アメリカ・サウスカロライナ州チャールストンで開催された「ボルボ・カーズ・オープン」(WTAプレミア/4月3~9日/賞金総額77万6000ドル/クレーコート)のシングルス決勝は19歳対決となり、ダリア・カサキナ(ロシア)がエレナ・オスタペ…

 アメリカ・サウスカロライナ州チャールストンで開催された「ボルボ・カーズ・オープン」(WTAプレミア/4月3~9日/賞金総額77万6000ドル/クレーコート)のシングルス決勝は19歳対決となり、ダリア・カサキナ(ロシア)がエレナ・オスタペンコ(ラトビア)を6-3 6-1で下して初のWTAタイトルを獲得した。

 カサキナは、単に世界1位の選手に対し番狂わせを演じるだけでなく、大会に優勝することもできる。カサキナはオスタペンコを倒す過程で、辛抱強さと落ち着きを見せた。

 WTAツアーで十代の選手同士の決勝が実現したのは8年ぶりのことだ。カサキナは決勝でプレーするのは初めてだったにも関わらず、相手のミスを誘いつつ、プレッシャーによりうまく対処していた。

 カサキナは、オスタペンコの最後から6つのサービスゲームのうち5つでブレークを果たしている。最後のサービスゲームでのオスタペンコは3本連続でアンフォーストエラーをおかし、1ポイントも取れずにゲームを落とした。

 「私は拾いまくり、ボールにスピンをかけ、走り回って、できるすべてをやったわ」とカサキナは言った。

 ツアーのライジング・スターであるカサキナは、今季2度にわたって世界1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を倒している。しかし、この優勝は彼女にとって、それよりずっと大きな意味を持つものだった。

 マッチポイントでオスタペンコのリターンがコートを割ったあと、カサキナは膝を落とし、そして兄、コーチのブラディミル・プラテニクと抱き合いながら、目からあふれる涙を拭った。

 「私はすべての瞬間を、毎秒毎秒を楽しんでいる。最初のポイントのあと、コート上で時が止まってくれればと思った」とカサキナは言った。

 彼女は月曜日の朝、ロシアに向かう飛行機に乗る前にチャールストンで勝利のお祝いをすると言った。自分の写真が前年度覇者としてスタジアムの側面に飾られると聞かされたとき、彼女は目を大きく見開いた。

 カサキナはプラテニク・コーチにお礼を言い、2月のカタール(WTAプレミア)の2回戦でケルバーを破っておきながら、その後、3大会連続で初戦負けを喫したあと、彼が状況を逆転させる手伝いをしてくれたのだと言った。

「出る大会、出る大会で負けていたから、私はすべての自信を失ってしまっていたの」とカサキナは振り返る。「でもハードワークがついに実を結んだわ」。

 オスタペンコもまた、全体を見れば、この大会での出来をうれしく思っていると言った。彼女にとってこれはWTAツアーで3度目の決勝にすぎず、クレーコートの大会としては初めてのものとなる。彼女は土曜日にシングルスとダブルスの双方で準決勝をプレーしたあと、疲れてしまったのだとも明かしていた。

 「私は守備的にプレーしようと努めていた。スライスを使ったりロブを使ったりして…そしてサーブをキープしようと努め、自分を心地悪くさせるすべてをやっていたわ」とオスタペンコは言った。「普通なら私はそれで大丈夫なのだけれど、今日はボールを打ったときにあまりいい感触を得ることができていなかった」。

 カサキナの勝利は、番狂わせが数多くあったこの大会を締めくくった。今大会の歴史の中で16人のシード選手の誰一人もが決勝に至ることができなかったのは、2002年以来のことだった。(C)AP