラインがあるみたいなので、アスリートではないんですけど、いつかそこに入るのが私の夢になりました。ただ、なぜかウルフ・アロン選手は呼ばれていないらしくて。番組内で「僕、そこのグループラインに入ってないんですけど」って突っ込んでいましたね(笑)。



競技ダンスの経験も語ってくれた市來アナ

──実際、市來さんも競技ダンサーとしてアスリートの経験はありますよね。そもそもダンスを競技として始めるきっかけは何だったのでしょう?

 小学5年生の時、当時通っていた学習塾の上の階にある社交ダンス教室を見つけて、「見学したいな」と思ったのがきっかけです。小さい頃からダンスが好きで、幼稚園からクラシックバレエ、ジャズやヒップホップなど、いろんなジャンルのダンスを経験していたというのもありました。それから教室に通うことに決めて、練習を重ねていくと、先生から「君は強い選手になれる。もしよかったら競技選手の育成をしているコーチの元に連れていくよ」と言われたんです。実際に練習が行なわれているスタジオを見て、すぐに競技ダンスに挑戦することを決めました。

──社交ダンスとの違いは、他の選手と技術を競う「競技性」にあると思いますが、もともと競技者として大会に出たい気持ちがあったのですか?

 それこそ、五輪に出たい気持ちがあったからです。実は当時、フィギュアスケートの浅田真央選手に憧れていて。小学生の時の文集に「浅田真央選手のように五輪でメダルを獲りたい」と書いていたんです。ただ競技ダンスは、今もそうですが、五輪種目ではありません。それでもずっと、採用してもらうための動きがあることは当時から聞いていたので、「だったらいつか、正式種目になったら五輪に出てメダルを獲ろう」と、子どもながらに考えていましたね。周りに世界で戦っている先輩方がいたので、背中を追うべき人が近くにいたのも大きかったんだと思います。

──そして実際に、小学6年生でロンドンで開催された世界大会に出場されたんですよね。

 今振り返ると、自分でもなぜ行けたのかわからなくて、ちょっと信じられないですね(笑)。でもそれぐらい競技ダンスにハマっていたんだと思います。楽しくて仕方がなかった。トレーニングはキツくて、つらい思い出しかないんですけど、それさえも上回るほどの楽しさが、戦いのなかにはあったんです。私にはライバルがいて、負けた時はもちろん悔しいのですが、勝てた時の喜びは大きく、それは「絶対にこの地位、この座は奪われたくない」と強く思えるほど。それぐらい魅力があり、本当に楽しい競技だったんです。

 あとはコーチの存在が大きかったですね。指導はすごく厳しかったんですけど、競技ダンスや選手たちのことが大好きな愛のある方だったので、第一に選手である私たちの気持ちを考えてくれていました。高校受験を機に中学2年で現役は引退しましたが、それまで楽しく競技を続けさせてくれたことに本当に感謝しています。

──競技ダンス時代の経験やマインドは、今の仕事にも生きていますか?

 そうですね。特に生きていることは、相手を思いやる心です。というのも競技ダンスは、ひとりでは絶対にできません。男女ふたりが手を取り合って踊るという珍しい競技でもあるので、お互いの思いがひとつにならないと完成しないんです。ですから、もちろん、手の握り方だけでも、相手が今何を思っているのかがわかります。たとえば、しっかり握らず、手が触れるか触れないかという距離だと、「あのペアは喧嘩してるな」みたいな。それぐらい気持ちの全てが踊りに出てしまうんですよ。自分がよくても、相手の調子が悪ければまず勝てない。そんな時、パートナーに対してなんて声をかけるか、どうフォローしてあげるか。毎回すごく考えさせられました。それはその後の学生生活、現在のアナウンサーという仕事にとっても、大きな経験だったと言えます。

 加えて、ストイックな練習で培った強いメンタルも今につながっていて。私、今はコロナの影響であまり行けていませんが、筋トレが大好きで、よくジムに通っていたんです。一時期、ボクシングにもハマっていて、練習していくなかで「もう無理」って思った時に、「いやいや、まだいけるだろー!」みたいな(笑)。「ここで諦めたらダメでしょ!」って追い打ちをかけて、自分の限界を突破していく感覚がたまらなく好きなんですよ。10月から『Going!Sports&News』の土曜日を担当することになったのですが、今後、いろんなアスリートの自己流の筋トレを個人的に聞いてみたくて。絶対ハードだと思うんですけど、体がボロボロになってもいいので、できる限りやってみたいですね。さらに精神を鍛えたいなと。

──今でも現役のアスリートですね(笑)。お話に出ましたが、『Going!Sports&News』に携わってみていかがでしょう?

 正直、担当になってから約1カ月しか経っていないので、まだ気持ちはフワフワしてます(笑)。これまでスポーツ番組を担当したことがなかったので、本当にゼロからのスタート。ですから、私と同じような方でも楽しめるように、初心者目線でわかりやすく、一つひとつ伝えていきたい。そんなスタンスで取り組んでいます。

 そのなかで、陸上の男子20キロ競歩で銅メダルを獲得した山西利和選手を番組の企画で初めて取材することができて、すごくいい経験になりました。今までタレントさんにインタビューをする機会はありましたが、アスリートへの取材は少しアプローチ方法を変える必要があって。山西選手がそうでしたが、自分の意思を強く持ち、かなりストイックに自分の体と競技に向き合っている分、話のテンポ感だったり、言葉の言い回しが違うんです。もちろんそれは競技や選手によってさまざまだと思いますが、今後もアスリートを取材していくために、自分の引き出しを増やしていかなければなと。そんな私に対して、山西選手は一緒の目線に立って話してくれたので、本当にありがたかったですね。山西選手も同世代なので、個人的にも応援していきたいです。

──今後もさまざまなスポーツシーンを届けていく上で、どんなことを心がけていきますか?

 先ほどお話ししたとおり、スポーツ番組の担当は初めて。そんな自分でも、スポーツは見れば見るほどワクワクするし、自分も頑張ろうと思える素敵なものだと思うんですね。そういった多くの影響やきっかけを与えてくれるアスリートたちの言葉や想い、競技にかける熱量を、私たちが仲介して、しっかり届けていきたいです。今回の東京オリパラでも、私自身、すごく背中を押してもらえました。そしてこれからは、テレビを見ている方々の背中も押せるように、私もひとつの力になれたらいいなと思いますね。

──最後に、今後の期待するスポーツや大会があれば教えてください。

 やはり年末年始の箱根駅伝と、全国高校サッカー選手権ですね。それぞれ学校と選手たちが進んできた困難な道のりがあり、本戦に対する唯一無二の想いがある。いろんなものが詰まった両大会なので、ぜひその目で見ていただいて、いいお正月を迎えていただけたらと思います。

Profile
市來玲奈 いちき・れな
1996年、富山県生まれ、千葉県出身。小学5年から競技ダンスを始め、2007年にロンドンの国際大会『インターナショナル選手権』に出場。2011年8月、乃木坂46の1期生オーディションに合格し、翌年にアイドルデビュー。2014年7月に卒業し、アイドル活動を終了した。早稲田大学文学部卒業後、2018年にアナウンサーとして日本テレビに入社。現在は『Going! Sports&News』『news every.』『行列のできる相談所』『バズリズム02』を担当し、アナウンサーとして幅広いジャンルで活躍している。