■11月7日/J1第35節 鹿島アントラーズ―浦和レッズ(カシマ) 7日にJ1第35節が行われ、鹿島アントラーズと浦和レ…
■11月7日/J1第35節 鹿島アントラーズ―浦和レッズ(カシマ)
7日にJ1第35節が行われ、鹿島アントラーズと浦和レッズの試合は、ホームの鹿島が1-0で勝利した。上位対決に敗れた浦和は勝ち点を積み上げることができず、目標としている来季のACL出場権が獲得できる3位争いから一歩後退した。
この試合、前節の川崎戦で負傷したMF柴戸海とDF酒井宏樹はベンチ外となり、代わりにMF伊藤敦樹とDF西大伍が先発で起用された。
川崎戦はコンディション不良でベンチ外となったFWキャスパー・ユンカーは、今節でスタメンに復帰。しかし、相手の時間帯が続いた前半は、効果的に攻め上がることができずに終わった。ユンカーもまだ万全ではないのか、ハーフタイムで交代し、さらに後半22分には、MF関根貴大が右肩を痛めてしまう。しばらくプレーを続けていた関根だったが、苦悶の表情を浮かべ、交代を余儀なくされた。
ケガ人が相次ぐ中、リカルド・ロドリゲス監督は意外な手を打った。後半27分にFW興梠慎三を送り出すと、さらに後半42分には槙野智章を“FW”として投入。なんと、槙野がワントップで興梠がトップ下という、近年の浦和ではほとんど見たことがない布陣を取ったのだった。
後半アディッショナルタイムには、この2人が起点となり、見せ場を作る。DF宇賀神友弥からのロングボールを槙野がペナルティエリアの手前で落とすと、これに反応した興梠がすかさずシュートを狙うが、ここは枠を外してしまう。さらに、試合終了間際のラストプレーでも、槙野と興梠がゴール前で細かくつなぎ、最後は左サイドのDF山中亮輔からのクロスに興梠が頭で合わせたが、ネットを揺らすことはできなかった。しかし、長きにわたって浦和を牽引してきたベテラン2人の意外な起用は、ゴールこそならなかったものの、斬新さやインパクトを残した。
■チーム一丸の総力戦!「今までにはなかった布陣」にも期待
槙野のFW起用は、9月に行われたルヴァンカップ準々決勝の川崎戦以来となる。その試合、後半アディッショナルタイムに投入された槙野は、ラストプレーで同点ゴールを決めた。土壇場で追いついた浦和は、アウェーゴールの差で川崎を退け、準決勝に進出したのだった。試合後、槙野は「昔はFWをやっていたし、今でも練習後にはシュート練習をしていて、そのシュート練習の量はJリーグの中でも3本の指に入ると思う」と、自信を覗かせていた。
興梠も今シーズンは長らく戦列から離脱していたが、前節の川崎戦で11試合ぶりに途中出場で起用された。もともと興梠はポストプレーが得意なため、前線に入るとボールがおさまり、チャンスを作ることができる。今回、興梠がトップ下の位置に入ったのは、浦和に来てから初めてと言っても過言ではないくらい珍しいことではあるが、槙野と連係して起点をつくり、ここぞという時には最前線に飛び出すなど、トップ下としての適正も印象づけた。
幸い、現在の浦和はこうした選手層の厚さが大きな強みである。今夏の移籍市場で大型補強を行い、ベテランと若手のポジション争いも激化した。また、リカルド監督の意向もあってか、様々なポジションをこなせる選手がそろっている。
今節のような奇をてらった選手起用やシステムの変更は、相手にとっては対策がしづらいため、脅威になりえるだろう。今回、鹿島は落ち着いて対応していたが、それでも槙野と興梠が前線に入ったあとの時間帯は浦和の見せ場が続いていた。
負傷者が相次ぐ中、様々な選択肢を検討できることは光明である。リーグ戦の3位争いについては他チームの結果に左右されることになったが、それでもまだあと3試合あるし、浦和は天皇杯でACL出場権を獲得できる可能性も残されている。選手起用において厳しい局面を迎えるなか、終盤戦に向けて、予想だにしないフォーメーションも飛び出すかもしれない。総力戦で目標を達成することができるか。
■試合結果
鹿島アントラーズ 1―0 浦和レッズ
■得点
36分 土居聖真(鹿島アントラーズ)