スタンレーレディス 女子ゴルフの国内ツアー・スタンレーレディス最終ラウンド(R)は10日、静岡・東名CC(6592ヤード、パー72)で行われた。首位スタートの佐藤心結(みゆ・明秀学園日立高3年)は通算10アンダーで終え、渋野日向子(サントリ…

スタンレーレディス

 女子ゴルフの国内ツアー・スタンレーレディス最終ラウンド(R)は10日、静岡・東名CC(6592ヤード、パー72)で行われた。首位スタートの佐藤心結(みゆ・明秀学園日立高3年)は通算10アンダーで終え、渋野日向子(サントリー)ら4人とのプレーオフに突入。しかし、3人に絞られた2ホール目でバーディーを逃し、史上8人目のアマチュアでのツアー優勝を果たせず2位に終わった。渋野が国内ツアー通算5勝目。(文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)

 18番パー5でのプレーオフ2ホール目。パーで終えた佐藤は、渋野のバーディーを見届けると目を潤ませた。キャディーを務めた三觜喜一(みつはし・よしかず)コーチから、ポンと背中をたたかれて励まされたが、ポロポロと涙をこぼし、両膝に手をついた。

「悔し涙です。でも、終わった後にスクールの先輩たちや家族が『よく頑張った』と言ってくれて、自分でも『頑張って良かったな』とも思いました。その感情も含めて、また涙が出てきました」

 不運な第3打だった。渋野、ペ・ソンウがピン左2メートルにつけた後、佐藤は残り90ヤードから50度のウェッジを打ち込んだ。「自分の中では完璧なショット」で、描いたイメージはバックスピンでバーディーチャンスだった。しかし、ボールはピンに直撃。その勢いで7メートル以上、戻ってしまった。

「でも、その後はバーディーパットに集中しようと思いました。外れてしまったのは、仕方がないと思います。3日間アンダーで回れて、二桁アンダーにしたことは自信になりました。渋野さんをはじめ、有名なプロの方々で上手でしたし、一緒に戦って2位になれてやりきった感もあります」

大会開催に感謝「このような大会に出られたことは当たり前ではない」

 大会前から、三觜コーチと「これがアマチュアとして出る最後の大会。勝ちにいく」と話し合ってきた。270ヤードを超えるドライバーショットは、この日も冴えて同組の小祝さくら、工藤遥加を圧倒した。そして、高弾道、高スピンのアイアンショットを生かして4バーディーを奪った。17番では、4メートルのパーパットを決める粘りを見せるなどし、70でまとめて10アンダー。04年4月再春館レディース火の国オープンの横峯さくら以来、アマとして2人目のプレーオフ進出を果たした。

 結果は2位。目標にしていた「アマチュアで優勝してプロテスト免除」は実現できず、中1日で12日から始まるプロテスト2次予選(茨城・ザ・ロイヤルGC)に出場することになった。前週の日本女子オープンにも出場しており、強行日程にも思えるが、本人は「続けてラウンドしていた方が状態が良くなる」と言い、明日11日も同ゴルフ場で練習ラウンドをすることを明かした。そして、今後の目標を明言した。

「2次予選に気持ちを切り替えて通って、最終プロテストで合格できるように準備したいです。このような大会に出られたことは当たり前とは思っていないですし、携わってくれた皆様には感謝の思いでいっぱいです。そして、プロになって、この舞台に戻って優勝できるように頑張りたいです」

 今大会、強烈なインパクトを残した18歳は、渋野にも「肝が据わっている。プロになったらすごく強くなる」と言わしめた。次の優勝争いも、そう遠くないのかもしれない。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)