【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・10/10 毎日王冠(GII・東…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・10/10 毎日王冠(GII・東京・芝1800m)

 残り200mで先頭に立ったダノンキングリーを、後方から伸びたシュネルマイスターがゴール直前でアタマ差とらえ、1番人気に応えました。シュネルマイスターの単勝オッズが2.6倍、ダノンキングリーが2.7倍だったので、人気拮抗の二強対決であり、下馬評どおりレースも一騎打ちとなりました。

 現条件で行われるようになった1984年以降、56kgを背負った3歳馬の勝利は、オグリキャップ(88年)、アリゼオ(10年)、カレンブラックヒル(12年)に次いで4頭目です。

 父キングマンは欧州年度代表馬に選出された名マイラー。ゴール前で繰り出す鋭い決め手が持ち味でした。種牡馬としても非凡で、パーシャンキング(ムーランドロンシャン賞、仏2000ギニー、イスパーン賞)、パレスピア(ジャックルマロワ賞2回などマイルG1を5勝)といった名マイラーを出して成功しています。

 サドラーズウェルズもデインヒルも持たず、比較的軽めの血で構成されているため、日本に輸入された産駒も好成績を挙げており、本馬のほかにエリザベスタワー(チューリップ賞)、ダノンジャスティス(デイリー杯2歳S-4着)が出ています。

 本馬はサリオスやサラキアが出たドイツの名牝系に属しており、いずれ種牡馬となった際も魅力十分です。

・10/9 サウジアラビアRC(GIII・東京・芝1600m)

 残り300mで逃げ馬を交わして先頭に立ったコマンドラインが、ステルナティーア、スタニングローズの追撃を1/2馬身、クビ差抑え、2戦目にして重賞を制覇しました。

 デビュー前から世代屈指の逸材と評判になっていた良血馬で、1歳時にサンデーサラブレッドクラブで1億4000万円で募集されました。

 マイラーズC、毎日杯、東京スポーツ杯2歳Sでそれぞれ2着となったアルジャンナの全弟。母コンドコマンドは2歳牝馬によって争われるスピナウェイS(米G1・ダ7ハロン)を勝ちました。

 母の父ティズワンダフルは米G2を勝った程度の競走成績ですが、近い世代にティズナウ、ストームキャット、ミスタープロスペクターを抱えているので、三冠馬コントレイルの2代母フォークロア(米2歳牝馬チャンピオン)と配合構成が酷似しています。

 母方にティズナウ(米年度代表馬)を抱えたディープインパクト産駒は6頭デビューしてすべて勝ち上がり、うち2頭が重賞を勝ったことになります。サンプルは少ないものの勝率36.1%、連対率50.0%ですから驚異的です。

 ディープインパクト産駒の2歳重賞勝ち馬は通算23頭目で、本馬の馬体重522kgは過去最高。小さめのサイズが多い同産駒にあって異色といえます。超大型馬特有の鈍重さといったものは現時点では見られず、ちゃんと動けているので今後が楽しみです。

 (文=栗山求)