「2021年UCI BMX スーパークロスワールドカップ第7-8戦」がトルコのサカリアにて、2021年10月30日(土)~31日(日)の2日間に渡り開催された。今大会には先週末に開催された本シリーズ第5-6戦と同様に、女子エリートクラスは東…

「2021年UCI BMX スーパークロスワールドカップ第7-8戦」がトルコのサカリアにて、2021年10月30日(土)~31日(日)の2日間に渡り開催された。

今大会には先週末に開催された本シリーズ第5-6戦と同様に、女子エリートクラスは東京オリンピック代表の畠山紗英が、男子アンダー23クラスは中井飛馬と増田優一が、そして女子アンダー23クラスには丹野夏波、酒井亜樹、薮田寿衣、西村寧々花、野村凪沙が日本代表選手として出場した。

なお、2021年シーズン最終戦となる第7-8戦では今シーズンのワールドカップシリーズポイントランキングが確定するため、日本からは第6戦を終えた時点でU23カテゴリーでトップのポジションを守る中井飛馬と、同じくポイントランキングでの表彰台を射程圏内に収めている薮田寿衣の二選手が年間ポイントランキングの順位も意識して挑む大会となった。

以下は、今大会大注目の日本人選手出場レースのレポート。

アンダー23クラスでは男女共に日本人選手が世界の頂点に。第8戦で優勝した中井がU23男子初代チャンピオンの座を獲得

第7戦


#613 薮田寿衣、#612 丹野夏波
photograph by Japan Cycling Federation

女子アンダー23クラスでは日本人選手5名のうち、前回の第5戦と同様に藪田寿衣と丹野夏波の2名が決勝進出。

決勝ではスタートを決めた籔田が第1コーナーへ先頭で進入。コーナーからの立ち上がりにて内側のラインから丹野が抜け出し一瞬前に出るが、籔田がジャンプセクションで再び先頭にたつ。一方、丹野はジャンプセクションでのミスにより順位を落とし後退してしまう。 その後最終コーナーを先頭で回った籔田はフィニッシュラインにて東京オリンピックラトビア代表のピーターソン選手に並ばれ写真判定にもつれ込むも、結果は0.008秒差にて籔田が見事優勝。

第6戦の丹野に続き、日本人2人目となるワールドカップにて表彰台の頂点に立った。 丹野は惜しくも6位で決勝を終えた。


#677 中井飛馬
photograph by Japan Cycling Federation

男子アンダー23クラスでは先週末の第5-6戦同様に、参加者60名と今大会でエントリーが最多のクラスとなった。そんな中、U23カテゴリーシリーズポイントランキングで首位の中井飛馬が安定した走りを見せ、準決勝を1位で決勝へ進出。

決勝は若干スタートで出遅れ2位から追う展開となり、第2コーナーにて先頭の選手の真横に並ぶも立ち上がりでの加速に苦しみ失速。その失速が影響しゴール直前でも順位を落とし4位でフィニッシュとなった。惜しくも5戦連続の表彰台獲得は逃したものの、今回の成績からシリーズポイントでは最終戦を残して1位が確定した。 


#85 畠山紗英
photograph by Japan Cycling Federation

そして女子エリートクラスでは日本からは唯一の参戦で、前回の第5-6戦では決勝に進めず悔しい結果で終えたため、より良い結果を目指し今大会に挑んだ畠山紗英。本日の第7戦では準決勝を3位で通過し、今シーズン第2戦のイタリア大会ぶりの決勝進出となった。

決勝では一番外側の8コースからスタート。上手くスピードをのせて先頭集団の位置で第1コーナーに進入したが、コーナーで少し外側へ膨らんでしまったことで内側のラインから来た選手と接触し失速してしまう。その後追い上げるも前の選手に迫れず惜しくも8位でレースを終えた。 

第8戦


#677 中井飛馬
photograph by Japan Cycling Federation

男子アンダー23クラスでは、優勝候補の中井飛馬が最終戦でも予選から安定した走りで決勝へ進出。

決勝ではスタートから先頭に躍り出て第 1 コーナーからもトップで立ち上がるという好調な出だし。第2コーナーで後続選手の転倒も相まって、終始独走状態でレースを進め1位でフィニッシュラインを通過し優勝。

前大会の第3-4戦に続く3勝目をあげ、前日の第7戦終了時に確定していたシリーズポイントランキングでも1位を守り抜き、今シーズンより新設されたU23男子初代チャンピオンの座を見事日本へ持ち帰った。 


#613 薮田寿衣
photograph by Japan Cycling Federation

女子アンダー23クラスでは第6戦に優勝し、3大会連続で決勝進出していた丹野夏波が準決勝にて敗退してしまう。一方、前日の第7戦で優勝した籔田寿衣と第5戦で決勝進出した西村寧々花の2名が決勝へ駒を進めた。

決勝では籔田と西村共にスタート後に両脇の選手にブロックされ、後方から追い上げる展開に。 籔田は2つ順位を上げるも表彰台には一歩届かず4位でフィニッシュ。西村は8位で大会を終えた。

女子日本代表チームは今シーズン全8戦中、半分の4戦のみの参戦となったが籔田がシリーズポイントランキングで3位を獲得。丹野は6位、西村は10位となった。 


#85 畠山紗英
photograph by Japan Cycling Federation

女子エリートクラスでは、前日の第7戦でも決勝進出を果たした畠山紗英が予選で苦戦するも敗者復活戦を勝ち抜き、準決勝はスタートでのミスをカバーして4位で決勝進出。

決勝ではスタートで出遅れ、最後尾の8位から追う展開になるも冷静に他選手の動きを見極めて追い上げに成功し5位に浮上。そのままの順位でゴールラインを切り、惜しくも表彰台は逃すも怪我からの完全復帰を感じさせる走りを魅せた。

以下は今大会出場の日本人選手による代表コメント。

日本人選手コメント

・第7戦
中井 飛馬 選手(男子U23クラス)
「先週の第5-6戦からの改善点も含めて良い流れで決勝まで進めましたが、決勝ではライン選択の判断ミスで先頭の選手を交わすことができず、悔しい1戦となりました。
シリーズタイトルが確定して一つプレッシャーは減りましたが、シーズン最終戦をベストな形で終えられるように最後まで集中を切らさずに挑みます。 」

藪田 寿衣 選手(女子U23クラス)
「第5戦でも表彰台を獲得できましたが、今回の決勝ではスタートからトップを走れたこと、さらに優勝という結果を残せたことがとても嬉しいです。
国内の大会も含めて1年ぶりの優勝だったので、これまでのトレーニングの成果を実感でき、取り組みにも自信がつきました。 明日は最終戦が残っていますが、シリーズタイトルでも現在4位でトップ3を狙える位置にいるので、ベストを尽くしてきます。 」

畠山 紗英 選手(女子エリートクラス)
「先週の前回大会では悔しいレースが続き、今日までの数日間で細かい修正や戦略を変えてレースに挑みました。
スタートから最初のコーナーまでの距離が短く、インコースからのスタートが有利なコースレイアウトですが、今回はアウトコースから攻める戦略がうまくはまり決勝まで進めたことには満足しています。明日は今シーズン最後となるワールドカップのレースですが、自分のパフォーマンスに集中し自信を持って準備して挑みたいと思います。」

・第8戦
中井 飛馬 選手(男子U23クラス)
「悔しい展開のレースが続いていたことと4連戦での疲労も心配していたのですが、1日のペースをコントロールすることができ、最終戦を優勝で締め括れたことはとても嬉しいです。
U23では勝ち上がるためのプロセスやシリーズポイントを守るプレッシャーなど、新たな収穫を得られたシーズンとなりました。 この後はトレーニングの拠点としているアメリカへ移動し、来シーズンに向けてレベルアップに励んでいきます。最後にコロナ禍の難しいシーズンをフルにサポート頂いた皆さまに感謝しています。応援ありがとうございました。 」

藪田 寿衣 選手(女子U23クラス)
「最終戦の決勝では、連日の疲労から理想の展開とはならず表彰台を逃しましたが、今遠征の4戦で1年半取り組んできた成果を出すことができて満足しています。
最後はシリーズポイントでも3位に入れたので、来シーズンはよりコンスタントなリザルトづくりと世界選手権大会でのパフォーマンスも視野に入れ、オフシーズンのトレーニングに取り組みたいと思います。たくさんの応援とサポートありがとうございました。」

畠山 紗英 選手(女子エリートクラス)
「前日の第7戦に続き、強い気持ちを持ってレースに臨みました。結果としては5位と表彰台は届きませんでしたが、東京オリンピックでの怪我後初のレースだったので、自分のパフォーマンスと今の位置を確かめることができ、来シーズンに向けてもポジティブな課題を得ることができました。
2021 年は私のレース人生で一番大きなシーズンでしたが、支えて下さった皆さまに感謝しております。 この後一度日本に帰国し、まずは次のシーズンへ向けての体制づくりに注力していきます。」

大会結果

第7戦
<女子Under23>
優勝: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 所属: 大阪体育大学
準優勝: ヴィネッタ・ピーターソン / ラトビア
3位: リア・ブランジョン/ フランス
6位: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 所属:早稲田大学
10位: 酒井 亜樹 (サカイ・アキ) / 所属: 桃山学院教育大学
11位: 西村 寧々花 (ニシムラ・ネネカ) / 所属: Gantrigger
18位: 野村 凪沙 (ノムラ・ナギサ) / 所属: Ace Race Australia


photograph by Japan Cycling Federation

<男子Under23>
優勝: ピエトロ・ベルタノリ / イタリア
準優勝: マテオ・コースネット/ フランス
3位: マーティン・ボーガート / ベルギー
4位: 中井 飛馬 (ナカイ・アスマ) / 所属:日本体育大学
44位: 増田 優一 (マスダ・ユウイチ) / 所属: 大阪体育大学

<女子エリート>
優勝: ラウラ・スマルダーズ / オランダ
準優勝: フェリシア・ステンシル / アメリカ
3位: マリアナ・パホン / コロンビア
8位: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ) / 所属: 日本体育大学

第8戦
<男子Under23>
優勝: 中井 飛馬 (ナカイ・アスマ) / 所属:日本体育大学
準優勝: ジャコモ・ガルガグリア / イタリア 
3位: マーティン・ボーガート / ベルギー
25位: 増田 優一 (マスダ・ユウイチ) / 所属: 大阪体育大学


photograph by Japan Cycling Federation

<女子Under23>
優勝: リア・ブランジョン/ フランス
準優勝: ヴィネッタ・ピーターソン / ラトビア
3位: ターリャ・バーフォード / スイス
4位: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 所属: 大阪体育大学
8位: 西村 寧々花 (ニシムラ・ネネカ) / 所属: Gantrigger
11位: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 所属:早稲田大学
18位: 酒井 亜樹 (サカイ・アキ) / 所属: 桃山学院教育大学
19位: 野村 凪沙 (ノムラ・ナギサ) / 所属: Ace Race Australia

<女子エリート>
優勝: ラウラ・スマルダーズ / オランダ
準優勝: フェリシア・ステンシル / アメリカ
3位: マリアナ・パホン / コロンビア
5位: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ) / 所属: 日本体育大学

ワールドカップシリーズ2021 ポイントランキング

<女子Under23>
優勝: ターリャ・バーフォード / スイス
準優勝: リア・ブランジョン/ フランス
3位: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 所属: 大阪体育大学
6位: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 所属:早稲田大学
10位: 西村 寧々花 (ニシムラ・ネネカ) / 所属: Gantrigger


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<男子Under23>
優勝: 中井 飛馬 (ナカイ・アスマ) / 所属:日本体育大学
準優勝: ヴァヌス・マグデリンス / ベルギー
3位: クリスチャン・カストロ / エクアドル


photograph by Japan Cycling Federation

<女子エリート>
優勝: マリアナ・パホン / コロンビア
準優勝: ラウラ・スマルダーズ / オランダ
3位: フェリシア・ステンシル / アメリカ
10位: 畠山 紗英 (ハタケヤマ・サエ) / 所属: 日本体育大学

大会概要

⼤会名称 : 2021年UCI BMX スーパークロス ワールドカップ第7-8戦
開催期間 : 第7戦-2021年10月30日(土)、第8戦-2021年10月31日(日)
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:トルコ・サカリア Aycicegi Bisiklet Vadisi

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