DDTの頂点を決める戦い「D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ」が11.3大田区総合体育館で開幕。5度目の出場となるHARASHIMAは第1回大会準優勝だが優勝はない。今回は少し早いが2021年を振り返ると共に、D王GPで戦うBブロック…

DDTの頂点を決める戦い「D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ」が11.3大田区総合体育館で開幕。5度目の出場となるHARASHIMAは第1回大会準優勝だが優勝はない。今回は少し早いが2021年を振り返ると共に、D王GPで戦うBブロックの選手の印象を聞いた。

――KO-Dタッグ10度目の戴冠おめでとうございます。パートナーがDISASTER BOX(ディザスターボックス)で1番若い吉村直巳選手ですね。
 

HARASHIMA:ありがとうございます。これまでのパートナーは大日本プロレスの岡林裕二選手やNOAHの丸藤正道選手、666の宮本裕向選手、ヤス・ウラノ選手等、自分と同世代もしくは自分よりキャリアが上の選手とのベルト戴冠が多かった。自分よりキャリアが浅く若い選手は初めてですね。
 

――若い吉村選手と組むということはリーダーとしてHARASHIMA選手がタッグチームを引っ張る感じでしたか?
 

HARASHIMA:DISASTER BOXはリーダーとか関係なく自由に意見を言っていいしリング上でお互いベストを出せるような関係性を築いているので僕の立ち位置は変わりません。ただこれまでDDTだけではなく「プロレス業界が盛り上がればいい」と思い他団体の選手と組むことが多かったですが、今回ユニットの後輩である吉村と組んでベルトを獲得できたことは気持ち的に大きいですね。
 

【吉村直巳(1)】HARASHIMAさんとベルトを巻くことに意味がある
 

吉村は上野勇希と組みノーチラスとしてベルトを巻いていた時期があります。コロナ禍になり彼は怪我で半年間欠場した。プロレスが出来ない時期、DDTフーズで「オンラインドロキ」等のオンラインイベントがあり、プロレス興行以外で吉村と話す機会が多く「普段の吉村」を知ることができました。それで一緒にユニットをやっていきたい気持ちが強まりました。

 

――結束が強まったのですね。ところで少し早いのですがHARASHIMA選手の2021年を振り返って頂きたいのですが、昨年末「年越しプロレス」で大日本プロレスの岡林裕二選手とタッグを組みました。
 

HARASHIMA:2020年の年越しプロレスはお客さんの抽選でタッグパートナーが決まりました。岡林さんとは過去何度か組んだことがありタッグでの対戦も数回あります。共通の知人を通じて一緒に飲んだことがありますね…なんならリング上よりもお酒の席で会った回数の方が多いかも(苦笑)。
 

【大日本 岡林裕二】原点である地元高知で凱旋興行
 

岡林さんのことは昔から知っているし楽しく騒いでいる仲間の1人。ファイトスタイルは全く違いますが「プロレスを盛り上げたい」「観ている人に元気を与えたい」という考えは一緒。それで「スマイルピッサリ」は明るいチームになったと思います(笑)。
 

2月のカルッツかわさき大会で樋口和貞&納谷幸男組と戦い、4月の後楽園大会でEruptionの持つKO-Dタッグに挑戦しタイトル奪取。団体を超えて「元気を与えられるチーム」だと感じました。まぁ、岡林さんの技のせいで僕の首が絞められるというハチャメチャなところもありましたけど(苦笑)。
 

そういえば大阪でベルトを落としたThe 37KAMIINAとのタッグ戦も、僕に勝俣を雪崩式ブレーンバスターで投げるように指示し岡林さんが下から僕たち2人をパワーボムで投げ捨てた。勝俣にダメージを与えたけど結果的に僕もダメージを受けた(苦笑)。
 

――タッグパートナーごと投げ捨てる眉山をやり馴れているから、勝つためにはパートナーを巻き込んでもいい!と考えているのかも知れませんね(笑)。
 

HARASHIMA:味方でありながら大ダメージを負いました(笑)。でもそういう部分も含め多くの人にプラスのエネルギーを与えることが出来たチームだと思います。

――そして6月さいたまスーパーアリーナで「CyberFight Festival 2021」が行われ秋山準選手のKO-D無差別級王座に挑戦しました。

 

HARASHIMA:それまで秋山選手とタッグで戦ったことはありますがシングル対決は初めて。さいたまスーパーアリーナという最高の舞台、秋山選手は全日本プロレスというメジャー団体出身。僕は「どインディー根性」が人一倍強い。
 

【6.6 CyberFight FESTIVAL 2021】DDT vs NOAH対抗戦
 

DDTが小さな団体だった頃から、新日本プロレス・全日本プロレス・NOAHというメジャー団体と比べられてきた。比べられるというか比べることすら許されない存在だった頃から僕はDDTにいます。でも自分たちのやっていることに自信を持っていて、それを「さいたまスーパーアリーナという大舞台で観せられる」という気持ちがすごく大きかったですね。
 

やっと対等の立場で戦える場所に来た。だから意地を見せたいし、今まで自分たちのやってきたことを証明したいと思いました。
 

――僕は2014年頃からDDTを見始めました。その頃からメジャー団体より劣るところは一切ないと思って観戦しています。
 

HARASHIMA:ありがとうございます。そうやって見てくれる人がいるのはありがたいけどプロレス専門誌を開けば表紙からカラーページはメジャー団体。僕らが頑張って後楽園ホールや大きな会場で試合をしても白黒ページ。同じリングで戦っているのに世間まで届かないし伝わらないもどかしさを感じていました。そういう思いを溜めてきました。
 

【HARASHIMA】D王GP覇者・田中将斗と一騎打ちへ
 

でも時代が変わりDDTが団体として大きくなった。CyberFight FESではDDTを昔から観ているファンの方にも届けたかった。僕は勝手にインディー、そして昔から観てくれているファンの気持ちを背負って試合をしました。

――コロナ禍でイベント開催が難しい中、CyberFight FESは本当に素晴らしい興行だと思います。いつも以上にレスラーの気持ちが伝わってきました。スタッフの方々も大変だったと思いますが定期的に開催していただけるとプロレスファンも喜ぶと思います。
 

HARASHIMA:僕たちも継続してやりたいと思っています。
 

――そして夏は「KING OF DDTトーナメント2021」が行われました。HARASHIMA選手は1回戦 大石真翔選手に勝利、2回戦は残念ながら火野裕士選手に敗れてしまいました。
 

HARASHIMA:昔、火野選手とKO-D無差別級のタイトル戦を戦ったことがありました。ただその頃より1.5倍くらい彼の身体が大きくなっていました(苦笑)。最先端の試合スタイルではなかったけど正面からぶつかり合って、負けて悔しいけど楽しかった記憶があります。
 

【KING OF DDT 2021 FINAL】優勝は竹下幸之介!
 

――試合終盤で激しいエルボーの打ち合い合戦もありました。
 

HARASHIMA:今思えばエルボーの打ち合いはやらなくて良かったけど、試合中はやってみたくなっちゃうんですよね(苦笑)。
 

――レスラーの性ですね(笑)。ところで11月3日からD王GPが始まります。
 

HARASHIMA:僕は2018年の第1回大会で準優勝しただけで優勝経験がないんですよ。
 

【クリス・ブルックス(1)】プロレスビデオを繰り返し観ていた
 

――今年はBブロックにエントリー。同じブロックにKO-D無差別級王者 竹下幸之介選手、樋口和貞選手、クリス・ブルックス選手、MAO選手、前タッグパートナーの岡林裕二選手がいます。各選手の印象を伺ってもいいですか?
 

HARASHIMA:竹下は戦うたびに強くなっているのを感じます。体も大きいし冷静に試合を展開できるので本当に成長していますね。4月の海外遠征後、タッグマッチで何度か対戦しました。ただタッグでの竹下は一歩下がってパートナーの勝俣瞬馬に指示を出しています。それによって勝俣が大きく成長しました。シングルで戦うのは久しぶりだし、タッグでは温存している技も多いので戦うのが楽しみですね。

――Eruptionの樋口和貞選手はいかがですか?
 

HARASHIMA:昨年のキングオブDDTトーナメント、8月神田明神ホールで樋口に負けているんですよ。昔、僕がKO-D無差別級王者の時、デビューしたばかりの樋口と対戦しました。2015年5月札幌大会、その時「すごいポテンシャルを秘めているレスラーだ」と感じました。彼は真正面からぶつかって来るので大変ですけど、去年の借りを返したいと思います。
 

【樋口和貞(前編)】力士時代の悔しさを思い出した
 

――続いてクリス・ブルックス選手の印象を教えて下さい。
 

HARASHIMA:クリスとは昨年のD王GPで戦い勝利しました。手足が長くてプロレス頭があり、なによりハートが温かい。毎回戦っていて面白いです。
 

――そして勢いのあるThe 37KAMIINAのMAO選手も同じブロックです。
 

HARASHIMA:とにかく予測不能な動きをするので、リング上で冷静に対処するように気をつけようと思います。常に新しいことを考えてトリッキーなことを仕掛けてくるし、キチンと練習もして着実に体も大きくなっている。シングルで肌を合わせるのがワクワクしますね。
 

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――最後に元タッグパートナーの岡林裕二選手です。シングルは初めてですか?

 

HARASHIMA:初めてですね。タッグを組んでいたので分かる部分もある。相手の手の内を読み合うこともあるし、そんなこと関係なくガンガンぶつかってくる面もあるだろうし。8月の富士通スタジアム川崎、10人タッグで久しぶりに岡林選手と対戦しましたが、やっぱりパワーがすごかった。真正面から戦うけどパワーではない部分で競い合いたいですね。

 

とにかく1度も優勝したことがないので、今度こそD王GPで優勝したいと思います!

 

<終わり>

<インフォメーション>
11.3大田区総合体育館大会から「D王 GRAND PRIX 2021 Ⅱ」が開幕します。HARASHIMA選手はBブロック。開幕戦で樋口和貞選手と対戦します。果たして今回は誰が頂点に立つのか!
詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。
 

また試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます。
 

HARASHIMA Twitter
 

取材・文/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング
 


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