サッカー日本代表は10月7日深夜にアウェイでサウジアラビア代表と対戦し、0-1で敗れた。ホームでのオマーン相手の黒星発…

 サッカー日本代表は10月7日深夜にアウェイでサウジアラビア代表と対戦し、0-1で敗れた。ホームでのオマーン相手の黒星発進に続き、3試合で早くも2敗目を喫した。
 日本代表の現状、そして未来は――。取材歴50年を超える大住良之、後藤健生、2人のサッカージャーナリストの激論は、普段以上に熱がこもった。

―今回のサウジアラビア戦をどう見ますか?

後藤「スタッツを見ても、ポゼッションからシュート数から、何もかもがまったくの五分五分。ここまで互角の試合というのは珍しいんじゃないか。お互いにチャンスもミスもあり、一番決定的なミスをどちらがしたか、という差だけ。アウェイであの暑さの中でこれだけやったんだから、悪くはなかった」

大住「そうなんだよね、悪くはないんだよ。前半からの追い込みなどは良かったけど、良いプレーでもなかったんだよね」

後藤「お互いにそうだと思う。サウジアラビア国民も、今は勝ったから喜んでいるだろうけど、もし0-0のまま終わっていたら、『もうちょっとできたはずだ』と言うでしょうね。お互いに悪くはないけど、それほど良くもない、という試合。ここまで五分五分という試合は珍しいよ」

大住「僕はあまりそういう印象はではないかな。もちろん劣勢だったわけじゃないけど、日本の攻撃が本当につながらないというか、機能しないというか。コンビネーションを発揮できるような状況にならないのは、どうしたものかなと思うね」

■「呪われているかと思った」試合前日のニュース

後藤「右サイドに入った浅野拓磨の足を使おうという意識は確かにあるんだけど、全然コンビネーションが合わない。左サイドの南野拓実は、あまり調子が良さそうじゃなかった。やっぱり、堂安律久保建英がいなかったのは、ちょっと響いたかな」

大住「いたとしても、2人同時には使わないと思うけどね。いや、今回なら使ったかな。右の伊東純也がいなかったから」

後藤「交代出場させることを考えても、手駒が足りないというのは厳しいよね」

大住「この試合に、堂安不在はすごく大きかった。サウジも何人も中心選手がいなかったんだけど、日本の攻撃に堂安がいなかったのは痛かった。試合前日に負傷離脱のニュースを聞いた時には、『呪われているんじゃないの?』と思ったくらい」

後藤「その程度のことは、これからも起こるよ。古橋亨梧はよく戻ってきたけど」

大住「9月の試合では南野に守田英正板倉滉とボロボロと抜けていったし、今度は久保がいない、古橋が戻ってはきたけど、伊東純也が出場停止で、今回は堂安に期待するしかないという時に離脱して森保一監督としても、すごくショックだったんじゃないかな。結局、浅野もいまいちだったしね」

後藤「浅野が悪いわけじゃなくて、普段やっているメンバーじゃないから、コンビネーションが合わないのは仕方ない。そういう意味では、開始前から不安がある試合だったね」

■気になった柴崎のボールロストと昔からの癖

大住「いつも思うことなんだけど、最後に攻めなきゃいけないという時に、攻めがまとまらないんだよね。例えば川崎フロンターレだったら、最後に攻めなきゃいけないという時には、自分たちの良いものを全部出して、リスクを冒しても攻めていくけど、日本代表はそうじゃない。

 ただ前に行っているだけで、足も体も動いていない。お互いを見ていなくて、皆が同じように突っ立っている。最後に全然効果的な攻めができないというのは、ずっと日本代表では続いているよね」

後藤「今回は両サイドの調子が悪すぎたと思う」

大住「まあ、そうだね。59分に2人とも交代したわけだけど、僕はあの場面で柴崎岳を代えるんだと思っていたので、交代が両サイドだったのには非常にびっくりした。確かに両サイドはあまり機能していなかったけど、柴崎の方が後半の頭から明らかにプレー精度が落ちていて…」

後藤「失点直後に柴崎を代えたけど、あれは準備していたものだからね。失点につながるミスしたから、じゃなくて」

大住「後半が始まって4分後に、ハーフウェイラインを越えたところで柴崎がボールを取られて、カウンターを受けた場面があった。最終的に権田修一がシュートを防いだんだけど、柴崎は取られた後で相手のファウルだって手を広げてアピールして、ボールを追わないんだよね。あの瞬間、『もうダメだ』と思った」

後藤「柴崎は昔からそういうところがあるよね。確かに僕も反則かなと思ったけど、あそこで足を止めちゃいけなかった。そもそも前半からボールロストが多すぎた。開始早々のミドルシュートも良かったし、良いパスも出していたけど、あれだけ中盤の深い位置でボールロストしては…。遠藤航が一生懸命カバーをしていたけど、あれではちょっと使えないよなと思ったね」

大住「テンポが遅いからボールロストするんだよね。ボールを持って、『さあ、どこに出そう』という感じになるから、相手はもう…」

後藤「狙っている。プレーしているうちに、相手には分かるもんね。ここにプレッシャーをかければボールを取れる、ということを知られてしまった。『柴崎はボールロストするからダメだ』って、前半のうちからノートのあちこちに書いてある」

大住「後半になっても、柴崎のボールロストが圧倒的に多かったんだよね。なんで早く代えないのかな、と思っていたんだけど…」

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