フランスのデビスカップ代表監督であるヤニック・ノアは、この週末に行われるデビスカップ・ワールドグループ準々決勝「フランス対イギリス」(4月7~9日/フランス・ルーアン/室内ハードコート)戦にアンディ・マレー(イギリス)が出場しないからと…

 フランスのデビスカップ代表監督であるヤニック・ノアは、この週末に行われるデビスカップ・ワールドグループ準々決勝「フランス対イギリス」(4月7~9日/フランス・ルーアン/室内ハードコート)戦にアンディ・マレー(イギリス)が出場しないからといって、容易な週末を期待してはいけないと言った。世界1位のマレーは2年前にイギリスがデ杯優勝を遂げたときのチーム・リーダーだが、現在は肘の故障からの回復期にある。

 グランドスラムで3度優勝し、オリンピックで2度チャンピオンになったマレーが不在の中、世界ランク44位のダニエル・エバンズ、47位のカイル・エドマンドがイギリス代表として名を連ねている。  「我々が勝利の有力候補だとか、アンディ・マレーが出場しないから我々が勝つとかいう声を耳にし続けているが」と、ノアは木曜日のドロー抽選のあとに言った。「私は人々に言い聞かせようとし続けている。“いいや、非常に難しい戦いとなるだろう”とね。エバンズとエドマンドは優秀なプレーヤーだ。我々はここまで、ビデオによる相手の戦力分析を大いにやってきた。彼らの強みと弱みについて目にしたことを君たちに言うことはできないが、非常に競った戦いになることだろう」。  実はフランス・チームも戦力を落としている。世界10位のジョー ウィルフリード・ツォンガ、11位のガエル・モンフィス、22位のリシャール・ガスケを欠いており、今回のリーダーは23歳と若い、17位のルカ・プイユとなっている。  「プイユはこのテストを前に意欲を燃やしているが、彼が特別なプレッシャー下にいるとは感じていない」とノアは言った。

 ノアは1983年の全仏オープン優勝者であり、グランドスラムで優勝した最後のフランス人でもある。  プイユは、オープニングマッチとなる金曜日のシングルス第1試合でエドマンドと対戦する。これ以前の彼らの唯一の対戦だったオーストラリア・ブリスベンでのハードコートの試合では、エドマンドが勝っている。

 また、金曜日のシングルス第2試合では、ジェレミー・シャルディとエバンズが対戦する。ふたりは今回が初顔合わせだ。  土曜日にはダブルスが行われ、フランスはジュリアン・ベネトーとニコラ・マウ、イギリスはジェイミー・マレーとドミニク・イングロットが出場することになった。

 アンディ・マレーの兄であるジェイミーは、男子ダブルスで2度グランドスラム優勝を遂げているダブルス・スペシャリストである。一方のフランス・チームもダブルススペシャリストをそろえ、マウは現在、ダブルス・ランキングで5位と、4人の中で最上位であり(次が8位のジェイミー)、彼もグランドスラムの男子ダブルスで2度優勝、ベネトーも1度優勝している。

 日曜日は、初日の対戦相手を入れ替えたシングルスが行われ、プイユがエバンズと、シャルディがエドマンドと対戦する。  ノアは水曜日に、シングルスで元トップ10、現在30位のジル・シモンに代えて、68位のシャルディを起用するという驚きの発表を行ったが、この発表がいっそう驚きだったのは、ノアが木曜日まで待つことのできた決断を一日早く下したことだった。  「ジル(シモン)は、ときに勝利をもたらし、ときに苦しみながら非常に長いことデビスカップでプレーしてきた」とノアは言った。「ジェレミーはデビスカップでは新顔だが、彼に失うものは何もない。ここ数日の間、私は彼(シャルディ)がここにいたいという意欲に満ちていること、プレーする準備ができていることを目にした。彼はすぐさまこのサーフェスに慣れ、トレーニングで非常によくやっていた」。  イギリスは2015年にデビスカップ優勝を遂げた。一方のフランスは2014年の決勝でスイスに、2010年の決勝ではセルビアに敗れて、2001年以降、優勝することができていない。  フランスがイギリスとクレーコートで対戦するのは、1978年にロラン・ギャロスを会場に戦ったヨーロッパ・ゾーンの準決勝以来で、そのときはイギリスが3勝2敗で勝っている。(C)AP(テニスマガジン)