14日は阪神競馬場で牝馬の中距離チャンピオンを決めるエリザベス女王杯(GI、芝2…

14日は阪神競馬場で牝馬の中距離チャンピオンを決めるエリザベス女王杯(GI、芝2200m)が行われます。

例年は京都芝2200mが舞台となりますが、京都競馬場の大規模改修工事のため、今年も昨年と同様に阪神芝2200mで開催。そのため京都で行われたエリザベス女王杯の過去データは参考程度に留めたいところです。

エリザベス女王杯を探るにあたって2006年以降の阪神芝2200m重賞のレースを集計対象(主な集計対象レースは宝塚記念)にデータをまとめています。それでは気になる騎手データを見ていきましょう。

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■この舞台では池添謙一騎手が強い

今年のエリザベス女王杯に乗り鞍があり、2006年以降の阪神芝2200m重賞で騎乗経験があるのは次の14騎手です。

[2006年以降]阪神芝2200m重賞の騎手別成績

例年阪神芝2200mで行われる重賞は春のグランプリ・宝塚記念のみ。京都競馬の改修工事のため昨年のエリザベス女王杯、今年の京都記念が阪神芝2200mで施行されましたが、基本的には過去の宝塚記念で優秀な成績を残す騎手がピックアップできますね。

また、主な集計対象レースが宝塚記念とあって、14騎手中連対経験があるのは7騎手に絞られます。今回は7騎手のうち、過去の騎乗回数が7回以上となる6騎手を中心に見ていきます。

真っ先に取り上げるのが宝塚記念の鬼・池添謙一騎手。2009年宝塚記念のドリームジャーニー(2番人気)、2012年宝塚記念のオルフェーヴル(1番人気)の2頭を勝利に導いただけではなく、2015年の宝塚記念では11番人気のショウナンパンドラで3着、2020年の宝塚記念では12番人気のモズベッロで3着と、人気馬でも穴馬でも結果を残せていますね。

背負う人気を思えば、連対率30%、複勝率50%と驚異的な数値を記録。そんな池添謙一騎手が今年のエリザベス女王杯で騎乗するのが前日15時半段階で14番人気のロザムール(牝5、美浦・上原博之厩舎)。単勝84.2倍近くの大穴ですが、大激走があっても驚けません。

■M.デムーロ騎手も優秀

続いて取り上げるのがM.デムーロ騎手。人気と比べるとやや着順の落ち込みが見られますが、連対率28.6%、複勝率57.1%の高い数値を思えば許容範囲かもしれませんね。2017年宝塚記念のサトノクラウン(3番人気)で勝利経験があり、昨年のエリザベス女王杯ではラヴズオンリーユー(3番人気)で3着に好走しています。

また、注目したいのが【M.デムーロ騎手】×【関東馬】の組み合わせで、集計期間内【1-1-0-0】勝率50%、連対率100%を記録。今年のエリザベス女王杯でM.デムーロ騎手が跨るのが関東馬のテルツェット(牝4、美浦・和田正一郎厩舎)ですから、データ上はかなり熱い組み合わせになります。連対率100%データ継続となるか注目ですね。

■C.ルメール騎手は人気次第

一方、宝塚記念の騎手データ紹介時もお伝えしたように、C.ルメール騎手は人気と比べると着順の落ち込みが目立ち、慎重に取り扱わなければならない騎手です。2015年から2020年の宝塚記念で2番人気以内に5回跨る機会がありましたが、全て4着以下に敗れてきました。

ただし、その傾向に変化が生じているようで、昨年のエリザベス女王杯を1番人気のラッキーライラックで制すと、今年の宝塚記念も1番人気のクロノジェネシスで勝利。なかなか結果が出なかった舞台で連勝中という勢いがあります。

また【C.ルメール騎手】×【牝馬】×【1番人気】の組み合わせは過去【2-0-0-0】の勝率100%データに該当。人気次第な面はありますが、今年のエリザベス女王杯で騎乗するレイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)が当日1番人気に支持されるようなら頭で考えてみるといいかもしれません。

さて、3騎手のデータを細かく見ていきましたが、

・大穴なら⇒池添謙一騎手 ・連軸なら⇒M.デムーロ騎手 ・頭なら(※1番人気時)⇒C.ルメール騎手

以上のように考えて馬券を組み立ててみるのが良さそうです。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。