21歳以下のトップ選手8人が戦うシーズン最終戦、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」(イタリア・ミラノ/11…
21歳以下のトップ選手8人が戦うシーズン最終戦、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」(イタリア・ミラノ/11月9日~11月13日/室内ハードコート)への初出場を果たしたホルガ ビートス ノディシュコフ・ルーネ(デンマーク)。今年は好調なシーズンを送ってきたが、最終戦目前でさらにギアを1段上げてきた。ATP(男子プロテニス協会)公式ホームページが伝えている。【関連記事】オジェ アリアシムやシナーがNextGen最終戦棄権、全出場者が決まる【動画】ルーネの素晴らしいフォアのダウンザライン!
ルーネはイタリアのベルガモで行われたチャレンジャー大会を制したその足で、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」の行われるミラノに入った。先日の日曜日に行われたベルガモ大会の決勝で、ルーネは世界ランキング158位のCem Ilkel(トルコ)を7-5、7-6(6)で下し、今年4度目のチャレンジャー大会優勝を果たした。
2021年、ルーネはチャレンジャー大会で大活躍。先日のベルガモ制覇により、18歳6ヶ月のルーネは、1シーズンに4大会で優勝した2番目に若い選手となった。ルーネより若くこの偉業を達成したのは、2003年に当時17歳だったリシャール・ガスケ(フランス)ただ一人だ。
加えて、ルーネは19歳の誕生日の前に4大会以上で優勝を飾った選手たちの仲間入りをした。ルーネの他に、7大会優勝のガスケ、5大会優勝のトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)、そして4大会優勝のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、マリオ・アンチッチ(クロアチア)、ギジェルモ・コリア(アルゼンチン)、チョン・ヒョン(韓国)らが若手時代に活躍している。
ルーネは、イタリアで大会に出場するのを特に楽しんでいるようだ。「毎週、こんなに応援してもらうことは少ないんだけど、イタリアではあるんだ。この国でプレーするのは前から好きだよ。僕は、イタリア人と同じような考え方やアプローチの仕方をするんだ」とルーネは語った。
今年のルーネのチャレンジャーツアーでの戦績は36勝9敗と、チャレンジャー大会本戦で1勝もできなかった昨年から大きく飛躍した1年となった。ルーネはイタリアのコートと相性が良いようで、クレーコートのビエッラとヴェローナで優勝を飾り、先週のベルガモでハードコート大会初のトロフィーを獲得するなど、特に良い結果を残している。
ベルガモでのルーネは逆境でも強さを見せた。2回戦では、フィリップ・ホランスキー(スロバキア)に第1セットを先取されたが逆転勝ち。元世界23位のダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)を倒し、さらに第1シードのアレックス・モルカン(スロバキア)をフルセットで下して決勝に進出した。Ilkelとの決勝では、第2セットで相手に先にブレークを許したが勢いを取り戻し、タイブレークの末に勝利を収めた。
「決勝で最も難しいのは精神的な部分だと思う」とルーネは語った。「(Ilkelは)素晴らしいプレーをしていた。彼の最高のテニスを体現していたよ。僕たちは数年前に同じような状況で対戦したことがあって、その時も決闘って感じだった。でも、今回も勝つ方法を見つけられたよ」
ルーネは、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」優勝経験を持つヤニク・シナー(イタリア)に続き、ベルガモの優勝トロフィーを手にした選手となった。さらに、ルーネはハードコートのチャレンジャー大会で、2年前のシナー以後では最年少チャンピオンとなっており、現在世界10位のシナーの足跡を順調にたどっている。
「これが僕のキャリアで最後のチャレンジャー大会かもしれない」と現在世界109位のルーネは続けた。「あるいは、あと数回プレーしてトップ100に入れたら、グランドスラムやATPツアー大会に集中するようにするかも。そう考えるとワクワクするね」
「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」初戦では同じ18歳のカルロス・アルカラス(スペイン)に敗れたルーネだが、これから同じグループAのフアン マヌエル・セルンドロ(アルゼンチン)、ブランドン・ナカシマ(アメリカ)と対戦し、上位2選手に入って準決勝進出を目指す。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「全米オープン」でのルーネ
(Photo by Sarah Stier/Getty Images)