高校選手権・新潟県大会の準決勝、2点差をひっくり返し日本文理に4-2逆転勝利 第100回全国高校サッカー選手権の新潟県大…

高校選手権・新潟県大会の準決勝、2点差をひっくり返し日本文理に4-2逆転勝利

 第100回全国高校サッカー選手権の新潟県大会は、3日に五十公野公園陸上競技場で準決勝が行われ、第2試合では帝京長岡が4-2で日本文理に逆転勝利を収めた。

 帝京長岡は2018年度大会で2度目の全国ベスト8になった後、19年度、昨年度と連続して全国ベスト4。目指しているのは、初の日本一だ。古沢徹監督は「次に進めて、ホッとしている。今季は失点はする。1、2点取られても動じず、3点、4点取るつもりでやろうという形でやってきている。(準々決勝の新潟西戦に続く逆転勝利で)逆境にも強くなってきた。徐々にウチらしさ、粘り強さが出てきたかなと思う。ただ、ビハインドを負って良いことはないので、この反省を決勝戦に生かしていきたい」と、4日後に控える決勝戦を見据えていた。

 前半4分、前半11分と試合の立ち上がりに連続失点を喫した帝京長岡だったが、慌てずに持ち味であるコンビネーションアタックで一つずつ点を取り返していった。反撃の狼煙となったのは、前半残り3分のセットプレー。右コーナーキックをMF廣井蘭人(2年)が左足で蹴ると、中央で1人潰れて流れてきたボールをDF松本大地(3年)が押し込んで1点を返し、前半を折り返した。

 3バックから4バックに変えて、サイドを起点とした連係が改善すると、後半は帝京長岡ペースで進む。後半9分、右サイドで相手を引き付けて、オーバーラップした右DF佐々木奈琉(3年)のクロスを、途中出場のMF岡村空(2年)がヘディングで決めて同点。さらに後半18分、中央突破の連係でパスを受けたFW渡辺祐人(3年)が倒されてFKを獲得すると、その渡辺がキッカーに名乗りを上げ、目の覚めるような弾丸ライナーをゴールに突き刺して逆転に成功した。「FKを決めたのは初めて。嬉しかったです」と喜んだ。渡辺は足首の負傷を繰り返したことも影響し、試合経験がほとんどない。昨年も全国大会のメンバーには入っていたが、1試合もベンチに入れなかった。3年生で迎えた最後の舞台で台頭してきた存在だ。

 試合に出られない期間を長く過ごしてきただけに、ピッチにいない仲間への思いは強い。「自分が試合に出ているということは、他の誰かは出られていないということなので、試合に出たら点を決めないといけない。簡単には負けられない」と語る。得点となったFKについても「軌道とか特に考えていなくて。決めたかったので。気持ちです。気持ちで押し込んでやろうと思っていたので、決まって良かったです」と気持ちを強調した。

技巧派集団の中で光った貪欲な仕掛け

 技巧派集団として知られる帝京長岡では珍しく、パスばかりに頼らず、貪欲に自分で仕掛けてフィニッシュを狙えるタイプ。渡辺は「(廣井)蘭人とか(岡村)空とかは、上手すぎて、ついていけない。あいつらがやりやすいように前線で時間稼ぎを頑張っています。同じようにやろうとすると、失敗するので」と自虐ネタで笑いを誘ったが、むしろチームが勝つため、相手に脅威を与えるために有効な選手で、古沢監督も「ちょっと足りなかったピースが夏以降に一つはまった」と渡辺の台頭を評した。

 渡辺の逆転弾で勢いに乗った帝京長岡は、日本文理のパワープレーも跳ね返し、後半終了間際に途中出場のFW松山北斗(2年)がダメ押しの4点目を奪って熱戦に終止符を打った。

 4日後には、北越との決勝戦が待っている。渡辺は「自分が帝京長岡に行くと決めた後、全国ベスト8になった。行くからには優勝しないと、と思っていたのに、全然、試合に出られていなかった。今年こそは優勝したい」とチーム悲願の全国初優勝の原動力となる気概を示した。そのためにも、まずは決勝戦。新潟県代表としての全国切符をつかみに行く。(平野 貴也 / Takaya Hirano)