2年ぶり4度目の開催となる「Next Gen ATPファイナルズ」が11…
2年ぶり4度目の開催となる「Next Gen ATPファイナルズ」が11月9日に開幕。2017年に始まったこの大会は期待の若手の登竜門であり、これまでにダニール・メドベージェフ(ロシア)やステファノス・チチパス(ギリシャ)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)、キャスパー・ルード(ノルウェー)など、現在世界トップ10にいる20代の選手たちも参戦してきた。そんな次代のトップ選手候補たちが集結する大会の注目プレーヤーを紹介していこう。【ハイライト動画】ブランドン・ナカシマvsジョン・イズナー/ATP250ロスカボス/準決勝
今回ご紹介するのは、世界ランキング63位の20歳、ブランドン・ナカシマ(アメリカ)。日系人の父を持つ彼は、アメリカのカリフォルニアで生まれ育ち、3歳の時にテニスを始める。17歳で名門のバージニア大学に入学、何度も全米優勝を果たしている同大学のテニスチームに所属し、ACC(アメリカの大学スポーツのカンファレンスの一つ、アトランティック・コースト・カンファレンス)で最優秀新人賞を受賞。その後、2019年にプロへ転向する。
大学を経ているため、プロ生活を始めたのは決して早くはない。しかしそれについて、「プロに転向する前に大学で1年間シーズンを戦った経験は、テニスの面でも人間的な成長という意味でもとても助けになった」と本人は語る。
ジュニア時代は2019年「全米オープン」でベスト4。2018年にITFジュニア・マスターズのタイトルを手にした。18歳の時、ツアー本戦デビューとなった2020年の「ATP250 デルレイビーチ」で初勝利を含む2勝を挙げてベスト8入り。
今シーズンは、20回目の誕生日を迎える直前に「ATP250 ロスカボス」と「ATP250 アトランタ」で2週続けて決勝に進出。元世界王者アンディ・ロディック(アメリカ)以来の最年少で、複数大会でファイナリストとなった。アトランタ大会後には89位に浮上と、10代でトップ100入り。さらにチャレンジャー大会で2度優勝している。
憧れの選手はロジャー・フェデラー(スイス)だが、自身のプレーはノバク・ジョコビッチ(セルビア)に似ていると語るナカシマのベストショットは両手打ちのバックハンド。2020年の「全米オープン」でジョコビッチの練習相手を務め、「ウィンブルドン」のジュニアに出場していた時にラファエル・ナダル(スペイン)とトレーニングをしたこともある。
対戦相手も称賛を惜しまず、ロスカボスとアトランタで2週続けて対戦(1勝1敗)した元世界8位のジョン・イズナー(アメリカ)は、「彼がまだ19歳だなんて、凄いことだね。僕がその年齢の時には、ボートに乗って釣りをしてたのに、彼はツアーの決勝に進出してるんだから」と発言。「ATP500 ワシントン」でナカシマに敗れた当時世界27位のダニエル・エバンズ(イギリス)も「彼には大きな未来がある。非常に冷静で落ち着いた選手だよ」と述べている。
エバンズが指摘した落ち着きは、ナカシマが自覚している大きな特長だ。「落ち着いていること、安定感があることは、僕の最大の強み。それは、間違いなく試合に勝つ上で役立っているよ。コートにいてもいなくても、僕はいつも静かでリラックスしている。それが僕の性格であり、生き方でもあるんだ。プロであれば、物事がうまくいかない時や、フラストレーションが溜まって落ち着いてプレーできない場合もある。そういう時は、それまでに費やしてきたハードワークを思い出すんだ。そして、その辛い時間帯を乗り越えて、より楽しい時間を思い出すようにしている」
「楽しめなければ、テニスは面白くないと思う。それだと、やる価値がないよね。 だから、可能な限り楽しんでプレーする。もちろん、努力も必要だけどね」
アメリカの次代を担う一人として期待されるナカシマ。「Next Gen ATPファイナルズ」でも冷静なプレーを見せてくれるのではないだろうか。
(テニスデイリー編集部)
※写真は2019年「ハワイオープン」でのナカシマ
Photo by Darryl Oumi/Getty Images