ソフトバンクへの入団が決まった川崎宗則内野手が1日、ヤフオクドーム内で入団会見を行なった。■入団会見はムネリン節全開で笑の渦に、「たくさんのGMたちに本当に感謝」 ソフトバンクへの入団が決まった川崎宗則内野手が1日、ヤフオクドーム内で入団会…
ソフトバンクへの入団が決まった川崎宗則内野手が1日、ヤフオクドーム内で入団会見を行なった。
■入団会見はムネリン節全開で笑の渦に、「たくさんのGMたちに本当に感謝」
ソフトバンクへの入団が決まった川崎宗則内野手が1日、ヤフオクドーム内で入団会見を行なった。
今季はカブスとマイナー再契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加。しかし開幕直前で球団からリリースされ、古巣復帰を決断した。背番号は以前と同じ「52」。この日の会見前に正式にサインを交わし、6年ぶりに古巣に復帰することが決定。入団会見では「川崎節」全開で、笑いの渦に包んだ。
以下が会見の一問一答。
「おはようございます。福岡ソフトバンクホークスに入団することになりました川崎宗則と言います。みなさん宜しくお願いします。鹿児島出身であります。よろしくです」
――おかえりなさい。
「ただいまと言っていいんですか、まだ帰ってないという気持ちです。福岡で会見しているんですけど、ヤフオクドームでプレーしたときに初めて帰ってきたと思うので、今はまだ福岡にいるって感じです」
■「朝起きたらクビだっていうメールがあって、こりゃ困ったなと」
――今の心境は。
「昨日、一昨日までアメリカにいました。そしてクビになりました。朝起きたらクビだっていうメールがあって、こりゃ困ったなと思ったときに、一番最初に声をかけてくれたのがホークスでした。すごく嬉しかったし、次の日ホークスだ、ホークスに行きたいと思いました。そして今日サインしました」
――6年ぶりの復帰。ホークスへの強い思いがあった。
「福岡が大好きで、なんと言っても、福岡に帰ってくるたびにたくさんのGMがいました。タクシーの運転手さん、行く店の大将のみなさん、エレベーターで会う子供連れの家族のみなさん『いつ帰ってくるの?』と。それはすごく頭にありました。僕の思いももちろんあるんですが、福岡の人たちのたくさんの思いがあったからだと思っています。感謝しているし、こんな僕みたいなのに、声をかけてくれたたくさんのGMたちに本当に感謝しています」
――球団からの言葉は?
「球団からのたくさんの言葉は響いていまして、ホークスに来てくれというのは毎年のように言われていました。でも、このタイミングになったのかは分かりません。なぜここになったのか。いま時差ボケでボケっとしているのもあると思うんですけど、まだ夢かと思うくらい不思議な感じがします。福岡が好きで、ホークスが1番好きな球団で、このユニホームを着るってことが嬉しく思うし、1番嬉しい。多くの方に声をかけてもらったのもうれしい」
■ホークスでは「ピッチャーもやれと言われれば、やれます」
――外からホークスをどう見ていた。
「僕がいなくなったホークスはどんどん成長していって、後輩たちが頼もしくなり、もうすごい上手い選手ばかり。今まで見たホークス、歴代のホークスで1番強いんじゃないかなと思うくらいの印象があります。毎年強くなっているなというイメージがあります」
――どんな働きを?
「野手では1番年上になるんで、1番いいのは気を遣わなくていいなと。上下関係厳しいんで、野球界は。先輩がいるとどうしても敬語とか使わないといけないし、めんどくさかったんで(笑)。そういう意味ではすごい気が楽だなと。後輩たちは頼もしいし、助けてくれるでしょう。引っ張っていってほしい、俺を」
――ポジションに関しては?
「向こうにいって、ポジションたくさんできるようになった。ピッチャーもやれと言われれば、やれます。真っすぐとカットしかないですけど、ナチュラルのカットしかないんですけどね、ピッチャーもやれるので、野球選手になった以上、野球がどこでもやる出来るのが野球選手というのが僕のポリシーなので、監督が僕を好きなように使ってくれて、それに僕は日本人らしくイエス! と言いたいと思います」
■「イチロー選手とプレーしたかった」「ストレスが僕を強くした」
――アメリカで糧になったことは?
「12年にシアトル・マリナーズに入団した時、イチロー選手とプレーしたかった。それは小さい時からの夢だった。それを叶えるためにいって、本当はそれで終わりだったはずなのに、またアメリカに残りました。なんでかな、と思ったんですけど、環境が違いました。日本とメジャーの環境が。この環境が違うことに戸惑いながらも、この環境を少しでも僕のものにして、吸収できたら、日本の野球界に少しでも、みんないいプレーができる何かきっかけになればいいなと。
1番は環境が違うところにいったストレスが僕を強くしたのもあるんですけど、環境が違うということは自分にとっては勉強することがたくさんありました。新しいものも見ました。今までこれがセオリーだと思ったことが、セオリーじゃなかったこともあった。それで戸惑いましたが、こういうことなんだと理解出来るようになりましたし、これが全てじゃないと分かっただけでも向こうに行ってよかったと思います」
――若手への還元は?
「僕とプレーして、野球が下手になって欲しくない。上手くさせて、野球をもっと楽しいと思ってもらいたい。厳しい世界です、プロ野球は。下手になればクビになり、上手ければずっとプレーできる。上手くなるようなプレーを後輩たちにしてもらえるような、そういう風に引っ張って行きたいし、そういう先輩でありたい。自信はあります」
福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani