24歳にして充実著しいトゥクタミシェワを露メディアが分析 低年齢化が進む女子のフィギュアスケート界で、今なお第一線を走る24歳のエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)。世界選手権2位に入った昨季に続き、今季もフィンランディア杯、グランプリ…

24歳にして充実著しいトゥクタミシェワを露メディアが分析

 低年齢化が進む女子のフィギュアスケート界で、今なお第一線を走る24歳のエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)。世界選手権2位に入った昨季に続き、今季もフィンランディア杯、グランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダともに2位に入るなど健在だ。その充実ぶりについて、母国のロシアメディアもクローズアップ。「女帝はジャッジにさえリスペクトされ始めた」と風向きの変化を指摘している。

「五輪前のトゥクタミシェワの驚くべき快進撃。女帝はジャッジにさえリスペクトされ始めた」。ロシアメディア「championat.com」はこんな見出しで特集した。トゥクタミシェワの歩みを振り返った上で今季について、こう記している。

「五輪シーズンのためにトゥクタミシェワは非常に多くの練習を自分に課した。彼女の主な問題は安定性の欠如だった。トゥクタミシェワは素晴らしく自身のトリプルアクセルを跳ぶことができていたが、残りのジャンプでミスをしていた。これのためにウルトラCエレメンツ(トリプルアクセル)は彼女に何の優勢性も与えておらず、むしろミスを補っていた。リーザの今シーズン初めの試合は輝かしいものではなかった。トゥクタミシェワはテストスケートとロシア杯で不完全に演技し、状態の悪さと五輪出場のチャンスのなさについての話を生んだ」

 シーズン開幕の国内大会では武器の3回転アクセル以外のジャンプに安定性を欠いたが、その修正のために懸命に練習に取り組んだと紹介している。結果として「信じ難いほどの安定性を得た」と言及。「リーザはフィランディア杯とスケートカナダで素晴らしい演技を見せた。最後に彼女が4回連続で優れた滑りを見せたのがいつかを思い出すのは難しい。エスポー(フィンランディア杯の開催地)とバンクーバーでトゥクタミシェワは230点以上を獲得した。彼女は五輪シーズンのスタートで驚くべき快進撃を見せた」と2大会連続2位となった躍進を評価した。

 目下の充実ぶりにより、周囲の目も変わってきているようだ。それが、記事にある「シーズン初めの試合の重要な成果は、リーザがとうとうジャッジからリスペクトされ始めたということだ」という指摘だ。

「リーザの成長のストーリーには惚れないでいられない」

「今のところ国際大会の審判だけだが、本当だ。以前、経験豊かな彼女はミスなしの感情豊かな演技でさえ、とても低い得点をつけられていた。時々、ジャッジたちはもうトゥクタミシェワの時代は完全に終わったとほのめかすように全く屈辱的な採点をしていた。今シーズンですべてが劇的に変わった。やっとリーザは信じられ、ありのまま評価され始めた。シーズン開幕で彼女はカミーラ・ワリエワにのみ敗れた。ジャッジたち自身がトゥクタミシェワをきたるべきオリンピックで見たくて、そのためにすべてのチャンスを与えているように思われる」

 記事では「リーザの成長のストーリーには惚れないでいられない」とまで評した上で、こう続ける。

「逆説的に、今季25歳でトゥクタミシェワはオリンピックにいかなる時よりも近い状況にある。今、彼女にはすべてのファクターが形作られている。驚くべきコンディション、ミスに対する綿密な練習、そしてジャッジたちのリスペクト。もしリーザがこれらすべてを(五輪の代表選考に重要な意味を持つ)ロシア選手権までキープし、ライバルたちが前代未聞のパワーを見つけ出さないのなら、彼女から五輪行きの小旅行を奪うのは極めて難しくなるだろう。トゥクタミシェワはこれまで以上に自分の夢に近い状態にある」

 アレクサンドラ・トルソワ、アンナ・シェルバコワら10代の女子が強いものの、このまま勢力図に大きな変化がなければ、トゥクタミシェワにも25歳で迎える五輪に初出場のチャンスがあると分析した。低年齢化が進む女子フィギュア界において、稀有な存在と言っていい女帝リーザ。来年2月、北京五輪のリンクに立つことはできるか。戦いはこれからクライマックスに突入していく。(THE ANSWER編集部)