登山YouTuberかほ インタビュー後編前編から読む>>YouTubeチャンネル『かほの登山日記』で登山情報を発信して…
登山YouTuberかほ インタビュー後編
前編から読む>>
YouTubeチャンネル『かほの登山日記』で登山情報を発信している人気YouTuberのかほさん。実は、登山を始めたのは約6年前の社会人1年目の時。初めて山に登った感動も記憶に新しく、ビギナーの心だって十分熟知している。そんなかほさんに、これからの時期でも楽しめる登山初心者へおすすめのコースを紹介してもらった。

YouTubeチャンネルでお馴染みの山のポーズをとるかほさん
(1)高尾山 たかおさん

最初のおすすめは、体力や目的に合わせた多彩な登山が楽しめる高尾山
なんといっても、都心から電車で約1時間という、圧倒的なアクセスのよさが魅力! 私自身、ひとりで行く登山デビューはここで、今までで一番たくさん登っている山です。
登山道が全7コースもあって、たとえば6号路や稲荷山コースなど、山歩きをしながら山頂にたどり着けるものから、リフトやケーブルカーをかしこく使うらくちんコースまで、バラエティー豊かなのも魅力。自分の好きなようにコースを組み替えられるのが、いいところです。
私が最も好きなのは、沢沿いを歩ける6号路。しっかり歩きたい場合には、陣馬山〜景信山〜高尾山の縦走コースもおすすめです。山の中腹に高尾山薬王院というお寺があり、ケーブルカー高尾山駅のそばにビアガーデン(期間限定)も。さらに、麓にはおいしいお蕎麦屋さんがあって、登山がてら観光も楽しめるのも魅力のひとつ。しっかり登山をして、山でビールを飲んで、ケーブルカーで下って......なんてこともできちゃいます。
●高尾山(標高599m、東京都)
古くからの山岳信仰の山で、今でもハイキングが楽しめるパワースポットとして親しまれている。
コースタイム:約1時間30分(清滝駅〜6号路〜高尾山※片道)

高尾山の登山道を歩くかほさん
(2)大山 おおやま

登山中の眺めが美しい丹沢山地の大山(写真提供=かほさん)
都心からアクセスがいいといえば、神奈川県の丹沢山地もおすすめ。なかでも大山が、私のお気に入りです。
ケーブルカーを使って、ちょっぴり標高を上げたところからスタートすることもできる山。ですが、時に手を使うような岩場もあるので、ハイキングから一段階ステップアップして、「もっと本格的な山道を歩いてみたい!」という気分にぴったりです。
山中にある富士見台や山頂は、富士山を望める絶景スポット! ちなみに、さらにレべルアップして塔ノ岳などへ縦走するコースに挑戦すると、何度もきれいな富士山に出合えますよ。
中腹にある大山阿夫利神社で、有名な湧き水「大山名水」をくんで、山頂でコーヒーを沸かして飲むのが幸せ! 山で飲むコーヒーって、本当においしいんですよ。
また、江戸時代に「大山詣り」でにぎわった場所だけあり、麓には昔ながらの宿坊が。そこで豆腐料理をいただいて帰るのもいいですね。
ケーブルカーの駅から山頂への道は岩や階段の道が続くので、もっと易しいコースがいいという方にはヤビツ峠から山頂へ登るルートがおすすめ。こちらは山頂まで1時間15分ほどの最短ルートで高低差も少ない道です。ヤビツ峠には今年3月にできたばかりのレストハウスもありますよ。
●大山(標高1252m、神奈川県)
丹沢大山国定公園に位置。古くからの霊山で、山中には大山寺や大山阿夫利神社がある。
コースタイム:約4時間(大山ケーブル駅〜大山阿夫利神社下社〜大山〜大山ケーブル駅)
(3)達磨山〜金冠山 だるまやま〜きんかんざん

山や海の風景を眺めながら歩ける伊豆山稜線歩道(写真提供=かほさん)
伊豆の南北、全長43kmにトレイルが整備された「伊豆山稜線歩道」は、絶景を眺めながら縦走が楽しめるコース。伊豆という立地もあってか、冬場でも日差しがポカポカしていて気持ちいいですよ。
日帰りなら、大曲茶屋を出発して伽藍山〜達磨山〜金冠山のコースへ。5つの山頂を踏めるのにアップダウンはそんなにきつくなくて、ずっとゆるく上り下りが続く感じ。道も整備されていて、とっても歩きやすいです。
ここはハードな縦走ではなく、景色を愛でながら歩きたいところ。歩いていると富士山が姿を見せてくれ、駿河湾が見渡せて、西伊豆スカイラインの道もすごくきれい! 低山とはいえ、縦走ならではの次から次へと変わっていく景色を満喫できます。
縦走だと体力的にきつい場合は、達磨山や金冠山に単体で登ることもできますよ。
帰り道には、修善寺の温泉に立ち寄るもよし、海のそばまで行って海鮮料理を食べてもよし。私はいつも、山に行くだけじゃなくて、そのまわりに何があるか考えちゃうんですよね。そうして、登山+αでセットにして楽しむのがおすすめです。
●達磨山(標高982m、静岡県)
天城峠から修善寺虹の郷までを結ぶ「伊豆山稜線歩道」では、低山の縦走ができる。
コースタイム:約6時間(大曲茶屋〜達磨山〜金冠山〜だるま山高原レストハウスバス停)
(番外編)北横岳 きたよこだけ

雪山登山入門の山として登られている八ヶ岳の北横岳(写真提供=かほさん)
北八ヶ岳に位置する北横岳は、北・中央・南の日本アルプスを望める迫力のある山岳風景が魅力です。雪山登山入門の山としても有名。私も冬に行きましたが、雪山にトライしてみたいという方にもおすすめです。
およそ2000mまでロープウェイで駆け上がれるのがうれしいポイント。もちろん麓から登れる登山道もあるんですけど、ロープウェイの力を借りてもいいと思います。
標高が高いぶん、山頂からのパノラマ景色がすばらしい! ロープウェイ山頂駅付近には、溶岩台地の「坪庭」があり、春〜秋には高山植物が、冬の冷え込んだ日には樹氷が楽しめますよ。
ロープウェイの売店では、名産の「こけもも」を使ったジュースやパンをいただけます。山では、食べものの楽しみもとっても重要。おいしいものを求めて行くのもアリだと思います。
●北横岳(標高2480m、長野県)
積雪期の登山は防寒具やアイゼンといった雪山装備が必要になる。コース上に北横岳ヒュッテがある。
コースタイム:約3時間30分※積雪時(北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅〜北横岳〜北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅)
【Profile】
かほ
岐阜県出身。テレビ番組制作会社、広告代理店、IT会社を経て、登山情報を発信するYouTuberに。登山歴は6年。現在、週2、3回ペースでYouTubeチャンネル『かほの登山日記』で動画配信中。