今週は東京競馬場で第164回・天皇賞・秋(GI、芝2000m)が行われる。年内に…

今週は東京競馬場で第164回・天皇賞・秋(GI、芝2000m)が行われる。年内に引退が決まっている昨年の三冠馬コントレイル、“3階級制覇”を狙うGI5勝のグランアレグリア、今年の天皇賞・春を制したワールドプレミア、皐月賞を制し日本ダービー2着のエフフォーリアなど豪華メンバーが出走予定だ。

ここでは天皇賞秋の好走パターンと世代のレベルを読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてコントレイルを取り上げたい。

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■コントレイルの明と暗

まずは、コントレイルの近3走について考察する。

3走前の菊花賞(京都芝3000m)は、五分のスタートから中団インの7番手に構え、末脚を溜める競馬となった。道中は何度か行きたがる素振りをみせたものの、鞍上が上手くなだめて直線で抜け出し、迫るアリストテレスをクビ差封じて無敗の三冠馬となった。

古馬初対戦となった2走前のジャパンC。アーモンドアイ、デアリングタクト、カレンブーケドールなど豪華メンバー揃う一戦となったが、キセキが大逃げの策を打つ中コントレイルは道中9番手に構えこれまで通り末脚を溜める競馬となった。4コーナーに入り鞍上が促すと徐々に加速し、上がり最速となる34秒3の末脚で先に抜け出すアーモンドアイを目標に交わそうとするも一歩及ばず2着となった。

そして前走の大阪杯。大雨×重馬場というタフな条件でのレースとなったが、これまで通り9番手から競馬を進めた。グランアレグリアと共に4コーナーでマクリ気味に進出して直線を迎えるものの、先に抜け出すレイパパレになかなか迫ることが出来ず、後ろから差し脚を伸ばしてきたモズベッロにも交わされて3着となった。

戦歴からも「世代屈指の末脚を持ち、馬場条件問わず好走できる」と評価することもでき、また古馬初対戦となったジャパンCでもアーモンドアイの2着に好走したことから現役最上位の能力の持ち主だと評価できる。

しかし、今回も豪華強力メンバーが揃う一戦で、タフな馬場を走りぬいた大阪杯からの直行ローテになってしまったことに加え、歳を重ねてテンに行けるスピードが遅くなってしまいポジション取りが悪くなってしまっているコントレイルに対して一抹の不安が残る。

■コントレイルの末脚と成長曲線

次にコントレイルの上がり3Fのタイムについて分析する。

以上のように、デビュー以降で「33秒台」の末脚をマークしたのは東京スポーツ杯2歳Sと新馬戦の2回で、東京競馬場においては全てのレースで上がり最速の末脚を繰り出している。天皇賞・秋では「上がり1位~3位馬の複勝率100%」のデータがあり、東京競馬場で末脚が崩れないコントレイルに対して期待が大きくなることは当然だろう。

しかし、日本ダービー以降はテンに遅れてしまうことから位置取りが悪くなってしまうレース展開に加え、上がり最速の末脚を繰り出せなくなってきているコントレイル。一週前追い切り後の馬体重は470キロ台と2歳時と比べても馬体の成長があまりなかったといった印象もあり、そのうえで58キロという斤量を背負いながら上がり上位の末脚を繰り出すことは高望みなのだ。

■「谷間世代」に誕生した無敗の三冠馬

次に、現4歳世代(牡馬)のレベルについて分析する。

このように、現4歳世代の牡馬三冠レースにおいて上位入線した馬のうち、初の古馬との対戦で結果を残せているのはアリストテレス(AJCC1着)、サリオス(毎日王冠1着)しかおらず、古馬になってからはディープボンド(阪神大賞典1着)の一頭だけしか結果を残せていない。成長曲線の有無もあるもののこれだけ出世馬が少ないとなるといかにレベルの低かったクラシックだったかが証明されてしまう。

また、現3歳世代の古馬混合重賞における成績と昨年、一昨年の3歳世代の成績を比較すると以下の通りになる。

[抽出期間]各年1月1日~10月27日で行われた重賞成績

比較すると一目瞭然だが、今年の世代は古馬混合重賞で最多となる7勝を挙げるなど「最強世代」の名に相応しい活躍をみせている。また、一昨年の世代はグランアレグリア、クロノジェネシス、ラヴズオンリーユー、ダノンキングリーなど筆頭に古馬になってからも活躍する馬が多く、今年国内外でGIを制覇した馬がズラリと並ぶ。一方現在の4歳世代は3歳時に古馬混合重賞で勝率5.3%・複勝率15.8%と全く通用しておらず、古馬になってGI(芝)を勝利したのはレイパパレの一頭しかいない。つまり、「谷間世代」の中に誕生した無敗の三冠馬に対して過度の期待をしてしまうのはリスクが大きい。

馬券の妙味を考えると、コントレイルは「消し」の評価。

「後編」ではコントレイルに代わる本命、そして穴馬3頭を含めた結論を紹介する。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)