サッカー日本代表は10月12日、埼玉スタジアムでオーストラリア代表とワールドカップ最終予選を戦い、2-1で勝利した。 …

 サッカー日本代表は10月12日、埼玉スタジアムでオーストラリア代表とワールドカップ最終予選を戦い、2-1で勝利した。
 すでに監督交代の可能性もささやかれる窮地にいただけに、大きな1勝だった。このゲームの意味、そして今後の展望を、取材歴50年を超える大住良之、後藤健生という2人のベテランサッカージャーナリストが深夜に、深く熱く、語り合った。

――システムや軸となる選手など、今後につながるベースは見えましたか。守備陣はしっかりしていますが。

後藤「最終ラインから遠藤航までは、不動でいいんじゃない。遠藤の相棒が、柴崎岳ではないことは分かった。守田英正か、田中碧か」

大住「田中には、堂々と頼れるな、チームの中心だな、と言える選手になってほしいよね」

後藤「そういう意味でも、彼が点を取ったのは良かった。選手は皆、田中のことを信用しているよ。難しい場面でも田中に預けて、というシーンは多かったから。後ろの方の選手はオリンピックでも田中とずっと一緒にやっていたんだから、“新しい選手”という感覚じゃないよね。そうなると、信用していないのは森保一監督、ということになるのかなあ」

■「田中が中心、遠藤が支えるチーム」に

大住「とにかくオーストラリア戦の田中は、攻撃面で多少は活躍してくれるんじゃないかなあと思っていたけど、本当によくピッチの状況が見えていた。行ける時と行けない時の判断がものすごく良かった。行けない時に無理をして相手に奪われることはないし、ちゃんとやり直しができる選手なので、ゲーム全体をコントロールしつつあった。これから、田中を中心に、遠藤が支えるというチームになっていくんじゃないかな」

後藤「行けそうもない時にキャンセルすることができるというのは、川崎フロンターレでは当たり前のことだからね。田中はデュッセルドルフで、まだ周りの選手のことをよく知らなくて、周りも田中のことを分かっていないから、ちょっと苦労している。今後、クラブで落ち着いてきたら、代表でもさらに良くなってくるだろうしね」

――23歳で、もう中心になってもおかしくない年齢です。

大住「ブンデスリーガの2部で注目を集めて、長友佑都みたい半年でもっと上のクラブに移籍することを期待している。ああいうふうになってほしいな、と思っているんだけど」

後藤「すごい才能があるなというのは見ていて分かるけど、周りの選手とのコンビネーションができていないので、足元に出すべきか、スペースに出すべきかという判断がすごく難しそう。それは試合を重ねていくしかないからなあ」

■さすがの大迫のポストプレー

――チームの攻撃面への物足りなさは解消されましたか。

大住「そこに、今回は負傷で参加できなかった久保建英堂安律が欲しいところだよね」

後藤「10月シリーズはその2人がいない上、サウジアラビア戦では伊東純也が出場停止で、右サイドをできそうな選手が、こぞっていなくなっちゃった」

――大住さんが提唱した古橋亨梧のCFは実現しました。

大住「このオーストラリア戦で古橋が本当に役に立ったのは、勝ち越しゴールが決まった後だよね。前線で相手を追いかけ回してGKまで追って、その後も足を止めずに走っていた」

後藤「あの時間帯で出てきた足の速い選手には、それも大事な仕事だから」

大住「そういう意味では、古橋は自分の仕事をしたと思う」

後藤「じゃあ古橋が先発かというと、それはまた別の話だよ」

大住「相手次第かな」

――大迫勇也への信頼度は揺るぎませんね。

後藤「シュートが決まらないのは問題ではあるけれど、大迫はやはり軸になるよ」

大住「でも、だいぶ潰されていたよね」

後藤「それもCFの仕事だよ。前半の早い時間に、DFを背負って結構良いプレーをしたでしょう。吉田麻也から大迫にボールが入って、後ろからガチガチ来られても頑張ってつないで、伊東が抜けていった。ゴール前じゃないけど、大迫はそうやって頑張れるもんね」

大住「最前線より、中盤での持ち出すプレーの方がうまかったように思うな。あとシュート自体は良かったのに、決まらない場面もあったね。前半35分に遠藤航のものすごいインターセプトから、大迫がガーッとゴール前に運んで、最後に内側にかわして、しかもふわりと抜くようなシュート。完璧だったけど、横に逸れちゃった」

後藤「ヴィッセル神戸でも、まだ1点しか取っていないでしょ。良いプレーをして、武藤嘉紀にアシストしたりしているけど。つまり、ゴールの感覚が戻っていない。今夜のシュートが入っていたら、『さすが大迫』と言われていたはずだけどね。あの時間帯に随分チャンスがあったから、それを決めておければねえ。繰り返すけど、ワールドカップ予選では、『つまらない試合で勝つ』のが一番だから」

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