■10月30日/JリーグYBCルヴァンカップ決勝  名古屋グランパス 2-0 セレッソ大阪(埼玉) 名古屋グランパスにと…

■10月30日/JリーグYBCルヴァンカップ決勝  名古屋グランパス 2-0 セレッソ大阪(埼玉)

 名古屋グランパスにとって、ルヴァンカップは今回が初めての優勝となる。実はこれが、初めての決勝でもあったほど、縁遠い大会だった。

 名古屋がタイトルを掴むのは、実に11年ぶり。ドラガン・ストイコビッチ監督の下でリーグ制覇した2010年以来だ。これまで天皇杯の優勝は2度あるので、今回のルヴァンカップはクラブ4つ目のタイトルとなる。

「グランパスに唯一足りなかった、ルヴァンカップのタイトルをしっかりと勝ち獲ることができた。そこはクラブもこだわっていた」とマッシモ・フィッカデンティ監督も語っていたが、これで名古屋グランパスは国内3大タイトルすべてを手にした。

 3大タイトルを手にしたことのあるクラブとしては、9番目になる。そしてマッシモ・フィッカデンティ監督としては、来日してから8年目、そして名古屋の監督に就任してから3年目で、初めてのタイトルとなった。今季はACLの制覇にも挑戦したが、10月17日に行われた準々決勝の浦項スティーラース戦で敗退。来季以降のお預けとなる。

 来季は改めて10年以来のリーグ制覇にも挑戦するが、越えなければいけない壁がある。その一つが、川崎フロンターレだ。今春に行われた川崎との首位攻防2連戦。“最強の矛”vs“最強の盾”と銘打たれた試合で、名古屋は全敗を喫している。

■自慢の守備を完全粉砕された過去

 当時の名古屋はリーグ最少失点。その守備を崩すのは至難の業と思われていたが、リーグ最多得点を誇っていた川崎は、2戦合計で7得点を奪ってみせたのだ。180分間を経過する前に、最強の盾は見事に粉砕されていた。以後、名古屋は攻撃にもテコ入れを図るようになる。

 正確には、川崎戦の“第1戦”の途中から名古屋はシステムを4-3-3に変更。それまで堅守を維持するために用いていた4-2-3-1から変更したのである。前半23分までに3失点してしまったことで、勝利に近づくために名古屋は慣れ親しんだシステムを一時的に捨てることを決意した。

 その後も4-3-3で攻める姿勢を時折見せるようになる。特にACLのグループステージでは多用しており、引いて守る相手を崩すためにこのシステムを用いた。

 名古屋が今後、さらなるタイトルを得るためには、そして、川崎を破るためには、堅守を維持しつつも攻撃のさらなる構築が望まれる。ルヴァンカップ決勝では先制したことで自分たちのペースに持ち込むことに成功したが、準決勝第2戦のアウェイFC東京戦では、苦しい時間が長かった。

 青赤軍団にゴールを許すと、反撃に転じようとしてもその手段は限られていた。稲垣祥のゴールは根性で奪ったゴールで、決してチームとして奪ったものではなかった。勝ちパターンを増やすために、堅守という“プランA”の他のプランを用意する必要がある。

■どうやってボールを前に運ぶのか

 川崎戦を振り返っても、等々力での“第2戦”では2点を取ることに成功したものの、この2点は3失点をして大勢が決まったあとのものだ。しかも、1点はマテウスの強烈なフリーキック。先述したように4-3-3にシステムは変更したものの、これだけで“プランB”とは言い難かった。どのようにして前にボールを運ぶのか、そしてどう侵入していくのか。

 新たなステージに入ろうとしている名古屋にとって、サポーターやステークホルダーが求めるものは大きくなる。来季、タイトルの獲得は当然のように思われるだろう。しかし、環境や選手も含め、名古屋にはそれを成し遂げる力がある。

 今後、どのようなグランパスを見せるのか。金星を獲得したマッシモ・グランパスの新章が幕を上げる。

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