2000年代にアイドル的人気を博したテニスの元世界王者アンディ・ロディック(アメリカ)は、Netflixで公開されたマー…

2000年代にアイドル的人気を博したテニスの元世界王者アンディ・ロディック(アメリカ)は、Netflixで公開されたマーディ・フィッシュ(アメリカ)のドキュメンタリー番組の中で、ロジャー・フェデラー(スイス)への惜しみない賛辞を口にした。ロディックはフェデラーのプレースタイルやイメージについて語り、史上最も偉大な選手としての役割を受け継ぐフェデラーの能力をうらやましく思っていることを認めた。スポーツウェブメディアSportskeedaが報じている。【フェデラー】リハビリ中のフェデラー、2022年復帰に前向き「最悪の時期は過ぎた」

「Untold: Breaking Point(Untold: 極限のテニスコート)」と題されたこのドキュメンタリーに、ロディックは良き友人であるフィッシュと共に出演している。フィッシュは、フェデラーが原因で、アメリカ人男子選手たちがツアーで自分たちの存在を主張しようと長年苦闘したと指摘。これに対しロディックはまず、グランドスラム20度優勝を誇るフェデラーの無類のプレースタイルについてコメント。フェデラーの試合は攻撃と守備の完璧な組み合わせであり、対戦相手が反撃するのはほとんど不可能だとロディックは信じているようだ。

「ロジャーは世界最高の守備ができる選手であり、同時に世界最高の攻撃ができる選手でもある。それをどうやって攻めるというんだ?」とロディック。

強力なサーブを武器としたロディックはさらに、フェデラーは世界で「最も好かれているスポーツ選手」だと主張した。ロディックはフェデラーを特徴づけるテニス以外の特質をいくつか挙げ、自分はフェデラーの成功を妬んではいないが、むしろフェデラーがテニス界における自身の立場を実にたやすく対処していることに嫉妬していると述べた。

「彼は世界で最も好かれているスポーツ選手だ。17の言語を話し(これは誇張だ。フェデラーは8つの言語を話す)、髪型も似合っているし、それだけでも最高なのに、汗もかかない。僕は彼の成功に嫉妬しているんじゃないよ。彼がやすやすと、史上最も偉大な選手としていられることに嫉妬しているんだ」

ロディックは現役時代、フェデラーとラファエル・ナダル(スペイン)に対してあまりいい戦績を残すことができなかった。しかしながら、ロディックは対戦成績でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に勝ち越しているとても数少ない選手の一人である。ロディックはツアーでフェデラーと24度対戦し、そのうち21度で敗れている。その一方で、ナダルに対しては3勝7敗、ジョコビッチに対しては5勝4敗の対戦成績を記録している。

フィッシュのドキュメンタリーでフェデラーについて会話を交わす中で、ロディックはビッグ3を倒すために当時彼が行った努力について力を込めて語った。さらに、3人とライバル関係にあった時期に常に批判と戦わなければならなかったことも口にした。

「今やテニス界のラシュモア山(アメリカの過去の大統領4人の巨大な顔が彫られた岩山)になった選手たちを倒そうとするには、途方もない努力が必要だったよ。それに、その間ずっと批判にさらされているんだ。でも、父が僕に軍人の気質を刷り込んでくれた。つまり、こてんぱんにやられたら、立ち上がってもう一度やるってことだ。僕はずいぶん立ち上がらなければいけなかったよ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ウィンブルドン」でのフェデラー

(Photo by Matthias Hangst/Getty Images)