2020年にがんと診断されてどん底に落とされてから、テニス界から彼女への愛と優しさを反映したお別れのツアーへと、カルラ・…

2020年にがんと診断されてどん底に落とされてから、テニス界から彼女への愛と優しさを反映したお別れのツアーへと、カルラ・スアレス ナバロ(スペイン)は今、コート上でのカーテンコールに臨んでいる。現在33歳のスアレス ナバロにとって、「ビリー・ジーン・キング・カップ by BNPパリバ ファイナルズ」(チェコ・プラハ/11月1日~11月6日/室内ハードコート)が最後の大会となり、語りつくせないほどの思い出を残した20年近いプロ生活の終わりを告げるものとなる。「ビリー・ジーン・キング・カップ」公式オンラインメディアが伝えている。【実際の動画】スロバキアから逆転勝利を挙げたスアレス ナバロとサラ・ソリベス トルモのペア【関連記事】元世界6位のテニス選手が悪性リンパ腫を公表

スアレス ナバロは素晴らしい経歴の持ち主だ。元世界ランキング6位で、グランドスラムの準々決勝に7度進出。さらに、今年の東京大会も含めて4度のオリンピックに出場。今年4月にホジキンリンパ腫からの回復を発表した後、「全仏オープン」、「ウィンブルドン」、「全米オープン」にも出場した。

当初の引退計画は、2020年の「全米オープン」直前に診断を受けたことで棚上げされた。その後は8度の化学療法を受け、感動的な復帰を果たした。ツアーへのお別れに関しては、スアレス ナバロにとってこれ以上ないものとなったようだ。

「これは私が望んでいた最終シーズンよ。本当にいい1年を過ごした。自分が想像していたよりずっといいものだったわ。一つ一つの大会で、一つ一つのセンターコートで、人々の愛を感じたし、他の選手からも感じたわ。私にとって、今年の初めと去年はとても厳しいものだった。闘病していたからね。でも今は本当にいい気分よ。この1年に、大会に、選手としての生活に、そしてファンに対して、素晴らしいお別れになったわ」

「本当に全てのことに感謝しているし、最後にここに来られて幸せよ。長年の選手生活の後に“ビリー・ジーン・キング・カップ”が私にとって最後の大会になるなんて、本当に特別なことだわ。スペインを代表することはいつだって誇らしい。コートで過ごす毎日と全ての時間を楽しむつもりよ。チームと楽しく過ごしたい。自分の国を代表して、チームに支えられてコートに立つ時に感じることは、いつだってすごく特別」

スアレス ナバロにとっての2021年最高の瞬間はまだこれから訪れるかもしれないが、これまででは、最後の出場となった今年の「ウィンブルドン」で世界女王アシュリー・バーティ(オーストラリア)とセンターコートで対戦した試合が、この感動的なシーズンで最も貴重な思い出となっている。スアレス ナバロは6-1、6-7(1)、6-1で敗れたものの、その結果を些細なものにするほど、この対戦には象徴的な意味があった。

この対戦の後、バーティはスアレス ナバロを「とんでもない対戦相手で、とんでもない闘志にあふれた選手」と評した。スアレス ナバロはこう振り返る。「2021年には特別な瞬間がすごくたくさんあったけど、あの試合は本当に楽しめたわ。センターコートで、世界1位のアッシュ・バーティと対戦するのは、私にとってとても特別だった。素敵な贈り物だったわ」

この話題の中で、輝かしいキャリアにおける特筆すべき思い出について問われたスアレス ナバロは、すぐさま頭に浮かぶものがあったようだ。「もし一つ選ぶとしたら、2008年の“全仏オープン”ね。予選を勝ち抜いて、初めての“全仏オープン”の初めてのセンターコートで、地元のアメリー・モレスモー(フランス)と対戦したの。素晴らしい雰囲気だったわ。準々決勝まで勝ち進んだんだけど、この“全仏オープン”が最初のきっかけになって、みんなが私のことを、私がどんなプレーをするかを知るようになった。あれは最高の瞬間の一つだったわ」

スアレス ナバロは思い出を振り返る時、決まって人々の影響を口にする。その中には、観客席から心温まる応援をくれる人々のほか、昨年の激動の中で計り知れない癒しをくれることになった人々も含まれる。「たくさんのことを恋しく思うでしょうね。でも、私が一番恋しく思うのはファンだと思うわ。ファンがいてくれることで、試合は違ったものになるから。応援してくれる時の雰囲気は素晴らしいし、それはこの1年でみんなが私にもたらしてくれた気持ちと同じよ。競い合うことも恋しくなるでしょうね。試合に勝って、負けた相手から学んで。テニスはただただ美しいスポーツよ」

大会の結果にかかわらず、スペインの出番が終われば、スアレス ナバロは長いキャリアに別れを告げる。去年の激動を思えばなおさら、これまでの褒美として手にすべき引退生活が待っている。「くつろいで、全てから離れて、家族や友人と時間を過ごしたいわ。色々なことをやってみようと思うけど、最初の何ヶ月かは全てから離れたい。そうしていいだけの努力をしてきたし、去年のことがあってそれを必要としているの。人生を楽しみたいわ」

「ビリー・ジーン・キング・カップ」の決勝ラウンドで、スペインは18度の優勝を誇るアメリカ、そしてスロバキアと同じグループCに入った。月曜日に行われたスロバキアとの初戦では、スペインが2-1で勝利。火曜日にはスロバキアが2-1でアメリカに勝利したので、本日のスペインとアメリカの対戦で準決勝進出チームが決まる。

その他のグループではロシアが3-0でカナダに(グループA)、オーストラリアが2-1でベルギーに(グループB)、スイスが3-0でドイツに(グループD)勝利。本日グループAのフランス対ロシア戦、明日グループBのオーストラリア対ベラルーシ戦とグループDのチェコ対スイス戦が、そして各グループ首位の4チームにより金曜日に準決勝、土曜日に決勝が行われる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「フェドカップ」でのスアレス ナバロ(中央)

(Photo by David Aliaga/NurPhoto via Getty Images)