カタールW杯アジア最終予選特集カタールW杯アジア最終予選を戦うサッカー日本代表は、11月11日ベトナム、16日にオマーン…
カタールW杯アジア最終予選特集
カタールW杯アジア最終予選を戦うサッカー日本代表は、11月11日ベトナム、16日にオマーンと、いずれもアウェーでの2連戦に臨む。最終予選4試合が終わり、いろいろな戦いぶりが見えてきた森保ジャパンだが、この11月シリーズではどんなメンバーを招集し、どんな布陣で戦うべきだろうか。今回は6人のライターにメンバー、布陣、戦い方について意見を聞いた。
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心機一転、4-3-3と新たなメンバーの起用で臨みたい
左に三笘、右に坂元の起用を
杉山茂樹(スポーツライター)
FW/三笘薫(前田大然)、鎌田大地(南野拓実、オナイウ阿道)、坂元達裕(伊東純也)
MF/守田英正、田中碧(遠藤航)
MF/冨安健洋(谷口彰悟)
DF/菅原由勢(安西幸輝)、谷口彰悟(冨安健洋)、吉田麻也、山根視来
GK/権田修一
心機一転、新たなメンバーで臨む。
布陣は4-3-3で、マイボール時にはアンカー(冨安健洋か谷口彰悟)がセンターバック(CB)2人(吉田麻也と冨安か谷口)の間に降り、3バック的(3-4-3的)に構える。
両サイドバック(SB)は刷新。左は欧州で活躍している菅原由勢とJリーグ(鹿島アントラーズ)に戻り、よいパフォーマンスを見せている安西幸輝で争い、右はパス能力の高い山根視来に任せる。
アンカーは遠藤航を断念。守備的MFでプレーする機会が増えている谷口で行きたいが、CBの冨安と入れ替えてみるのも面白い。インサイドハーフは守田英正と田中碧の元川崎フロンターレコンビ。
左ウイングも元川崎の三笘薫。この選手を使わない手はない。右ウイングは逆取りの名手、坂元達裕。その技巧は代表レベルでも十分通じると判断する。スピード系の伊東純也は後半に交代出場させ、アクセントをつける。
センターフォワード(CF)はブンデスリーガでそれなりに活躍している鎌田大地をゼロトップ気味に使う。リバプールで出番の少ない南野拓実は、鎌田のサブ。展開によっては、オナイウ阿道が優先する場合もある。

前線で強度の高い上田や、スピードのある古橋を使わない手はない
上田、古橋の起用でゴールを狙うべき
小宮良之(スポーツライター)
FW/上田綺世(古橋亨梧)
MF/南野拓実(三笘薫)、鎌田大地、伊東純也(岡崎慎司)
MF/田中碧、遠藤航(橋本拳人)
DF/長友佑都(安西幸輝)、冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹
GK/権田修一
ベトナム、オマーンの連戦は、ある程度のターンオーバーがベターで、フォーメーションも変化させるべきかもしれない。
ベトナムは高さ、強さにハンディがあるチームで、それを考慮し、強度の高い選手の起用が効率的だろう。その点、上田綺世は格好の人材。前線のキープやヘディングでパワーを感じさせ、動き出しでスペースを作れるし、得点の気配もある。
本来は左利きの久保建英、堂安律が外せないが、今回はケガで厳しく、右で伊東純也が突破し、左で南野拓実が仕留める形が有力か。SBも高い位置を取って、押し込んだ形を作りたい。セットプレーは決定打になり得る。
オマーンは整然とした守備を作るが、三笘薫の突破や岡崎慎司の老獪さは十分に脅威になる。また、日本人FWとして旬にある古橋亨梧を使わない手はない。ゴールを狙うポジションで起用すべき。
そして遠藤航の代役に橋本拳人を推す。4-3-3で遠藤、橋本、田中碧にするのも選択肢。吉田麻也、冨安健洋、酒井宏樹は絶対的だが、長友佑都は最後まで持たないなら、縦にも中にも入れる安西幸輝先発も悪くない。
いずれにせよ、2試合トータルでのマネジメントが必要になりそうだ。

状態の良くないベテラン選手のポジションを入れ替える機会か
1トップと左SBを置き換える機会に
原山裕平(サッカーライター)
FW/南野拓実(三笘薫)、古橋亨梧(オナイウ阿道)、伊東純也(浅野拓磨)
MF/守田英正(鎌田大地)、田中碧
MF/遠藤航
DF/中山雄太(旗手玲央)、冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹
GK/権田修一
グループ内で最も実力の劣るベトナムと、普通に戦えれば勝てるはずのオマーンとの2連戦は、アウェーとはいえ本来、戦力の発掘やオプションを試すようなアプローチがあってもいいはずだが、すでに追い込まれている日本にそんな余裕はない。
ぶっつけ本番的に臨み、望外の成果を手にしたオーストラリア戦の布陣が、この11月シリーズでも基本となるはずだ。大迫勇也のケガの状態が心配な1トップには古橋亨梧を配置する。エースのプライドを傷つけることなく、今が旬のストライカーに置き換えられるのは、森保一監督にとってむしろ好都合か。
ただし、オーストラリア戦で隙を見せた左サイドは一考の余地がある。さすがに衰えを隠し切れなくなった長友佑都のポジションは、序列を踏まえて中山雄太を置いたが、その前を南野拓実でなく、欧州でブレイク中の三笘薫とするのであれば、旗手玲央とのセット起用も面白い。
4-3-3への親和性も高く、中盤の2人も含めた"川崎ユニット"が、結果的に日本の運命を担うことになるかもしれない。

ベトナム戦とオマーン戦でシステムを使い分ける手もある
戦いのバリエーションは増えたが、即席なのが不安
中山 淳(サッカージャーナリスト)
<ベトナム戦>
FW/南野拓実(三笘薫)、古橋亨梧(大迫勇也)、伊東純也(オナイウ阿道)
MF/守田英正(鎌田大地)、田中碧
MF/遠藤航
DF/中山雄太、冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹
GK/権田修一
<オマーン戦>
FW/南野拓実、古橋亨梧、伊東純也(オナイウ阿道)
MF/長友佑都(三笘薫)、守田英正、田中碧、酒井宏樹
DF/冨安健洋、遠藤航、吉田麻也
GK/権田修一
森保一監督は、頑なに貫いた4-2-3-1をオーストラリア戦で変更し、大迫勇也への縦パスを軸にして攻撃するスタイルも手放した。ただ、即席の4-3-3は攻撃面で機能しなかった。そういう意味で、グループ最下位のベトナム戦は4-3-3を継続し、攻撃面の改善を図る絶好の機会。同時に、ベテラン長友佑都と大迫を温存しやすい環境と言える。
仮に相手がベタ引きして攻撃が手詰まりになった時は、大迫、鎌田大地を入れて4-2-3-1に変更し、三笘薫をジョーカー起用する。引いた相手を崩すには、ドリブルではがせる人材が有効だからだ。
次のオマーンは、4-3-1-2の採用が予想されるため、中盤両サイドに空くスペースを日本はいかに攻略するかがカギ。そこで3―4-3(3-4-2-1)を採用し、右は伊東純也が、左は長友がそれぞれ高い位置をとり、相手の守備網を広げさせてから攻撃したい。
それでも打開できない時は、左ウイングバックに三笘を起用し、右の伊東とともに個人での打開によって、ゴールをこじ開けたい。相手2トップのカウンター封じは、3バックで対応。遠藤航を中央に配置して、リスクがない時は前に出て中盤を厚くすることもできる。
いずれにしても、これまで積み上げたスタイルを崩したことで、戦い方のバリエーションは大きく広がった。ただ、問題はすべて即席の戦術という点。どの布陣を採用するにせよ、誰をスタメンに選ぶにせよ、これが最大の不安であり、これまでのツケになる。

Jリーグで活躍する旗手、前田の起用も考えたいところ
オーストラリア戦からの流れを引き継ぐかどうか
浅田真樹(スポーツライター)
<ベトナム戦>
FW/古橋亨梧
MF/南野拓実(前田大然)、鎌田大地、伊東純也
MF/田中碧、遠藤航
DF/旗手玲央、冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹
GK/権田修一
<オマーン戦>
FW/南野拓実、古橋亨梧、伊東純也
MF/守田英正、田中碧
MF/遠藤航
DF/中山雄太、冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹
GK/権田修一
9、10月それぞれの2試合を振り返ると、フィジカルコンディションが悪い1試合目で苦戦する、という流れが続いている。11月の初戦はベトナムでのアウェーゲーム。ならば、より時差の小さい国内組の活用は、考慮すべき一手だろう。
しかもベトナムは、中国とともにグループのなかでは力が落ちる。日本がボールを保持する時間が長くなることを前提とすれば、左SBの旗手起用は有効だろう。A代表経験はなくとも、DFライン+ボランチに関しては、同じ顔ぶれで東京五輪を経験済み。不安は少ない。同様にJリーグで好調な前田大然も、切り札的な活用を考えたい。
ただし、近年力をつけてきているベトナムに対し、そもそも日本が主導権を握り続ける展開になるのか、という疑問もある。だとすれば、受けに回って足をすくわれる事態を避けるためにも、前回オーストラリア戦からのいい流れを引き継ぎ、オマーン戦用に挙げた布陣をベースにしたほうが無難ではあるのだろう。
戦いぶりが安定しない、今の日本代表には合っているのかもしれない。

コンディションを最優先に考え、国内組と海外組を使い分ける方法もある
ベトナム戦は国内組で戦うべき
後藤健生(サッカージャーナリスト)
<ベトナム戦>
FW/上田綺世(大迫勇也)
MF/前田大然、江坂任、武藤嘉紀(家長昭博)
MF/旗手怜央、稲垣祥
DF/長友佑都、町田浩樹(谷口彰悟)、中谷進之介、酒井宏樹
GK/権田修一
<オマーン戦>
FW/古橋亨梧(大迫勇也)
MF/南野拓実(前田大然)、鎌田大地(南野拓実)、伊東純也
MF/田中碧、遠藤航
DF/長友佑都、冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹
GK/権田修一
初戦でオマーンに敗れた日本代表。原因はコンディション不良だった。週末に欧州でプレー後に帰国して木曜日に試合というのは、スケジュール的に厳しいのだ。ロシアW杯予選でUAEに不覚を取った時も、原因は同じだった。
今回はハノイでの試合。日本への帰国以上に移動の負担は大きく、しかもアウェーでは調整も思い通りにはいかない。ベトナム戦は国内組で戦うべきだ。森保一監督の下でU-24日本代表も含めて招集経験のある選手を中心にメンバーを組んだ。
右サイドハーフには、森保体制での招集経験はないが、神戸で好調の武藤嘉紀を入れた(大迫勇也が間に合ってくれれば、ヴィッセル神戸でのコンビも生かせる)。絶対のキープ力を誇る家長昭博を起用すれば、酒井宏樹の攻撃力が生きる。CFの上田綺世、CBの中谷進之介、町田浩樹も成長している。
一方、海外組の選手たちは中東に集合して1週間の調整を行ない、国内組も合流。オマーンにはホームで敗れたとはいえ、万全の状態で戦えば負ける相手ではない。