「マレーシアオープンスーパーシリーズプレミア5日目(準決勝)」チェン・ロン(中国:世界ランク1位)8-21 21-19 21-14 クリスティ・ジョナサン(インドネシア:世界ランク37位)バドミントンの基本的なショット「ハイクリア」。このシ…

「マレーシアオープンスーパーシリーズプレミア5日目(準決勝)」

チェン・ロン(中国:世界ランク1位)8-21 21-19 21-14 クリスティ・ジョナサン(インドネシア:世界ランク37位)

バドミントンの基本的なショット「ハイクリア」。このショットを一切封印して世界ランク1位をあと一歩まで追い詰めるなんてことが考えられるのでしょうか。

驚異的な若者がインドネシアから登場しました。クリスティ・ジョナサン。1997年9月生まれのまだ18歳。上がってきた球はすべて攻撃。この試合で放ったハイクリアはなんとゼロ。

この大会は予選から登場。各国のTOP選手に対し打ち抜いて打ち抜いて打ち砕きここまで勝ち上がってきました。予選2回戦では西本拳太選手を、1回戦では台湾のエースを、2回戦では香港のエースを、そして準々決勝ではイングランドのエースを。

そして準決勝。ついに世界の頂点、チェン・ロン選手に挑みます。第1ゲームはなんと21-8の大差でジョナサン選手が先取。世界のトップをいわゆる「フルボッコ」にした姿は衝撃以外の何物でもありませんでした。続く第2ゲームも19-16まで終始リード。もうチェン・ロン選手の壁を越えてしまうのか。

しかしさすがはチェン・ロン選手。そこから5点連取してこのゲームを奪い返すとファイナルゲームは終始主導権を保ちながら勝利。金星はまだ許してくれませんでした。

ジョナサン選手のスタイルは2ゲーム連取で圧勝するときは迫力満点ですが、今日のような展開になるとスタミナ切れと手詰まりに陥る側面があるようです。そのあたりが課題でしょう。

2004年のオリンピックでタウフィック・ヒダヤット選手が金メダルを獲得して以後、男子シングルスではインドネシアから世界的スターが誕生していませんでした。しかしさすがインドネシア。ちょっと時間はかかりましたがしっかり人材は育っていました。

身長は180cm前後。個性的でわかりやすいプレースタイル、逆三角形で胸板の厚い上半身、端正な顔立ち、そしてスマートなコートマナー。もう間違いなく大スター候補です。

今後は経験を積んで引き出しの数を増やしながらさらに強くなっていくことでしょう。2020年の東京五輪とその次の2024年、そしてさらにその次2028年に至る金メダル候補かも知れません。2028年になってもまだ今のリー・チョンウェイ選手より若いのです。日本のファンのみなさん、この選手はぜひ覚えておいてください。

1.試合予定と結果
http://www.tournamentsoftware.com/sport/matches.aspx?id=990E6107-082C-4213-9BD3-275899B78F26
2.この試合の動画
https://www.youtube.com/watch?v=4QMc_xpBqkA&nohtml5=False
3.クリスティ・ジョナサン選手のプロフィール
http://www.tournamentsoftware.com/profile/matches.aspx?id=6A537DB2-42E4-4604-81DF-6D1ECF387DCE