11月14日、阪神競馬場でGⅠエリザベス女王杯(芝2200m)が行なわれる。 このレースは通常、京都競馬場で行なわれる…
11月14日、阪神競馬場でGⅠエリザベス女王杯(芝2200m)が行なわれる。
このレースは通常、京都競馬場で行なわれるが、今年は昨年に続く阪神開催。昨年は1番人気のラッキーライラックが連覇を飾っている。
今年は2頭のGⅠ馬が出走するが、そのGⅠ大阪杯馬レイパパレとGⅠ秋華賞馬アカイトリノムスメの対決が大きな注目を集めている。今回はこの2頭の比較を中心に分析してみよう。
まずはレイパパレ(牝4歳/栗東・高野友和厩舎)。昨年1月のデビューから5連勝で、昨年12月のGⅢチャレンジC(阪神/芝2000m)を勝利。続くGⅠ大阪杯(阪神/芝2000m)で連勝を6に伸ばしたが、その後はGⅠ宝塚記念(阪神/芝2200m)で3着、そして秋初戦のGⅡオールカマー(中山/芝2200m)で4着と敗れている。

今年4月にGⅠ大阪杯を勝利したレイパパレ
この馬は何といっても大阪杯の走りが印象的だ。不良馬場の中でのGⅠ初挑戦で、前年の三冠馬コントレイル、GⅠ4勝のグランアレグリアらを4馬身差で破る圧勝。牡馬混合のGⅠ、かなりの強敵相手の勝利は価値が高い。阪神の芝2000m戦で勝利しているため、200mの延長くらいならこなせるようにも思える。
ただ、敗れているのが2戦とも2200mというのは見逃せない事実だ。血統的にも、距離延長は歓迎とは言えないタイプでもある。
父ディープインパクトの産駒は2014年ラキシス、2015年マリアライトの2頭がこのレースを勝っているが、レイパパレと同じ「父ディープインパクト、母の父クロフネ」の配合馬は重賞7勝がどれも2000m以下。2200mでは8戦して2着2回、3着1回、2400mでは3戦してすべて10着以下と、距離延長に伴い成績は悪化。"大きな壁"を感じさせるデータが残っている。
レイパパレの全兄シャイニングレイも、芝2000mのGⅡホープフルSを勝ってはいるが、1200mのGⅢCBC賞を勝っているスピードタイプ。母シェルズレイも勝ち鞍は1800mまでで、芝2000mの芝GⅡのローズSで2着、GⅠ秋華賞5着とまずまずの走りを見せていたが、エリザベス女王杯では暴走気味に逃げて13着と大敗した。
また、レイパパレの敗れた2戦はいずれもハナを奪えなかったため、同様の展開になった時にも不安が残る。今回、シャムロックヒルやロザムールなどは逃げ戦法に出そうで、レイパパレがハナを奪うのは簡単ではないだろう。以上のように、これまでの戦績、血統や脚質などからレイパパレには不安が残り、ここでは推しにくい。
一方のアカイトリノムスメ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)はどうか。今年2月のGⅢクイーンC(東京/芝1600m)で重賞初制覇を飾ると、GⅠ桜花賞(芝1600m)は4着に敗れたが、続くGⅠオークス(東京/芝2400m)で勝ち馬から0秒1差の2着。そして前走、オークス以来のGⅠ秋華賞(阪神/芝2000m)でGⅠ初制覇を飾った。
2000m以上に適性があることは、2戦1勝、2着1回というこれまでの成績や走りからも明らか。スピードや瞬発力に秀でたタイプではなく、ジワジワと長く脚を使う、非凡な勝負根性が特徴だ。
血統は母アパパネが3歳牝馬三冠という超良血。アパパネはエリザベス女王杯に2回出走し、勝利してはいないものの、2年連続で3着と大崩れはしていない。
そして、「父ディープインパクト、母の父キングカメハメハ」の配合は、GⅠ日本ダービー(東京/芝2400m)を勝ったワグネリアンや、GⅡフローラS(東京/芝2000m)を勝ってGⅠジャパンC(東京/芝2400m)やGⅠ宝塚記念(阪神/芝2200m)で2着に入った、牝馬デニムアンドルビーと同配合。2000m以上に実績のある配合だ。以上のさまざまな比較から、レイパパレとアカイトリノムスメではアカイトリノムスメを上に見たい。
もう1頭、気になる存在がクラヴェル(牝3歳/栗東・安田翔伍厩舎)。
同馬はここ3戦、GⅢマーメイドS(阪神/芝2000m)2着、GⅢ中京記念(小倉/芝1800m)3着、GⅢ新潟記念(新潟/芝2000m)3着と勝ちきれず、重賞は未勝利。GⅠは初出走だが、父は昨年の牝馬三冠馬デアリングタクトや、今秋の天皇賞を勝ったエフフォーリアと同じエピファネイア。デアリングタクトとは母の父キングカメハメハ、祖母の父サンデーサイレンスも同じだ。
さらに、母ディアドラマドレ、祖母ディアデラノビアがエリザベス女王杯でいずれも3着に入っており、レースに縁のある血統馬でもある。母、祖母と同じように3着となるか、もしくは母らの無念を晴らすのか。この馬の走りにも注目したい。
以上、今年のエリザベス女王杯は、アカイトリノムスメを中心に、クラヴェルの激走にも期待したい。