都内の会見で村田諒太VSゴロフキンを正式発表 ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が12日、都内で会見し、日本時間12月29日にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座…

都内の会見で村田諒太VSゴロフキンを正式発表

 ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が12日、都内で会見し、日本時間12月29日にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦を行うと正式発表した。村田にとっては2年ぶりの試合。日本人の相手としては歴代最強クラスのボクサーへの勝算について語った。戦績は35歳の村田が16勝(13KO)2敗、39歳のゴロフキンが41勝(36KO)1敗1分け。

 言わずもがな、勝つためにリングに上がる。会見後の囲み取材。「勝算はありますか」と問われた村田は「勝算という言葉は使いたくない。ちゃんとやってちゃんと勝ちます」と力を込めた。重ねて根拠を尋ねられ「ちゃんとやってちゃんと勝ちますって言ったその言葉を飲み込んでしまうようなことを言いますが」と苦笑いし、こう続けた。

「そう言われると難しい。勝利や結果というのは神様しか知らない。ただ、勝算があるかって言われると、『勝てねぇだろ』って言われている気持ちになるわけですよ。そういう気持ちがないわけです。勝てないと思っていないということです。勝てないという気持ちでリングに上がらない。じゃあ勝つのかって言われた時にそれは神様しか知らない。ただ、勝てないというマインドはないということです」

「世界最強」の称号を欲しいままにしてきたゴロフキン。10年8月に初めて世界タイトルを獲得すると、19回も連続防衛(うち17戦連続KO)を果たした世界的スーパースターだ。主要4団体のうち3つのベルトを統一し、世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」で長く1位に君臨していた。

2年のブランクをどう捉えるのか「練習の段階では錆びついていない」

 ゴロフキンが1年前に試合をした一方、村田は19年12月の初防衛戦以来2年ぶりだ。ブランクが懸念されるが、「結局、試合勘というのは試合をやってみないとわからないです。でも、練習は2年間ずっとやってきたので、スパーとかでもそこは感じない」と説明。「練習の中でやっていることを出す。練習の段階では錆びついていない。錆びついたイメージを持って練習なんかできないでしょ」と笑った。

 試合ができなかったコロナ禍。夢のビッグマッチへ向け、自問自答した日々は決して無駄ではないという。

「最近思っていたことがあって、何に興味があるのだろうと。自分って何を見せたいのだろうって。やっぱりカッコいいとか何とかって、僕の中ではクソどうでもいいことだなって。強いのを見せたいんですよ。だから、ちゃんと自分が強いんだっていうことをこの試合で見せたいです」

 勝って複数団体統一王者になれば日本人5人目、世界的に層の厚いミドル級では日本人初の快挙。ただ、そんな記録は後からついてくるもの。世界が注目する一戦で「強さ」を見せる。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)