21歳以下のトップ8選手を対象としたシーズン最終戦「ネクストジェネレーシ…
21歳以下のトップ8選手を対象としたシーズン最終戦「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」(イタリア・ミラノ/11月9日~11月13日/室内ハードコート)では試験的にいくつかのルール変更が導入されているが、その中の一つ、コートサイドからのコーチングについては選手やコーチたちから前向きなフィードバックがあった。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。【関連記事】NextGen最終戦新ルールへの反響~ウォームアップ時間の短縮
初戦で世界ランキング91位の19歳フアン マヌエル・セルンドロ(アルゼンチン)と対戦した世界63位の20歳ブランドン・ナカシマ(アメリカ)は、第1セットを4-1で取ったが、タイブレークの末に第2セットを落とした。その第2セットの後で、コーチのドゥサン・ベミッチ(セルビア)からアドバイスを受けている。これがATPのツアーであればナカシマは自分のチームからは応援してもらうという感情的なサポートしか得られないが、この大会では特別ルールによりコートサイドにいるコーチから直接コーチングを受けることができた。
この時のやり取りについて、試合後にナカシマは以下のように説明している。「彼はただ、僕がベースラインにいる時やリターンを返している時に一番良かったプレーを教えてくれた。グラウンドストロークについてとか、ちょっとしたアドバイスをもらったり、あとはフォアハンドやサーブについて技術的なことを指摘してくれたりね。別に突拍子もないことを言われたわけじゃないよ」
突拍子もないアドバイスではなかったとしても、それは十分に効果があったようだ。ナカシマは続く2セットで1ゲームしか落とさずに勝利を収めることができた。
「コーチがすぐそばにいて、自分のプレーについて意見を言ってくれるのはありがたいことだね。ポイントが終わる度にコーチの意見を聞きたがる選手もいるかもしれないけど、僕はあまり多くを語らないコーチの方が好きなんだ」とナカシマは言う。「それでも第2セットの後で彼の考えを少し聞くことができて良かったよ。何がうまくいって、何がうまくいかなかったのかを簡潔に伝えてくれた。そのおかげで試合をよりしっかり理解することができたし、その意見を生かすことができた」
一方のベミッチは、選手をコーチングできることが必ずしも試合を大きく左右するものではないが、ファンにはメリットがあるかもしれないと言う。
「ブランドンにとっては大きな違いがあったとは思えない。でも、気兼ねなく言葉や身振り手振りでコミュニケーションできることや、そこにいくつかアドバイスを交えることができるのは良いと思う。それに、そのやり取りを聞いたファンにとっては臨場感を得られたり、自分が選手になったような気分になって学べることがあるかもしれない。そういったのは面白い側面だね」
「全体的には悪くないと思っているよ。この変更で恩恵を受けるかどうかは選手によるだろうけど、ほかの多くのスポーツではこういったコミュニケーションが普通だ。コーチングという言葉が適切かどうかはわからない。私はコミュニケーションだと捉えている。考えを共有したい人がいる中で、テニスにとって害になるようなルールではないと思う」
同じ試合のコートの反対側ではより積極的なコーチングが行われていた。セルンドロのコーチを務めるアンドレス・デラトーレ(アルゼンチン)は、試合を通して頻繁に励ましの言葉やアドバイスを送っていた。デラトーレは自身の考えをこう語る。「ほかのスポーツではコーチは話したり、選手と関わったり、アドバイスしたりすることができる。だが、テニスではそうじゃない。今日はとても自然な感じがしたよ。この変更は理想的だけど、コーチがコートに入る必要はないと思っている。でも、選手が近くにいる時にコーチ席から話をする機会があるのは良いことだ。コーチに付加価値を与えることができる。選手の多くはそのうちコーチになるわけで、すべては繋がっているんだよ。だからこれは素晴らしい取り組みだ。私自身はとても気持ち良くできたし、ぎこちないことはまったくなかった」
第1シードとして出場している世界32位の18歳カルロス・アルカラス(スペイン)は、初戦で世界109位の18歳ホルガ ビートス ノディシュコフ・ルーネ(デンマーク)を4-3(6)、4-2、4-0で退けた際に、コーチングの新しいルールを大いに活用。元世界王者のフアン カルロス・フェレロ(スペイン)からアドバイスをもらうことができた。アルカラスは「試合をしている時は気づかないことがたくさんあるけど、コートの外からだといろいろなことが見えるんだ。リターンやミスしたボールに対してどうすれば良いかを教えてもらうことができるし、彼は実際いくつかのミスに対してどうしたら良いかを教えてくれた」と述べる。
この日の最後の試合で世界58位の19歳ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)は世界111位の20歳セバスチャン・バエス(アルゼンチン)に敗れたが、その試合で得たポジティブな点として、長年のコーチであるシモーネ・タルタリーニ(イタリア)からフィードバックをもらえたことを挙げている。「もちろん、コーチングは良いことだと思うよ。僕は気に入ったし、ATPツアーでも導入してもらえるように働きかけてみたい」
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」でのアルカラス(左)とフェレロ(右)
(Photo by Julian Finney/Getty Images)