長期的な改革に取り組んでいるATP(男子プロテニス協会)が、5つのマスターズ1000大会の開催期間を延長する意向を示した…
長期的な改革に取り組んでいるATP(男子プロテニス協会)が、5つのマスターズ1000大会の開催期間を延長する意向を示した。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じている【関連記事】錦織圭が語るマスターズ大会最高の思い出とは
ATPのアンドレア・ガウデンツィ会長は、男子ツアーの再設計を目的とした戦略的プランに含まれる「重要な事案」のいくつかがATPの理事会によって承認されたと、書面を通じて選手や関係者に伝えた。
その中でも大きな変更として注目されるのが、マスターズ1000大会の規模拡大だ。現在は開催期間が1週間の5大会、「ATP1000 ローマ」、「ATP1000 マドリード」、「ATP1000 カナダ」、「ATP1000 シンシナティ」、「ATP1000 上海」を、「ATP1000 マイアミ」「ATP1000 インディアンウェルズ」と同じ12日間開催に変更するという。また、米テニスメディア Tennis.comによれば、同大会の2週目にはATP250大会も同時に開催され、マスターズ1000大会から得られた追加の収入がATP250大会に補助金として回されるとのことだ。
マスターズ1000大会は、賞金やランキングポイントの面でグランドスラム、「Nitto ATPファイナルズ」に次いで3番目にカテゴリーの高いトーナメントだ。「ATP1000 マイアミ」と「ATP1000 インディアンウェルズ」は開催期間が長いだけあって、マスターズ大会の中で最も規模が大きく、いずれもシングルスで96名、ダブルスでは32組の選手が参戦。賞金総額もほかのマスターズ大会に比べて格段に多い。マスターズ大会は全部で9大会あり、今回変更予定の5大会以外には「ATP1000 モンテカルロ」と「ATP1000 パリ」が1週間開催だが、そちらのスケジュールが今後同じように延長となるかは不明。
理事会はさらに「新しい利益分配法」と「長期的な賞金額の基準調整」にもゴーサインを出しており、賞金額が今のベースよりも2.5%増えることに加え、マスターズ1000大会で得られる利益の50%をツアー全体に分配するボーナスプールが設けられるという。
「今回の合意は、ATPツアーの対等なパートナーシップのもとで活動している私たちのスポーツ、そして選手や大会関係者にとって、大きな進歩を意味します。このパートナーシップの精神、透明性、利害の一致があってこそ、私たちは皆さんの可能性を最大限に引き出し、スポーツとエンターテインメントの世界で直面する競争に焦点を合わせることができるのです」とガウデンツィ会長は述べている。
この戦略的プランには大会の放映権を有する組織、「ATPメディア」に関する変更も盛り込まれており、理事会での合意が今後進められる予定だ。現在、「ATPメディア」はツアーとマスターズの各大会の運営団体が共同で所有しているが、将来的にはこれらの団体がその所有権を「ATPメディア」の株式と交換することが提案されている。このプロセスに関する詳細は公表されておらず、どれくらいの賛同が得られるかは不明だ。また、ATPは独立した組織である「Tennis Data Innovations(テニス・データ・イノベーションズ)」の創設も考えているという。
これらの変更はすべて、2020年に選手たちに配布された92ページにわたる戦略的プランの「フェーズI」に当たるものと思われる。ガウデンツィ会長が2020年頭の就任当初に提示していた、大変革をもたらすような野心的な計画はパンデミックによって遅れを取るも、少しずつ形になってきているようだ。
(テニスデイリー編集部)
※写真は12日間開催の「ATP1000 マイアミ」2021年大会で優勝したフルカチュ
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)