【AFC U―23アジアカップウズベキスタン2022予選 香港代表vsU-22日本代表 2021年10月28日 13:0…
【AFC U―23アジアカップウズベキスタン2022予選 香港代表vsU-22日本代表 2021年10月28日 13:00キックオフ】
今回、富樫監督は郷家友太だけでなく、松井蓮之、山原怜音、角田涼太朗とU-21ではない選手を計4人呼んだ。合宿で監督からその意味を説明されたという郷家は「生活の部分でも、会話やコミュニケーションを取って還元しないといけない」と試合や練習以外でも模範を示すことでその期待に応えつつ「特に自分は、ポーランド(U-20ワールドカップ)やアジアの戦いを経験してきた」と4人の中でも特別な還元をすることを心掛けて役割を果たしてきた。
試合でも落ち着いたゲームコントロールの中心で危なげない勝利に導き、63分には自らゴールも記録した。特殊な事情で招集されることになったが、経験を還元して役目を終え、当たり前のように去っていくだけではない。事情が事情だけに、来年のU-23アジアカップでもU-21の選手たちの統率役を任される可能性はある。この世代のチームに欠かせない選手としてパリで再合流、という未来もある。
神戸ではまだアンドレス・イニエスタや酒井高徳といった周りの選手たちに引っ張られる存在だが、今回の活動で久しぶりに引っ張る側に回った彼は試合後「(神戸で)しっかり貢献して、こういう舞台に帰ってこられるように」と語った。還元する側に回った今回の経験が、A代表、そしてパリのオーバーエイジ候補に名前が挙がるような進化に繋がるだろう。
■特別な還元を期待されている選手
郷家には年長者としての還元が期待されていたが、パリ世代の中にも特別な還元を期待されている選手がいる。
東京ヴェルディから徳島ヴォルティスに移籍した藤田譲瑠チマは、リーグ戦では23試合に出場(スタメンは11試合)。苦しいチーム状況の中で不安定な起用となっているが、期待の大きさは変わっておらず、夏には東京五輪のトレーニングパートナーに選ばれた。
U-24代表と活動を共にし、7月12日のホンジュラス戦では出場機会も与えられた彼は、自分がこの世代の中心になるべきだということをはっきりと意識している。2019年のU-17ワールドカップに出場している藤田だが(※今回のチームでは、佐々木雅士、半田陸、畑大雅、田中聡も出場)、五輪に帯同して「ハーフタイムや試合前の要求の質や量がこのカテゴリーとは全然違う、と感じた」と衝撃を受けた。
今回の意気込みを「自分が伝えていかないといけないし、自分からどんどん要求を増やして、チームとしての考えをすり合わせていきたい」と語っていた彼は、その言葉通りに試合中もどんどん声を出していった。飲水タイムが設定されなかった試合で、選手たちはことあるごとにコミュニケーションを図ったが、積極的にそうする空気を作っていたのは藤田だった。
■郷家と藤田以外にも目が離せない
後半途中からはキャプテンマークを巻いて堂々と振る舞い、チームを最後まで油断させず試合を終わらせた。
ヴェルディで試合に出るようになった時から既に、ピッチに立てば相手が先輩でも関係なく堂々と指示を出し、檄を飛ばしていた。徳島でも、試合に出れば中心選手としての振る舞い方を見せ、コメントもその目線で出している。そんな彼は、同世代のチームで別格の存在感を放った。将来の還元役として五輪のトレーニングパートナーに選ばれるこれ以上の人選はなかったということを自ら示した。五輪代表の基準を新たな世代に還元した意味はとてつもなく大きい。
キャプテンマークを巻いた2人が大きな還元をもたらしたチームは、アジアカップに駒を進めた。新たなスタートを切った彼らがどうなっていくか。郷家、藤田だけでなく、全ての選手から目が離せない。
■試合結果
香港 0―4 日本
■得点
14分 藤尾翔太(日本)
49分 藤尾翔太(日本)
63分 郷家友太(日本)
85分 細谷真大(日本)