■10月10日/JリーグYBCルヴァンカップ 準決勝 第2戦  名古屋グランパス-FC東京(味の素) 味の素スタジアムで…

■10月10日/JリーグYBCルヴァンカップ 準決勝 第2戦  名古屋グランパス-FC東京(味の素)

 味の素スタジアムで劇的な勝ち抜けを果たした名古屋グランパスは、悲願のルヴァン杯決勝進出を果たした。

 3-1で1stレグを折り返したものの、55分までに2失点。名古屋の勝ち抜けが固いと思われていた戦前の予想を覆し、FC東京が決勝へ王手をかけた。それでもマッシモグランパスは執念を見せ、80分に稲垣が劇的なゴールを奪う。トータルスコアは4-3。再び名古屋が決勝へと王手をかけた。その状態のまま、180分間を終えたホイッスルを聞くことになった。

 名古屋にとって、クラブ史上初の偉業だ。これまで8度も挑戦してはね返され続けた決勝進出という高い壁を超え、今、未達成のタイトルを手に入れようとしている。決戦の相手はセレッソ大阪。2017年以来のカップ戦ウィナーを狙うチームとの対戦になる。

 リーグ戦の優勝はすでに川崎が手中に収めようとしており、そもそも名古屋はその可能性が消えている。名古屋が可能性を残しているのはこのルヴァン杯、天皇杯、そして、ACL。セレッソ大阪に勝てば、2019年のシーズン途中から指揮官となったマッシモ・フィッカデンティにとって、名古屋での初タイトルとなる。

■名古屋に勝利を与え続けてきた監督

 マッシモ・フィッカデンティは、これまで名古屋に勝利を与え続けてきた監督だ。そのサッカーはとても手堅く、常に“最少失点”といった守備の看板を掲げる。誤解を恐れず言えば、派手さはない。その代わりに、きっちりと勝利を手にする勝負師のたたずまいすらチームに漂っている。

 攻守で言えば「守」に重きを置いているため、「攻」では時には拙攻も目立つ。名古屋がタイトルとともに目指すのは、いや、タイトルの向こうに目指すのは「攻」の進化だ。すでに書いた通り、名古屋は勝負師としての性格を持っている。まずはタイトルの獲得を最優先するだろうから、「攻」の進化はそのあとに回すだろう。

 名古屋にとって、「攻」は対局的な言葉であり、なおかつ、天敵でもある。今年の春に川崎フロンターレとの連戦を戦ったが、その際、フューチャーされたのは「最強の矛vs最強の盾」というキーワードだ。最多得点のチームと最少失点のチームがぶつかったらどうなるのか。結果を言えば、矛が盾を破った。初戦は0-4で、2戦目は2-3。守備は崩され、2試合合計で7失点もしてしまった。その時から、名古屋は「攻」を意識した。フロンターレとの試合の途中から、“最強の盾”を構えるための4-2-3-1から4-3-3へとシステムも変更した。さらなるタイトルを得るには、盾を分厚くしながら矛先を磨く必要がある。

■決勝戦の行方

 味の素スタジアムでのFC東京戦でリズムを取り戻すことができなかった要因も、攻撃面での改善に見いだせた可能性がある。ボール保持についての蓄積がないため、相手が前傾姿勢になったときに時間を潰すこともいなすこともできない。耐えることには自信があるが、それでも、勢いに飲まれればどうなるか分からない。この試合も瀬戸際まで追い詰められた。名古屋にとって、攻の進化は、その守備をさらに生かすものともなる。

 ただ、セレッソ大阪との決勝では名古屋は今まで通りの戦い方を展開するはずだ。自慢の守備を武器に、素早く前へと繰り出す。多彩なFW陣とアタッカー陣が、カップ戦初冠さいに向けて虎視眈々とチャンスを狙うはずだ。

 舞台は埼玉スタジアム。マッシモ名古屋が桜を切り倒して見事にタイトルを手にするのか。運命の日は10月30日だ。

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