村田諒太VSゴロフキンを正式発表 ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が12日、都内で会見し、日本時間12月29日夜にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦を行…

村田諒太VSゴロフキンを正式発表

 ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)が12日、都内で会見し、日本時間12月29日夜にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦を行うと正式発表した。歴代でも世界最強の一人とされるレジェンドとのビッグマッチ。帝拳ジムの本田明彦会長は日本のボクシング史上最大の興行規模になると明かした。

 ゴロフキンが日本のリングに上がる。しかも、五輪金メダル&プロで世界王者という日本人初の偉業を成し遂げた村田との統一戦だ。村田は「(17年10月に)世界タイトルを初めて獲った時に上にいるのはゴロフキン選手しかいないと思っていた」と長年熱望していたカードの実現に感謝した。

 本田会長は興行実現までの道のりを振り返り「コロナ禍だったことが一番大変」と強調。昨年からゴロフキンに対戦の了承を得ていたが、ここまで会場や中継局などの交渉に難航した。村田の最後の試合は19年12月の初防衛戦。この2年間はビッグマッチが目前で頓挫した時もあり、同会長は「ワクチンのことや隔離期間などいろんな条件がクリアにならないといけない」と金額面以外でも壁が多かったという。

 ゴロフキンの来日がいつになるか未定だが、隔離期間も必要になる。陣営全員の隔離期間も含むと、「ホテル代だけで3000~4000万円になる。それくらいコロナ禍は大変」と説明。他者との接触を避け、レストラン付きフロアを貸切る待遇だという。隔離明けの練習場所は帝拳ジム。村田と会わないように時間調整し、この期間は他の所属選手すらジムで練習させないとした。

今回の興行が日本史上最高額になるのか、本田会長「間違いない」

 日本のボクシング史で最大級の興行といえば、帝拳ジムが手がけた東京ドームのマイク・タイソン(米国)戦。1990年2月にバスター・ダグラス(米国)に敗れたが、数十億円の金額が動いた。「時代も違うが、タイソンの時より経費が掛かっている」と本田会長。今回の興行が日本史上最高額になるかという問いには「間違いない」とし、村田のファイトマネーも日本人史上最高になると明言した。チケット代もタイソン戦の最高15万円を超えるという。

 試合は有観客で行われ、「Amazon Prime Video」で独占生配信される。日本とカザフスタン以外ではスポーツチャンネル「DAZN」で世界200か国に配信予定だ。本田会長は「うちの責任は選手を世界王者にすること。それはクリアした。そこから階級No.1になりたいということで、アメリカまで行って交渉したこともあった」と回顧した。当然、プロモーターの大変さを知る村田も意気に感じている。

「この試合を決めてくださったことにまず感謝しています。僕がプロになる時から言ってますが、ミドル級で試合をするということは、僕が大変というより試合を組むことが大変。ここまで導いて下さった方に感謝しています。これは歴史の一部だと思う。僕も歴史の一部でしかないと思うので、大成功を目指して今後のボクシング界、スポーツ界により寄与できるものがあればと思います。楽しみにしていてください」

 リングは用意された。あとは全力で戦うだけだ。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)