バルセロナにとって、2シーズンぶりの緊急事態となった。シーズン途中に監督交代の荒療治を施したのだ。 呼び寄せられたの…
バルセロナにとって、2シーズンぶりの緊急事態となった。シーズン途中に監督交代の荒療治を施したのだ。
呼び寄せられたのは、懐かしい名前だ。シャビ・エルナンデスが、再びブラウ・グラナの一員として戦う。
生え抜きの帰還に、バルセロニスタの期待は高い。
だが、本当にバルサは復活するのか? “シャビ・バルサ”の未来を考察する。
■クーマン失敗の理由
ロナルド・クーマンの失敗は、選手配置の誤りにあった。端的に言えば、クーマンは適材適所のプレーヤー配置が下手な監督だった。
具体例を挙げるため、クーマン・バルサの左サイドにフォーカスする。3トップの中央のメンフィス・デパイ、左ウィングのアンス・ファティ、左インサイドハーフのガビ、左サイドバックのジョルディ・アルバ。いずれも左サイド/左のハーフスペースをプレーエリアとする選手だ。
これでは、左のスペースでノッキングが起こるのは必然である。また、3選手から4選手が左サイドに寄って、逆に中央と右サイドが手薄になるという現象が頻繁に起きていた。こうなると、たとえ左サイドを崩したとしても、ゴール前に人数がそろっていないという状況に陥る。
クーマンが解任される前の数試合で、たびたびセルジーニョ・デストが決定機を逸して叩かれていた。しかし、デストの本職は右サイドバックである。その選手に決定機を迎えさせるという攻撃パターン自体が、正しいのかどうか。そういった検証が、クーマン・バルサではなされていなかったように見えた。
■ファンの期待と現実の「齟齬」
また、バルセロナを語る上で必ず出てくる問題がある。「ポゼッション」と「4-3-3」の議論である。
ポゼッション、つまりボール保持は、このクラブの根幹にあるフィロソフィーだ。ヨハン・クライフが提唱したフットボールは、ジョゼップ・グアルディオラ監督が率いたチームで、完成の域に達した。パスサッカーを意味する「チキ・タカ」という言葉が流行したのもその頃だ。
そして、もうひとつ。「4-3-3」の問題だ。バルセロナのトップチームで監督を務める人物には、このシステムの選択が暗に求められる。バルセロナでは、カンテラ(育成組織)に属している時から、4-3-3でのプレーが選手たちに叩き込まれる。とりわけ、グアルディオラ政権時ではそれが徹底されていた。
■バルベルデも「犠牲」に
近年では、エルネスト・バルベルデ監督が、この問題の”犠牲”になった。2017年夏のネイマールのパリ・サンジェルマンへの移籍を受け、バルベルデは4-4-2を基本布陣にした。指揮官としては、ワールドクラスのプレーヤーが不在になったためにシステムチェンジという苦渋の決断をしたのだが、そのスタイルは最後までバルセロニスタの心をつかむに至らなかった。
クーマンもバルベルデと同様に「ポゼッション」と「4-3-3」の問題を解決できなかった。クラブに、ファンに求められるものを披露できず、なおかつ結果に見放された。
クラブの哲学を理解し、活用した上で、結果を手に入れる。簡単なミッションではないが、だからこそシャビへの期待は高まる。ついに、生え抜きの天才に白羽の矢が立つこととなったのだ。