井上拓真VS和気慎吾、11日ゴング ボクシングのWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級(55.3キロ以下)王座決定戦12回戦が11日、東京・後楽園ホールで行われる。10日は前日計量が行われ、元WBC世界バンタム級暫定王者・井上拓真(大…

井上拓真VS和気慎吾、11日ゴング

 ボクシングのWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級(55.3キロ以下)王座決定戦12回戦が11日、東京・後楽園ホールで行われる。10日は前日計量が行われ、元WBC世界バンタム級暫定王者・井上拓真(大橋)がリミットの55.3キロ、相手の元東洋太平洋&日本スーパーバンタム級王者・和気慎吾(FLARE山上)がリミットを0.3キロ下回る55.0キロでパスした。戦績は25歳の井上拓が14勝(3KO)1敗、34歳の和気が27勝(19KO)6敗2分け。

 余裕をもって計量をクリアした拓真は、リモート取材に応じ「最後までしっかり練習できたのでバッチリ仕上げられた。バンタム級に比べて気持ち的にも少し余裕ができて、ストレスなく落とすことができた」とコメント。試合間隔は10か月と長いが「その前も1年くらい空いていた。問題ないです。見据えているのは世界だけ。ここは通過点として何が何でも勝ちたい」と気持ちを高ぶらせた。

 WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の尚弥を兄に持つ拓真。2019年11月にWBC世界同級正規王者だったノルディ・ウーバーリ(フランス)との団体内王座統一戦で判定負けし、タイトルを手放した。今年1月には栗原慶太(一力)との再起戦に判定勝ちし、東洋太平洋バンタム級王座を獲得。王座を返上し、今回は1つ上の階級となる。

 世界ランクはバンタム級でWBO6位、WBCとIBFで8位。数年前にスパーリングで拳を交えた和気について「国内のスーパーバンタム級でトップの選手」と語り「自分の集中力と対応力で戦いたい。相手に打たせないことを徹底してやりたい」と意気込んだ。「しっかり勝てよ」と激励してくれた尚弥も応援に駆け付けるという。

 父・真吾トレーナーからは「集中力と冷静さが大事」と言われ、拓真は「集中したら負ける相手ではない。何もさせずに勝つのが大前提」と力を込めた。試合はフジテレビの運営する動画配信サービス「FOD」で生配信。「嬉しい気持ちでいっぱい。ファンにいい試合をして喜んでもらいたい」とモチベーションにした。

和気が明かした拓真の印象、強気に発言「試合映像を見るたびに自信がつく」

 和気は13年3月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得し、5度の防衛に成功した。16年7月にIBF世界同級王座決定戦でジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)に11回TKO負け。世界初戴冠はならなかったが、18年7月には日本王座を獲得した。現在の世界ランクはWBO13位、日本と東洋太平洋でも2位につける実力者だ。

 0.3キロアンダーで計量を終え「めちゃくちゃ調子いいですね」と笑顔。4月に元IBF世界同級王者・小国以載(角海老宝石)との再戦を予定していたが、相手の負傷で中止になった。1年3か月ぶりの試合へ「早くしたいですね。ワクワクしています」と心待ちに。拓真の印象については強気な言葉を並べた。

「(数年前の)スパーではそんなに印象がなかった。あまり記憶にないということは、さほど強くなかったのだと思う。これがめちゃくちゃ強い選手なら『あの時のスパーは凄かった』とか思うはず。やりやすいと思う。(拓真の)試合映像を見るたびに自信がつく。他の選手では見ると怖いなと思うこともあるけど、今回は見れば見るほど自信が湧いてきた」

 9月には無症状ながら新型コロナウイルスの陽性反応を示した。スパーの数が減ったが、10月からは1週間の沖縄合宿などで調整。「とにかく圧倒して、圧勝する。1ラウンドから常に自分のペースで圧勝する。変に戦い方を変えることはない。スピードと距離で圧倒する。当てれば倒れると思う。どのパンチが当たるかという話だと思う」と息巻いた。(THE ANSWER編集部)