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「全米オープン」チャンピオンで世界ランキング20位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)が、「WTA250 リンツ」(オーストリア・リンツ/11月6日~11月12日/室内ハードコート)で初戦敗退となった後、新しいコーチの名を明かした。英BBCなど複数のメディアが報じている。【関連記事】ラドゥカヌ、全豪に向けたコーチの目星はついている?

18歳のラドゥカヌは先月の「WTA250 クルジュ=ナポカ」に続いて、正式なコーチを伴わずにシーズン最後のツアー大会となる「WTA250 リンツ」に臨んだ。第1シードとして1回戦を免除され、2回戦で世界106位のワン・シンユー(中国)と対戦したが、2時間36分の激闘の末に1-6、7 -6(0)、5-7で試合を落としている。

ツアーでのシーズンを終えたラドゥカヌは、試合後に新しいコーチの名前を発表。前日から複数のメディアで報じられていたトーベン・ベルツ(ドイツ)であることを認めた。

現在44歳のベルツは、大学までアメリカでテニスをしていたがプロ選手としての経験はない。2004年にアンジェリック・ケルバー(ドイツ)のコーチとなり、指導者のキャリアを築き始めた。そこからの9年間でケルバーは着々とランキングを上げ、2011年の「全米オープン」では世界92位ながらもベスト4進出。翌2012年にはツアータイトルを2つ獲得してトップ10入りを果たしたケルバーだが、その後にベルツとのパートナーシップを一旦解消。のちに不振に陥ったケルバーは2015年に再びベルツと組み、2016年に「ウィンブルドン」で準優勝、「全豪オープン」と「全米オープン」で優勝を飾り、世界1位に登り詰めた。2人は2017年にまたしても別れるが、2020年の夏にはコンビを再結成。今シーズンのケルバーは「ウィンブルドン」で準決勝に進み、一時はトップ10に返り咲いたが、今週になってベルツとの関係を解消することを発表していた。

ベルツは、ケルバーのコーチを離れていた2017年から2020年にかけては世界66位のドナ・ベキッチ(クロアチア)の指導に当たっていた。その間にベキッチはトップ20の壁を破り、2019年の「全米オープン」では初めてグランドスラムの準々決勝に進んでいる。

WTAの中でベルツは厳しい指導者というよりは、思いやりがあり、人から好かれるタイプとして知られている。とはいえ、総合的なパフォーマンスを重視するベルツは選手のフィジカル面にも力を入れており、ラドゥカヌはそれを自分の改善点の一つとして挙げていた。「WTA250 リンツ」の初戦でラドゥカヌは第3セットの終盤で太腿を痛めてメディカルタイムアウトを取っていたが、「WTA250 クルジュ=ナポカ」から体調を崩していたという。

「全米オープン」優勝後まもなく、前のコーチと別れていたラドゥカヌ。やっと理想的なコーチを見つけることができた彼女はベルツについて次のように話している。

「彼はたくさんの経験を持っていて、ケルバーという素晴らしい選手を指導していたことがあるわ。彼女はグランドスラムで3回優勝するなど、優れた成績を残している。そんな彼女を指導した経験は私のような経験の浅い者にとっては間違いなく助けになると思っているし、彼は私を導いてくれると信じている。彼はとてもポジティブで明るい人でもあるから、チームに大きなエネルギーをもたらしてくれるわ。これは、長時間の移動を伴うツアー生活にはとても重要なことだと思っているの」

「彼のような経験豊富なコーチと組むことができてとても光栄だわ。プレシーズンから来年にかけて彼と一緒に仕事ができることがすごく楽しみ。物事が良い方向に進んでいると感じているし、とてもポジティブな気持ちよ。これから始まるすべてのことにワクワクしているわ」

今後のラドゥカヌは、今月末に英ロンドンの有名なコンサートホールであるロイヤルアルバートホールで行われるエキシビション大会に参加した後、7年ぶりに休暇を取ると話す。その後は2022年シーズンと1月17日に開幕する「全豪オープン」に向けてベルツと練習やトレーニングに取り組む予定だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真はオーストリアでのラドゥカヌ

(Photo by Alexander Scheuber/Getty Images)