9月に初の世界ランキングトップ10入りを果たした26歳のマリア・サカーリ(ギリシャ)は、春に「WTA1000 マイアミ」で準決勝に進出して以降、ますます力をつけてきた。その後は2つのグランドスラムで準決勝に出場し、共に最終的に優勝を果たした…

9月に初の世界ランキングトップ10入りを果たした26歳のマリア・サカーリ(ギリシャ)は、春に「WTA1000 マイアミ」で準決勝に進出して以降、ますます力をつけてきた。その後は2つのグランドスラムで準決勝に出場し、共に最終的に優勝を果たした選手に敗れた。「全仏オープン」ではバーボラ・クレイチコバ(チェコ)、「全米オープン」ではエマ・ラドゥカヌ(イギリス)だ。【ハイライト動画】プリスコバ vs サカーリ/全米オープンテニス2021 準々決勝【関連記事】全仏ベスト4、ギリシャのトップテニス選手の恋人は首相の息子

サカーリが今年、キャリア最高のシーズンを過ごすに至った鍵は、年間を通して定期的に休息を取ってきたことだと本人は考えている。テニス関連ニュースサイトTennis Headが報じている。

サカーリのこれまでのグランドスラムでの最高成績は、2020年の「全豪オープン」および「全米オープン」での4回戦進出であった。サカーリはテニス界きっての努力家として知られてきたが、コーチであるイギリス人のトム・ヒル氏は、サカーリが大変な努力から回復する時間を取れるよう気を付けてきた。

「スケジューリングと休息について、私たちはすごく賢明だったと思う。今年はトムが私にたくさんの休日をくれたわ。おそらく私以上に、彼には今年が長いシーズンになることがわかっていたのね」とサカーリは語った。

「彼にはその準備ができていた。私たちの間にこういうコミュニケーションがあるのはすごくいいこと。大会の後、彼は私に3日か4日の休息を取らせてくれる。もしかしたら他の選手は違うかもしれないけど、彼は数日間は私をコートに戻らせないの」

「以前の私は、余分に休みを取ると、“ああだめ、タイミングがわからなくなっちゃう。勢いが途絶えちゃう”って考えるような選手だった。でも、少し年を重ねて以前より成熟するにつれて、自分にとって何がいいのかがわかるようになってきたの。自分の体と心にとって何がいいのかがね」

「ふさわしい人々が自分の周りにいるおかげで、彼らが言っていることや、私たちが達成しようとしていることは、いいスケジュールなしではできないとわかったの。単純に、時には練習よりも休息の方が大切で、1日練習をしなかったとしてもパニックを起こすべきではないと気づいたの。1日でプレーの仕方やボールの打ち方を忘れはしないわ」

サカーリは、このままいけばシーズン末にメキシコのグアダラハラで開催される「WTAファイナルズ」への初登場を実現できそうだ。これは、この1年で最も多くのランキングポイントを獲得した8人の選手だけが出場できる大会だ。サカーリは、この大会への出場者8人を決めるレースランキングで、現在5位につけている。もし出場が実現すれば、ギリシャの女子選手として初の快挙となる。

サカーリは現在キャリア最高の世界ランキング9位につけており、目下開催中の「WTA1000 インディアンウェルズ」には第6シードとして2回戦から出場したが、初戦で大会を去った。しかし、大会の開催時期の関係で、サカーリの世界ランキングはさらに上がる可能性がある。

WTAのランキングが次回更新される際には、新型コロナウイルス感染症の影響で遅れて開催された2020年の「全仏オープン」のポイントが失効するのだ。このため、現在世界4位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)と8位のソフィア・ケニン(アメリカ)は、それぞれ同大会の優勝者と準優勝者としてのポイントを失うこととなる。

ケニンは「WTA1000 インディアンウェルズ」に出場していないため、確実に1,059ポイントを失い、トップ10から陥落する。シフィオンテクの「WTA1000 インディアンウェルズ」での成績次第で、サカーリは世界7位まで上昇する可能性がある。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「パレルモ・オープン」でのサカーリ

(Photo by Tullio M. Puglia/Getty Images)