今週は阪神競馬場でエリザベス女王杯(芝2200m)が行われる。

ラッキーライラックの連覇、クロコスミアの3年連続2着などリピーターの活躍が目立つレース。今年は過去の3着内馬が不在の年だが、2200mの特殊距離での施行だけに、距離適性や右回りの急坂適性など気に留めたい箇所は決して少なくない。

この記事ではデータ面からエリザベス女王杯を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。

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■アカイトリノムスメが立ち向かう鬼門データ

ぶっつけ本番で臨んだ前走秋華賞。決して楽ではないローテーションで母アパパネとの同一GI制覇を成し遂げたアカイトリノムスメ。今回は牡馬混合重賞で研さんを積んだ古馬相手となるが、目下の勢いと古馬の壁。はたしてどちらを取るべきか、今回提示するデータはこちら。

・3歳関東馬の成績【0-1-0-8】

牝馬三冠すべてで馬券内を確保したホエールキャプチャ、ヌーヴォレコルトもこの壁をクリアすることは叶わず。他にもノームコア、ルージュバックといったのちの牡馬混合重賞勝ち馬が馬券圏外に敗れ去っていた。強烈な向かい風のなか施行された秋華賞を制したアカイトリノムスメ。はたして今回の向かい風を切り裂くことができるのだろうか。

■ウインマリリンが克服すべき「関西圏」の壁

前走オールカマーは並み居る強豪を撃破。3つ目となる重賞タイトルを手にGI獲りを目論むのがウインマリリンだ。当時負かしたレイパパレ、ウインキートスと勝負付けが済んだとみなせばここは最大のチャンス到来と言える鞍。しかし、今回は以下のデータから目を背けてはならない。

・関西圏の成績【0-0-0-3】

ホーム&アウェーの概念を競馬の世界に持ち込むのであれば、この馬はやや内弁慶なきらいがある。加えて全3勝の重賞はいずれも内枠を引き当てたときのもので、今回の5枠9番は内枠には該当しない。前走の再現を望むには少々酷なシチュエーションと言えそうだ。

後編ではデータ面から浮上するエリザベス女王杯の穴馬候補2頭を紹介する。

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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「エリザベス女王杯」

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家

競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。