今年、後継モデルの『4シリーズカブリオレ』が新型へ切り替わった。そこで今回は、欧州の自動車メーカーでは初の日本法人を立ち上げちょうど40周年を迎えたBMWの、設立後の歴代正規輸入車から、『4シリーズ』の前身の『3シリーズ』のカブリオレの足跡…

今年、後継モデルの『4シリーズカブリオレ』が新型へ切り替わった。そこで今回は、欧州の自動車メーカーでは初の日本法人を立ち上げちょうど40周年を迎えたBMWの、設立後の歴代正規輸入車から、『4シリーズ』の前身の『3シリーズ』のカブリオレの足跡を振り返る。

◆E30時代

『3シリーズ』のカブリオレは“E21”時代のバウアー社がボディワークを手がけたモデルが初代。E30のカブリオレは『3シリーズ』では2世代目にあたり、当初はE21時代と同様のサイドウインドゥの窓枠(とロールバー状の骨格部分)を残すスタイルのカブリオレを設定。

さらに1986年になると、今度はフルオープンタイプに改められて登場した。ボディ構造の補強が加えられたほか、ルーフ素材には、内部にゴム繊維を織り込んだ強靭なコットンを使用。格納時にはリヤデッキにスッキリと収まる設計になっていた。

◆E36時代

E36時代には、E30で登場したワゴンのツーリングの輸入がなく(アルピナで少数台数が入れられた)、代わりに2ドアのクーペが設定され、それとともに用意されたのがカブリオレだった。

クーペに対し約20mm低いリヤデッキを特徴とし、万一の横転の際、約0.3秒で270mm飛び出すオールオーバー・プロテクション・バーを備え、約30秒で格納する電動ソフトトップは3層構造で、内側はファブリック製のライニングでカバーされていた。

年式にもよるが、ソフトトップにはブラック、ダークグリーン、ダークブルーの3色が用意されるなど、ユーザーのこだわりにも応える仕様となっていた。

◆E46時代

E36カブリオレの正常進化版といったモデル。カタログの説明を読むと、「電動フロントシートはボタンを押すだけで前方に素早く移動し、後部座席の乗り降りを容易にするウォークイン機構を新たに採用。またシートベルトの上部アンカーをBピラーからシートバックに移設し、乗る方の伸長を選ばない理想的な作動を実現」などと記されている。

また先代と同性能のロール・オーバー・プロテクション・バーを備えるほか、フロンとウインドゥには強化フレームを採用し、3.4tの荷重がかかっても6度以上傾かない、とも。セダン同様、途中のフェイスリフトでヘッドランプ形状などが改められている。

◆E90時代

この次の世代から『4シリーズ』を名乗ることになる、『3シリーズ』としては最終世代のカブリオレがこのモデル。最大のトピックはフルオートマチック・リトラクタブル・ハードトップの採用。

3分割で重なりながら格納される電動のトップは、オープン22秒、クローズ23秒で完了。スチール製の剛性を活かしCピラーを細くでき、前世代に対して広報視界を38%拡大させるなどしていた。シートには大型のヘッド/サイドエアバッグも内蔵。もちろん鉱石ヘッドレスト後方にはロールオーバー・バーを内蔵した。

トップの折り畳み/展開は無用な音が立たず、“所作”も上品だった。