10月31日、東京競馬場でGⅠ天皇賞・秋(芝2000m)が行なわれる。 2000mのGⅠは中距離馬だけでなく、長距離タ…
10月31日、東京競馬場でGⅠ天皇賞・秋(芝2000m)が行なわれる。
2000mのGⅠは中距離馬だけでなく、長距離タイプやマイラータイプの馬も出走し、強力メンバーが集まることが多い。今年も皐月賞馬エフフォーリア、安田記念などGⅠ5勝のグランアレグリア、昨年の三冠馬コントレイル、マイルチャンピオンシップのペルシアンナイト、菊花賞などGⅠ2勝のワールドプレミアと、5頭のGⅠ馬が出走する。

GⅠ5勝を挙げているグランアレグリア
今回は「東京/芝2000m」の種牡馬成績を参考に話を進めていこう。過去約15年の東京/芝2000mの成績を見ると、ディープインパクト産駒が510戦73勝と、393戦41勝の2位ステイゴールドに大差をつける圧倒的な数字。勝率14.3%、連対率27.5%と実に優秀だ。
しかし天皇賞・秋に限ると、46戦1勝、2着7回で勝率2.2%、連対率17.4%。新馬戦の45戦13勝、勝率28.9%、連対率44.4%に比べると大きく数字が下がっている。クラスが上がることで相手が強くなり、レースレベルも上がるため数字が下がるのは自然なことかもしれないが、それにしても極端な下がり方だ。クラスが上がることでペースもタイムも速くなり、レースの質が大きく異なるということだろう。
こうして見るとディープインパクト産駒にとって天皇賞・秋は「得意でないレース」とも言えるが、1頭の勝ち馬、7頭の2着馬の傾向から、好走する条件が見えてくるはずだ。今回はそういう視点で分析してみよう。
ディープインパクト産駒で天皇賞・秋の2着以内に入ったのは、以下の延べ8頭。
13年 ジェンティルドンナ:1番人気・2着
14年 スピルバーグ:5番人気・1着
14年 ジェンティルドンナ:2番人気・2着
15年 ステファノス:10番人気・2着
16年 リアルスティール:7番人気・2着
18年 サングレーザー:4番人気・2着
19年 ダノンプレミアム:3番人気・2着
20年 フィエールマン:5番人気・2着
これらの多くの馬に共通するのは、2000mよりも、1600mや1800mで強い競馬を見せていること。ステファノスは芝1600mのGⅢ富士Sの勝ち馬、リアルスティールは芝1800mの首GⅠドバイターフの勝ち馬で、この2頭は2000mでの勝利がなかった。サングレーザーも芝1600mのGⅡマイラーズCをレコード勝ちした馬で、ダノンプレミアムも芝1600mのGⅠ朝日杯フューチュリティSのパフォーマンスが印象的な馬だった。
これを踏まえ、今年出走するディープインパクト産駒を見てみよう。まずはグランアレグリア(牝5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)。
同馬は今年のGⅠヴィクトリアマイル、昨年のGⅠ安田記念など芝1600mのGⅠを4勝。さらに、芝1200mのGⅠスプリンターズSを勝ったスピード馬で、ディープインパクト産駒の"最強マイラー"とも呼ばれる存在だ。東京競馬場でも重賞3勝を含む4勝。2000mは今春の大阪杯(阪神)で1戦して4着も、重馬場で大崩れしなかったのは評価できる内容だった。良馬場のスピード競馬になれば勝ち負けしてくるだろう。
コントレイル(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)は、昨年の牡馬クラシック三冠馬。2400mのGⅠ日本ダービーも、3000mのGⅠ菊花賞も勝っているが、デビュー2戦目で勝利した東京/芝1800mのGⅢ東京スポーツ杯2歳Sの内容が圧巻で、2着に5馬身差をつける2歳レコードタイムを樹立している。
2歳時には騎手や厩舎関係者も「2000mは長い」といったコメントが出るくらいで、本質はスピードタイプ。しかし2000mのGⅠホープフルS、GⅠ皐月賞(いずれも中山)を勝利し、東京コースでは日本ダービーも勝利と、距離、コース実績も十分。重馬場の大阪杯は3着に敗れたが、馬場が渋らなければ力を発揮できるだろう。
以上、今年の天皇賞・秋はグランアレグリア、コントレイルの人気馬2頭によるハイレベルな争いに期待したい。