2日(日本時間3日)に開幕を迎えたメジャーで珍事が発生した。ナ・リーグの今季1号ホームランを放ったのが、なんと投手だったのだ。■5回にサイ・ヤング投手から弾丸ライナー、7回には勝ち越し弾 2日(日本時間3日)に開幕を迎えたメジャーで珍事が発…

2日(日本時間3日)に開幕を迎えたメジャーで珍事が発生した。ナ・リーグの今季1号ホームランを放ったのが、なんと投手だったのだ。

■5回にサイ・ヤング投手から弾丸ライナー、7回には勝ち越し弾

 2日(日本時間3日)に開幕を迎えたメジャーで珍事が発生した。ナ・リーグの今季1号ホームランを放ったのが、なんと投手だったのだ。だが、その名を聞けば納得する人も多いはず。その人物こそ、ジャイアンツのエース左腕マディソン・バムガーナー投手だからだ。強打で知られるバムガーナーは、敵地で行われたダイヤモンドバックスとの開幕戦に先発し、自ら2本塁打を放つ離れ業を達成。米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトによると、開幕戦で投手が2本塁打を放ったのはメジャー史上初の快挙だという。

 メジャーの“二刀流エース”が、開幕戦で規格外のパワーを見せつけた。5回無死走者なしの場面で迎えた第2打席、敵のエース右腕グリンキーが1ボール2ストライクから投げた高め速球をフルスイング。物凄いスピードで飛び出したライナー性の打球は、瞬く間にレフト席に飛び込んだ。強烈な一発はナ・リーグ今季第1号で、マウンド上のサイ・ヤング賞投手グリンキーも唖然とするしかなかった。

 2本目が飛び出したのは、3-3の同点で迎えた7回1死走者なしの場面。Dバックス4番手の左腕チェイフィンが2ボールから投じた3球目速球を捉えると、打球は再びレフトスタンドへ。この一撃でジャイアンツは一時勝ち越しに成功した。

■球団史上では2002年のボンズ以来となる開幕戦2本塁打

 球団公式サイトによれば、開幕戦に2本塁打を放ったのは、ジャイアンツでは2002年のバリー・ボンズ以来の偉業。メジャー歴代最多本塁打数を誇る強打者に次ぐ快挙を成し遂げてしまった左腕は、スラッガーとしても有名で、球宴のホームランダービーに本気で出場したがっているほど。この日まで現役投手最多の14本塁打を記録し、2014年(4本塁打)、2015年(5本塁打)にはシルバースラッガー賞を受賞している。

 MLBのデータ解析システム「スタットキャスト」によると、1本目のアーチは打球速度が112.5マイル(約181キロ)で、システム導入以来、投手としては最速を記録。2本塁打目も112.1マイル(約180キロ)で2番目に速かったという。さらに、1試合の中で打球速度が112マイルを超える本塁打を2本以上放ったのは、マーリンズの大砲スタントン以来2人目だそうだ。

 この日、マウンド上では6回1死からマシスに三塁打を許すまで、無安打無四球のパーフェクト投球を披露したバムガーナー。6回に3失点した後、7回に自らの一発で勝ち越し、7回を投げて6安打11奪三振3失点で、1点リードのまま降板したが、後続が逆転を許して惜しくも初勝利はならなかった。

 日本では“二刀流”大谷翔平が、昨シーズン10勝20本塁打という成績を残したが、この調子でいけばバムガーナーの2桁勝利2桁本塁打も夢ではないかもしれない。