昨年、最下位に沈んだオリックス。今季は2年連続Bクラスからの巻き返しを目指し、奮闘中だ。そんな中、球団側は新たなファンの獲得のため、SNSを利用したファンサービスを積極的に行っている。現在は公式としてフェイスブック、ツイッター、インスタグラ…

昨年、最下位に沈んだオリックス。今季は2年連続Bクラスからの巻き返しを目指し、奮闘中だ。そんな中、球団側は新たなファンの獲得のため、SNSを利用したファンサービスを積極的に行っている。現在は公式としてフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ライン@、YouTubeを展開。これらについて、球団はどのような戦略を持っているのか。オリックス野球クラブ企画事業部宣伝グループ長の後藤俊一さんに話を聞いた。

■オリックス関係者に聞く球団のSNS戦略

 昨年、最下位に沈んだオリックス。今季は2年連続Bクラスからの巻き返しを目指し、奮闘中だ。そんな中、球団側は新たなファンの獲得のため、SNSを利用したファンサービスを積極的に行っている。現在は公式としてフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、ライン@、YouTubeを展開。これらについて、球団はどのような戦略を持っているのか。オリックス野球クラブ企画事業部宣伝グループ長の後藤俊一さんに話を聞いた。

 オリックスは上記のように複数のSNSを展開しているが、昨シーズン成績が低迷したこともあり、他球団に比べフォロワーの数が少ないという。

「フォロワーが少ないことは自覚しています。ファンの方に喜んでいただける様々なコンテンツを強化しなければと思っています。YouTubeで『BsTV』というチャンネルを展開していますが、その中でも秋季キャンプで選手たちに話をしてもらう『Bs座談会』は人気を集めています。

 シーズンを振り返ったり、キャンプの様子を話したりするだけでなく、プライベートな話もしています。仕切り役は海田智行投手が多かったですが、昨年は塚原頌平投手、駿太外野手が引き受けてくれました」

 後藤さんはそう話す。

■女性目線も重視、選手協力で「面白い写真」投稿

 入団会見や、新入団選手の入寮なども撮影しているため「BsTV」は選手たちにも浸透しており、撮影がしやすいという。選手会のゴルフやファン感謝デーの様子などは後藤さん自らカメラを回し撮影する場合もあるが、バファローズを応援する女性「オリ姫」向けの動画は、女性カメラマンが女性目線で撮影しているそうだ。

「チームにはイケメンがたくさんいるので、いろいろな角度から選手を撮っています。選手に水を渡して飲んでもらって、その様子を撮影するなど、女性ファンが『キュン』ときそうな仕草をイメージしています」

 インスタグラムでは、シーズン中はプロのカメラマンが撮った試合の写真を中心に投稿。一方、オフシーズンには広報スタッフや後藤さんら職員がスマートフォンで撮ったオフショットも投稿している。

「球団の中にいる私たちしか撮れないような写真を撮っています。人気があるのは、伊藤光捕手、山崎福也投手、青山大紀投手、西野真弘内野手、鈴木昂平内野手らですね。最近では吉田正尚外野手の人気が絶大です。選手たちも協力してくれるので、面白い写真が投稿できています」

■SNS上でファンの悩みも募集、「他球団と同じことをやっていてはいけない」

 本拠地での試合で配布している観戦ガイド「BsTIME」では今シーズン「選手が答えるお悩み相談」を実施。SNS上でファンの悩みを募集しており、「子供をオリックスファンにするためにはどうすればいいか」、「ダイエットを成功させるにはどうしたらいいか」など、さまざまな質問が寄せられている。

「他球団と同じことをやっていてはいけないと思っています。私たちも負けないようにファンサービスを考えていきたいと思っています」

 後藤さんは「今はSNSを無視できない。フォロワーを増やしていくのはミッションです。放っておいてもお客様は来てくれるとは思っていません」と話す。今後、チームを一層盛り上げるためには、新たなファンの力も必要だ。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki