【大恵陽子=コラム『ちょっと馬ニアックな世界』】地方競馬では10月にも新人騎手がデビューします。今年は佐賀と園田・姫路…
【大恵陽子=コラム『ちょっと馬ニアックな世界』】
地方競馬では10月にも新人騎手がデビューします。今年は佐賀と園田・姫路でそれぞれ1名の新人ジョッキーがデビュー。今年の兵庫ダービーを勝った厩舎からデビューする騎手や、早速初勝利を挙げた騎手と、楽しみな2名。新人騎手の「ちょっと馬ニアックな世界」を覗いてみましょう。
◆デビュー日はオール馬券圏内! 加茂飛翔(かも つばさ)騎手
加茂飛翔騎手は10月2日に佐賀競馬で早速デビューを迎えました。
「(所属する)大島先生に3頭、馬を用意していただいて、人気している馬もいるので、楽しみな部分と不安な部分もありました」
デビュー戦となった佐賀6Rは後方から直線は内を突いて6番人気ながら3着に食い込むと、続く7Rで単勝1.4倍の1番人気に応えて勝利。デビュー日に見事、初勝利を挙げたのでした。
「体が硬くなってしまったり、自分が思い描いていた作戦通りにならなかった騎乗が多かったです」と初日を振り返りつつも、初勝利を挙げたレースは 「道中うまくいかないことが多かったですが、最後の方は折り合って馬が思うように動いてくれたのでよかったです」とのこと。
小柄な体格を生かせる仕事がしたいと悩んでいたところ、親戚が佐賀競馬の大島静夫調教師を紹介してくださったことが競馬との出会い。大島厩舎での厩務員を経て地方競馬教養センターに入所、デビューとなったのです。
そういえば、史上最速で通算100勝を挙げた佐賀期待の新人・飛田愛斗騎手も地方競馬教養センター入所前に親戚の紹介で所属の三小田幸人調教師と出会っていました。
昔はこうして所属厩舎が決まった状態で地方競馬教養センターに入所するのが基本的なパターンでしたが、最近は「公募」と言って、センター入所後に「新人騎手を迎え入れたい」という調教師を募り、所属を決めることが多くなりました。
それゆえ、昔ながらのこのパターンはかえって新鮮に感じますね。
「追い込む時、馬の動きに遅れず体を柔らかく使って乗ることができるので、それを究めて他の騎手に負けないようにしたいです」と加茂騎手。
自身の名前と語呂が似ているかきつばた記念(名古屋)にいつか乗ってみたいという夢もあるのだそうです。
今年10月のデビューはこの2名。フレッシュな騎乗が、新たな風を吹かせるかもしれません。
(文=大恵陽子)