バルセロナにとって、2シーズンぶりの緊急事態となった。シーズン途中に監督交代の荒療治を施したのだ。 呼び寄せられたの…
バルセロナにとって、2シーズンぶりの緊急事態となった。シーズン途中に監督交代の荒療治を施したのだ。
呼び寄せられたのは、懐かしい名前だ。シャビ・エルナンデスが、再びブラウ・グラナの一員として戦う。
生え抜きの帰還に、バルセロニスタの期待は高い。
だが、本当にバルサは復活するのか? “シャビ・バルサ”の未来を考察する。
■盛んに報じられた「期待」が現実に
彼が救世主になるかは、分からない。それでも、希望の光になるのは間違いない。
バルセロナが、混沌の日々を送っている。今夏、リオネル・メッシが退団したチームはシーズン序盤戦から苦しんだ。成績不振を理由にロナルド・クーマン監督が解任され、Bチームを率いていたセルジ・バルフアンが暫定監督に就いた。
そのような中で、現地メディアで盛んに報じられてきたのが、アル・サッド(カタール)のシャビ・エルナンデスの監督就任の可能性だ。「シャビ」の名前が連日のように新聞で踊り、バルセロニスタの期待感をあおった。
そして、現地時間11月6日に待望の公式声明が出された。2024年夏までの契約で、“バルサのシャビ監督”が誕生している。
果たして、シャビはバルセロナが現在置かれている状況を一変させることができる存在なのだろうか。
監督としてのシャビの招へいは、これまでもバルセロナの話題となってきた。
ただし、現在のバルセロナに呼ばれるはずの存在ではなかったのだ。理由は、現会長のジョアン・ラポルタの思惑である。
■時期尚早と考えられていた「シャビ監督」
少し時を遡る。2020年10月にジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長が辞任して、バルセロナでは会長選が行われる運びとなった。
その会長選に、ビクトル・フォントという人物が立候補していた。シャビを監督として呼ぼうとしていたのは、このフォントだった。
一方のラポルタは、選挙の時期にこう語っている。
「私とシャビは頻繁に連絡を取り合っている。他の候補者との関係が伝えられているけれどね。しかし、シャビは現在の私のプランには入っていない。短期間・中期間・長期間のいずれかでバルサの監督になる可能性はあるがね」
そう、会長としての第2次政権を狙うにあたり、ラポルタが監督として狙いを定めていたのは、シャビではなかったのである。
当時のラポルタはロナルド・クーマンの続投を支持していた。シャビではなく、クーマンの続投に賭けた理由を、ラポルタはこう語っていた。
「シャビには、もう少し(監督としての)キャリアと経験が必要だ。それは我々がライカールトの時に実践したことだ。ライカールトが基礎を築いて、それをグアルディオラが最高水準まで引き上げた」
クーマンに基礎を築いてもらい、ゆくゆくはシャビにシフトする。そんな狙いがあったのだろう。その青写真は、描いている途中で破たんした。
■開幕前に逃した立て直しのチャンス
今シーズン開幕を前にして、プランを大幅に修正する可能性はあった。この夏の時点で、ラポルタは監督交代を検討していたのだ。
ただし、メッシの退団で一気に表面化したように、財政的な問題で違約金を伴う監督交代はかなわず、クーマンの続投が決まった。クーマンがオランダ代表で指導していたメンフィス・デパイらを獲得したものの事態が好転することはなく、メッシのいなくなったチームの弱体化は避けられなかった。バイエルン・ミュンヘン戦(0-3)、アトレティコ・マドリード戦(0-2)、レアル・マドリード戦(1-2)とビッグマッチで、バルサの凋落は顕著に現れた。
クーマンが率いるバルセロナの苦しみは続いた。ビッグマッチで勝てないだけではなく、リーガエスパニョーラでも、チャンピオンズリーグ出場権獲得圏内に入ることが難しくなっていた。エースが抜けたとは言え、なぜクーマンは勝てなかったのか。問題はそこだ。